ずっと借り続けた絵本

幼稚園では週1回、絵本のお部屋にある絵本を何冊か借りることができた。

借りた日と題名を冊子に書く。

要領のいい親子は毎回違うものをたくさん借りてちゃんと返して、の繰り返し。

なのにうちの息子はこの絵本しか借りようとしなかった。

その時は何を借りようか、考えるのがじゃまくさいから、と思っていたし

たった一冊、それも同じのばかりで母としてちょっと恥ずかしかった。

「そんなに好きなら買ってあげようか?」と聞いても

「いらん」だったし。

卒園して小学校に行ったある日

「お母さん、あの絵本ほしい」と言い出した。

「やっぱり欲しかったんか」と素直に言ってきた息子が可愛くて

すぐ買ってあげた。

でもその後、いろいろ考えてみると

息子はこの絵本を他の誰にも渡したくなかったのかもしれない。

自分が借り続けることである意味守ったのかもしれない。

息子なりの愛情表現だったのかもしれない。

あまり自分の気持ちをうまく言わない子だったし

ずっと聞きそびれたままなので

今でも私の想像だけれど。

 

「これはのみのぴこ」谷川俊太郎・作 和田誠・絵

サンリード1979年

 

ABOUTこの記事をかいた人

宇賀佐智子

大阪の宇賀佐智子です。26歳長男・23歳長女の母。大阪エリア版を2018年春に創刊しました!子育てが楽しくなる大阪、誰もが子どもたちの未来を考える大阪、美味しい楽しい大阪を目指します♪