百万母力「夢の報告」(2017.06月号)

夢の報告

 

うれしいメールが届いた。

「ご無沙汰しています。おサボりお母さん大学生のSです。

このたび20年来の夢だった

『お母さんウインドサーファーになる』を実行してまいりました」。

ずっとお母さんたちに「夢」を聞いてきた。

その質問をきっかけに、子育てをする中で、

置き去りにしていた夢を再び描き始める、たくさんのお母さんたち。

夢を描くことでおこる、楽しいことや大変なこと。

それもこれも人生であり、

子どもに、夢に向かって生きる親の姿を見せることが

「子育て」だと言ってきた。

挫折して夢をあきらめてしまうお母さんがいる一方で、

夢をカタチにし、社会で活躍しているお母さんもいる。

けれども、こうして報告してくれる人は滅多にいないから、

素直にうれしかった。

メールには、湘南の海の写真が添えられ、

成長した子どもたちの様子も報告されていた。

出会った当時から、オムツや食事、兄弟げんかなど今にして思えば、

日々の些細なことにそのつど悩み、苦労し、乗り越えてきた彼女。

悩みの種だった子どもたちもそれぞれに成長し、

「パワフルに毎日を過ごしている」こともうれしかったが、

20年も夢をあきらめずにきて今、夢を叶えたことが素晴らしく、

「同志」というか、「仲間」を感じた。

子育て支援にもいろいろあるが、

目指しているのは「子育てに夢が描ける社会」。

やっていることは、昔も今も変わらない。

子どもを育てるのは、大変で当たり前。

だからこそ、あえて言う。

お母さんが夢を描かないと、子どもが育たない、と。

「子育て」という小さな枠の中で子どもを育てるのではなく、

窮屈なその枠を壊してあげることが大事。

Sさんは、

20年前と変わらぬ若さと体力で海に向かうことはできなくても、

4人の子どもを育てた母力と感性を生かして軽やかに、

風に、波に、乗れるだろう。

湘南の海に漂う、誇らしげなSさんが目に浮かぶ。

大切なバランスと気力はお任せ。

子育てのさまざまな場面で流した苦労と喜びの涙も、海に流そう…。

私も、そろそろ人生のエピローグについて考えたい。

お母さんたちに夢を尋ねるばかりではなく、

自身の夢を描けと、どこからか声が聞こえる。

たしかに。私も夢を実現しなければ、

30年もの間、応援してくださった皆さんに顔向けもできない。

このタイミングで届いたメールは、

それを気づかせるに十分なメッセージだった。

ありがとう、Sさん。

今年もまもなく、お母さん大学恒例の「乾杯の日」がやってくる。

7月30日、7時30分、がんばっている自分に、そして夢に乾杯!

皆さんも、一緒に夢を描きませんか。

(藤本裕子)