お母さん大学は、“孤育て”をなくし、お母さんの笑顔をつなげています

一週間ぶりの大爆発

バウンサーにメリーと、新しいおもちゃを手に入れてドヤ顔をわれらが姫君。
しかしこの表情の裏側では、とんでもない悪事をしでかしていた。

この後、彼女は大号泣する。なかなか泣き止まない、立派な怪獣ぶりを見せつけてくる。
こういう時はお腹が空いていると決まっている。ミルクを与えれば泣き止むだろう。そう思っていた。

泣き止まない。ミルクを与えて、綺麗に飲み干している。通常であれば、この時点で寝ていてもおかしくない。どうしたのだろうか。

ふと、異臭が鼻についた。なんだろう、牛乳が腐ったような臭い…まさか。
そう、そのまさかだ。まさに一週間ぶり。溜めに溜め込んだ大量のブツを、一気に放出したのだ。

ちょうど昨日おむつを切らしてしまったこともあり、今までの新生児用ではなく、もうワンサイズ大きい4kg~8kg用のおむつへとランクアップした矢先だ。どうやら慣れていない分、履かせ方が雑だったようだ。そのブツはおむつという枠を超え、背中一面へと広がっていた。

最早、おしり拭きなどで対応できる次元ではない。持ち上げる過程でアレまみれになった右手でしっかりと体を抑え、お風呂場へと駆け込む。奥様はちょうどお買い物。この家には私とこの子しかいない。私がこの子を守らねば、他に誰が頼れるというのだ。

 

右手は生暖かい滑りを携えている。だが片手でもしっかりと体を抱え、空いた左手で障害を押しのけることができる。手が大きいことにこれほどまでに感謝したことはない。

蛇口をひねり、シャワーから水が出る。お湯じゃない。水が。どうやら給湯器の電源がオフになっていたらしい。節約家のいい奥様だ。だがしかし、いまはその習慣が憎らしい。ブツにより生暖かくなっていた体が一気に冷え込む。泣き出す娘。すまぬ。注意力散漫な父を許せ。

左手で我ながら器用にズボンを脱ぎ棄て、無事娘を太ももの上に着地させることに成功する。それにしてもすごい量だ。すごい臭いだ。ミルクの期間でこれなのだから、離乳したらいったいどれほどの破壊力なのだろうか。太ももは茶色く湿っていく。だが、ここまでくればこっちのものだ。

 

あまりの量におむつからはみ出したブツは、背中を超え、伸びてきた襟足にまで到達していた。シャワーの湯量を調整し、上から下へと優しく流していく。ガンジス川のごとく淀んだ色のお湯が、私の太ももを伝って流れていく。幸い、お湯に溶ける。詰まることなく流れていくようだ。

ここで解放された右手は、泡状のソープを携えて娘の身体を優しく撫で洗っていく。被害は背中だけではない。お腹側のしわも伸ばし、丁寧に拭い去っていく。これで一安心だ。

今回の戦いで、残念ながら2人の勇者がその一生を終えた。昨日初めて着せたばかりの洋服だ。アレに塗れきってしまったそれを、洗って再利用する気にはなれなかった。すまない。心の弱い私を許しておくれ。

 

帰ってきた奥様に話す。
「いない間に大爆発して大変だったんじゃよ!」
「あ、ついに出たの!よかった!”の”の字体操、昨日夜からずっとしてたから効果あったね!!」
どうやら黒幕は奥様だったらしい。

でもよかった。ずっと出ないから、そろそろ病院に行こうと話していたところだったんだ。
よかった。着物を着ている奥様が抱っこしている時じゃなくて。よかった。車で出かけている時じゃなくて…