お母さんの手

私の手が、

子どもの頃見ていた母の手に似てきた。

 

日に焼けていて、

節ばっていて、

皺がいっぱいで、

短い爪、

やけどの跡、

傷だらけの結婚指輪。

 

母はいつも、

幼い私の、細くて柔らかい手と見比べて、

「うらやましいなぁ」

と言っていた。

 

でも私は、お母さんの手が好きだったな。

母の手を触った感触を、今でも覚えている。

私と弟を育てた、働き者の手。

 

母の手に似てきた私の手を、誇らしく思う。

 

ABOUTこの記事をかいた人

笹部侑紀子

埼玉県飯能市出身、福岡県久留米市在住。 2015年に娘が生まれ、お母さんになりました。 在宅で英語の翻訳の仕事をしています。 英語と日本語で書いた「はんぶんこ版」の編集長をしています。