遊んだらええ、にいざなわれて。

週末、高知県の四万十川地域に夏の旅行へ行きました。

快晴だったものの、台風10号の影響で四万十川は増水しています。遊ぶのが難しいとのことで、どこに行こうか迷っていた道中、期待せずに立ち寄った水車のある場所(一応、観光地)で、とてもいい出会いがありました。

 

車から見るだけでいいよねと水車のそばへ行くと、なにやら子ども二人、水車のそばで、イカダのようなものに乗って遊んでいます。そばにはやや高齢の男性とお母さんらしき女性。

「楽しそうですね」

車のなかから夫が言いました。

「遊んだらええ。来なさいよー」と男性。

「行きたーい」と我が娘。

 

車を停めて水着に着替えて水車へ。

さっそくイカダに乗って一緒に遊び始めました。

 

おじいちゃんは70歳。小学2年生と3歳の男の子の兄弟でした。

驚いたのが、3歳の男の子の泳ぎのうまさです。ライフジャケットを着ているとはいえ、スイスイーと泳ぐわ、バッシャーンと飛び込むわ、もう、ビックリ。

 4歳の娘も水を怖がることはないのですが、その3歳の子には到底及びません。

おじいちゃんが言います。

「浮き輪なんぞ買わん。小さいときに水のなかに放り出されて泳ぎを覚えてすぐ泳げるようになる」

イカダのようなものは、おじいちゃんの手作りでした。

「昔はねぇ、このあたり、うなぎとかフナとかぎょーさん捕れたんだよ。こんなコンクリートとかなかったもの」

 

川の水を引いているので、水が冷たく、ガタガタ震える子どもだち。

「寒かったら上がりなさいねぇ」

おじいちゃんはそう言って、バケツに水を汲みバッシャーン!とコンクリートの道路の上に水をかけます。すると、その場所は、熱すぎず、気持ちの良い“ホット地面”に。座る子ども。

 

水車と道を挟んだところは田んぼです。

ジャンボタニシをつぶすおじいちゃん。

「稲がやられるからな」

外来生物や農薬についても詳しそうな様子。

 「ほら、泳ぎなさい」

30センチ四方くらいの木の板に穴をあけ、そこに紐を通せば、「ビート板」になります。

子どもが板につかまり、おじいちゃんが紐を手元に手繰り寄せていきます。

「ほら、バタ足して!」

「やってー!」「やりたーい!」

楽しそうな子どもたち。

 何でも手作りしてしまう、おじいちゃんのスゴさです。

おもちゃ、公園とか、既成の用意されてる遊具なんていう概念がぶっ飛んだ。

 

この、言ったら小さな空間で、3時間も遊んで、

娘は、「帰りたくない」「一緒にゴハン食べたい」と泣くくらい、楽しかったようです。

 テーマパークはいりませんでした。

 そのままの自然で、そのまま遊ぶ。

 豊かさって、こういうことなんだなぁと、旅先で教わりました。

 

………

その後、予約していた宿へ。

スマートフォンが圏外なほど、ど田舎にありました。

 

古い、汚い?!

宿の選択、間違えたかなぁと思いました。

(夫も同感だったようです)

犬がワンワン、キャンキャン、警戒の鳴き声をあげています。

 だがしかし、でした。宿は川に接した場所にあり…

通された、2階の客間は清潔な感じで、落ち着ける空間です。

 食事は、川に面した、というか河原のうえに建てられた空間で、でした。

川で捕れたカニを筆頭に、エビや小魚の天ぷらや南蛮漬け、地元野菜がふんだんに食卓に並んでいました。お味噌汁もあって、ホッとします。キンキンに冷えたお茶も用意してくれていました。

 

なんて贅沢なのでしょう。

 

さ、お風呂に入りましょう。

 「あっちー!!」な湯。

お風呂は、熱くて水を流さなければ入れませんでした。

薪で沸かしてくれたから、熱かったのです。

やがて、私たちを“お客さん”だと理解してくれたのか、犬も落ち着いて、しっぽをフリフリ。

可愛い犬でした。

よーく眠れて、さわやかな朝。

6時半には河原でカニを捕まえ遊んでいた私たち。

朝ごはんは、土佐ジロー(地元の卵)がひとり3玉も用意されていました。

(ダブル目玉焼きに、卵かけごはん)

 

コーヒーも飲んで。

 

「今日はこのあと予約が入っていないのでゆっくりしていいですよ」の声。

ライフジャケット3つと、カヌーをすでに用意してくれていた宿の人。

私たちは、2時間半以上も、川で遊びました。(こんなに水は透明なのに、まだまだ台風の影響で濁っているらしいです。「これじゃあ、天然のアユが捕れんもの」とは宿のご主人)

 

圏外だから、スマホをいじることなく、宿の滞在時間をめいっぱい楽しめたように思います。

SNSもできません。いつもなら、ちょっと時間があればスマホでゲームをする夫も、

ちょっと隙間があればFacebookをチェックする私も、いいあきらめがつきました。

 

スローな時間

スローフード、

スローな宿。

 

今回、これらを”体感“できたわけですが、

まさに“豊かさ”を最大限に引き出してくれるのですね。

 

四万十という自然豊かな地域ならではの出会いだったのかもしれませんが、またこんな時間を過ごせたらいいなと思いました。

キラキラ光る、夏のタカラモノ(思い出)がひとつ増えた12日でした。

4 件のコメント

  • 良い体験をされましたね。 昔の人は当たり前にしていたことなのに。
    今の私たちは、時間に縛られ 環境に縛られて 自然の力を忘れています。
    自然に恵まれた環境でも、そこで生き生きと生活し自然と遊ぶ方法を教えてくれる方も少なくなりつつあります。
    アミューズメントパークも自然の環境もどちらも子どもたちに経験させてあげて欲しいものです。
    先々何を選択するのかが楽しみですね。

    • 礼子さん コメントありがとうございます。
      ホントですね。
      自然のチカラ、すべて、ほんとうは自然を信頼して任せておけばいいのかもしれません。

      こうした経験が、子どもにどんなモノを与えて、どんなモノを育てていくのでしょうか。

  • 一度も四国に行ったことがなくて、四万十川を写真でみてまだ残されている自然を感じ
    一緒に川遊びを感じ、美味しい地元料理を堪能し、川のせせらぎを感じながらマキで焚いた暑いお風呂に汗をかき
    夜はぐっすり寝て、朝ごはんをしっかりいただくという贅沢気分を私も一緒に味わった気分です。
    1泊でも満たされた気分になる自然の恵みのありがたさを再認識させていただきました。

    • 美智子さん 四国は、豊かな土地です。
      きっと、まだまだこういう場所は日本にあって。
      秘密にしたいような、日本のタカラでもありますね。

      日本は、美しい。

      この先も、こうであってほしい。 …です。

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    ABOUTこの記事をかいた人

    白川奈保

    埼玉出身、2013年~結婚のため香川へ。 現在3歳の娘と夫と暮らしています。 好きなもの:沖縄、南米、高校野球、楽器を奏でること、お料理すること。 facebookでは「向田奈保」です。(仕事では旧姓使用のため)