今日は育児日記…ではなく、今通っている大学院でお世話になっている方に取材をさせていただいた内容を掲載します。
決めたことに一直線!失敗から学ぶワンオペパパの、波乱の人生
モーターボートに乗れる製造業のシステムエンジニアという特殊な経歴を持つ相川雅人さん。現在46歳と、団塊のジュニア世代に当たります。
とても物腰の柔らかい方ですが、その背景には波乱の人生がありました。
モーターボート養成所で挫折を経験
中学生の頃通っていた塾に、騎手の吉田豊がいたんです。競馬や競艇に関わる人間に学問なんて必要ないと思っていましたが、「基礎の知識はどんな世界でも必要だよ」なんて話をしていました。おかげで勝負の世界を身近に感じられることもあり、高校卒業を機にモーターボートレーサーを目指して本栖の研修所へ入所しました。
2年で卒業をしてそのまま選手になる予定でしたが、最後の判別試験に大失敗してしまったんです。要領が悪いというか…試験前日にマラソン大会があったのですが、教師の「全力を尽くして優勝するように」という言葉を真に受け、全力投球をしてしまったんです。結果、体力を使い果たしてしまい、翌日にも響いてしまいました。
黎明期のインターネット業界を手探りで進む
判別試験に落ちたことをきっかけに、働く業界を考え直しました。1990年代半ばの当時、Windows95などが注目されていた時代です。「これからはインターネットの時代だ」という想いから、飛び込むことを決意しました。
しかし、当時はCDROMを見て「これなんだ?」と思うほど知識がないような状態でした。今のようにネットでなんでも調べることは出来ず、手探りで情報を集めていかないといけません。
口コミでなんとかこうにか情報を仕入れながら、どうやら専門学校で学ぶことが出来るということまで辿り着きました。ここまでで養成所を辞めてから半年くらいでしょうか。専門学校への入り直しを経て、メーカーのシステムエンジニアという今の仕事に出会いました。
思春期の息子とともに、人生の再スタート
無事に社会人生活をスタートしてから間もなく結婚し、26歳で息子を授かりました。当時は教育パパというか、そろばんや塾などの習い事に随分と力を入れていたように思います。自分が学歴がなかったことへのコンプレックスを感じていたのでしょう。中学受験もさせました。
ちょうどこの当時、世間では女性が子育てだけではなく、仕事もしていくということを推奨していくような風潮がありましたが、私は母親が子育てに集中するべきだと押し付けてしまっていたんです。それにより、社会で力を発揮したい妻と私との間でボタンの掛け違えが起きてしまいました。親権は息子に判断を委ねたところ、私を選んでくれました。それから、二人での新生活が始まりました。
価値観を変えたワンオペ育児
二人での新生活は、すでに子どもが中学生だったこともあって基本的には仕事と塾で過ごすので、何もかもが一変するというほどの変化はありませんでした。それでも苦労したのはPTAです。お弁当なども大変ではありましたが、お金を渡せば最悪はなんとかなります。でも、PTAは月に一度まとまった時間を取らないといけません。
時間的な要件もそうですが、一番の苦労の種は人間関係です。私は6人いる広報委員の一員でしたが、内4名は女性です。皆さんのダイジを捉えられていなかった自分は、「生産性を上げれば会議を減らせるのではないか」と発言してしまったんです。それに対して「相川さんは何もわかってない!」ってズバッと言われてしまって。ここは、「働いて子育てをするお母さんの井戸端会議の場」だったのです。
結果的に排他的な扱いをされることになってしまうのですが、それにより効率を重視することが正しいのではなく、その場に適した行動や発言があるのだと気づかされました。その後はとにかく理解を示し、徐々に徐々に距離を縮めていくことになるのですが…最終的には全う出来たので、良い経験だったと思います。
今は働くお母さんの大変さが身にしみて分かります。もし、自分がこうした境遇に身を置くことがなかったら、今でも子育ての苦労についての共感は出来ていなかったと思います。
未来へ向けて、子どもに伝えたいこと
息子には、自分で判断して後悔のない人生を送ってもらいたいと思っています。私は自分の人生に後悔をしていません。それはボートレースの養成所の件も今の仕事もそうですが、自分で学び、選んできたからです。だから息子の意思決定に口を出すつもりはありません。
私は死生観として、残りの30年強の人生をどう過ごすのかについて考え、行動しています。今の分野はITですが、心理学や経営について学びながら、人との繋がりを深めるようにしています。こうした考えも、触れ合った人から学び取ったものです。今は新しい事業も始めようと準備もしているところです。成人した息子のこれからも応援していますが、自分自身も、新しい挑戦に力を尽くしていきたいですね。
取材を終えて
今回相川さんのお話をお伺いして、「これをやる!」と決めたときのエネルギーの向け方が徹底されていることに感銘を受けました。
モーターボートからシステムエンジニアへの転身もそうですし、今も学ばれているのは心理学や経営学など、通常システムエンジニア系の方が学ぶものではない方向へ舵を切られているわけですが、そうした畑違いとも思えるような分野へも興味を持ち、必要なことを探して邁進されていらっしゃるんです。
こうして取材を出来たのも、もともとは相川さんの方からご挨拶いただけたことがきっかけです。「常に人間関係を広げて、そこから学びを得ようとしている」という今回のお話を実践されていらっしゃるんですよね。
私も相川さんを見習って、いろんな方から人生の糧を学び取っていきます!ありがとうございました!
PTAの部分が共感でした!
私も入ったばかりの頃は「なんて非効率な!」と思い、代替わりしてから無駄を省いてきました。
でも、効率的にこなすだけでは楽しくないんですよね。
おしゃべりが弾んで作業が進まないこともありますが(笑)
それも大事な時間なんですよねー。
きっと無駄があるからこそ楽しいんですよね。
何を目的としているのかが分からないとモヤモヤしてしまうので、暗黙の了解が苦手です(;^ω^)