業界の常識を変えた「親子のためのクラシックコンサート」

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「お母さんの笑顔」をテーマにさまざまな子育て支援事業を行ってきたトランタンネットワーク新聞社「お母さん大学」ですが、2012年に行った「親子のためのクラシックコンサート」は、それまでディズニーやアンパンマンが主流だった親子コンサートの常識を覆す、正真正銘ホンモノのクラシックコンサートでした。

演奏者は、総勢75名の世界有数の管弦楽団であるボン・ベートーヴェンオーケストラ。

オーケストラ大阪2

大阪ではザ・シンフォニーホール、横浜ではみなとみらいホールに、それぞれ1000人を超すお母さんと子どもたち(0123歳児)が一堂に会し、ベートーヴェンの交響曲「田園」を聴いたのです。

1万円のチケットを買って集まってくれた親子は、まるでピアノの発表会のようなおしゃれないでたちで会場へ。

入口には100台を超すベビーカーが並び、公演開始前のホワイエには、ベビーベッドと6畳敷のカーペットで、おむつ替えやハイハイをする子どもたちが溢れました。

「これまでにない、最高の親子コンサートだった」と話すのは、主催したお母さん大学学長の藤本裕子。

「1000人の親子が集まって、静かにクラシック音楽を聴けるわけがありません。で、どうしたかというと…。そう、お母さんは、子どもにおっぱいをあげながら『田園』を聴いたのです」。

オーケストラ大阪

「こんなコンサートははじめてだった。これこそ世界初、いえ、世界一のコンサートだ!」と指揮者、ローマン・コフマンはあとで話したそうです。

コンサート終了後は、たくさんのお母さんたちから、感動のメッセージをいただきましたが、中でも印象的だった、もう一つのエピソードを紹介します。

この時、最後まで泣きもせず、ぐずりもせずに音楽を聴いていたという、当時1歳未満だった赤ちゃんが、2歳になったある日のこと。偶然にテレビから聴こえてきた『田園』に反応し、まさかの「タクトを振る」しぐさをしたというのです。

そう。大人は、コンサートのパンフレットを見て、田園がどんな曲か、どれほど有名な楽曲であるかを頭で理解するのですが、子どもは感性でいいものが解かるのです。

きっとママの腕に抱かれ、おっぱいを飲みながら聴いた『田園』は、何より素晴らしい音楽だったはずなのです。

コンサート会場

お母さんと子どもたちが緊張と感動で過ごしたこの日の模様は、テレビや新聞で大きく取り上げられました。

以降、それまで、子どもは出入り禁止だった大ホールに、おむつ替えシート付のトイレができたり、託児サービスが用意されたり。また、子どもにこそホンモノの音楽を、と考える音楽家も増えています。

こんなふうに、音楽業界、子育て支援業界に一石を投じた企画という意味でも、最高のコンサートだったと振り返ります。

 

 

 

ABOUTこの記事をかいた人

編集部 青柳 真美

お母さん大学事務局兼編集部。お母さん業界新聞副編集長。みそまる普及委員会代表。みそソムリエ。宅地建物取引主任者。仕事は、お母さんを笑顔にすることと、味噌を伝えること。具体的には、編集・企画・営業・イベント…。おっと、忘れちゃいけない大事な仕事が、藤本学長のツーヤクとカイゴ。家族と仕事以外に、私の人生に欠かせないもの…車/映画/本/旅/食後のコーヒー。息子1人(26歳)。