お母さん大学は、“孤育て”をなくし、お母さんの笑顔をつなげています

『成しとげる力』感動文4

『成しとげる力』感動文


 菅野朋子

永守重信様

初めてお手紙をさしあげます。
私は福岡県出身、横浜市在住の女性です。夫婦で公務員として働きながら、5歳長女と3歳長男の子育てをしています。
正直、今回の話を聞くまで、日本電産も永守さんも存じ上げておりませんでした。そんな私ですが、この本を読んで永守さんのことを少し分かった気になり、お会いしたこともないのに、育児を助けてほしい…と思いました。それができる方なのでは…と思いました。

今の社会は男女平等、女性も男性と同じように社会へ出て働くことを求められます。仕事はもちろん大事です。ですが、それ以上に人を育てること、子どもを育てることは大事だと思っています。
私の職場の同僚の多くは、育児休業は一年。子どもがまだ0歳や一歳のうちに仕事復帰をします。平日は毎日がドタバタ、まだ母の側にいたい子どもがゆっくり母といられるのは週末のみ。親子で悲しい、余裕がない。そんな状態です。親の仕事時間が増えるのと並行して、子どもの保育園での時間が増えています。まだ本当に小さな乳児期でさえ。

私も第一子の時は子どもとゆっくり向き合う余裕がありませんでした。けれど今は、私の一番の使命は子ども達を自立させ、自分の夢に向かって進んでいけるよう応援することだと思うようになりました。それは、お母さん大学で、育児の大切さ、子どもとのかけがえのない時間の大切さを実感するようになったからです。

世の中のお母さん達が自分の子ども達を大切に育て、必要な力を子ども達に備えてあげることができたら、この国はとても強く、優しい国になると思います。

従業員3名から始めた会社を世界一のモーターメーカーに育てたように子どもと、そして私たち母親を育てて頂きたいです。 大学生よりももっともっと可能性を秘めたダイヤの原石の幼児を磨く方法を一緒に考えていただけたら、こんな幸せなことはありません。

自ら考えて行動する人に、自立して幸せに暮らしていけるように、子ども達が幸せていてくれたら、私はきっと悔いのない人生だったと言えると思います。

永守さん流の子どもを育てるということ、いつかお話が聞けたら嬉しいです。

菅野朋子


 脇門比呂子

永守さんへ
初めまして。私は神奈川県在住、小4、小1、幼稚園生の3 人の母です。パート看護師をしながら、子育ての真っ最中です。
今回、お母さん大学の方から声をかけて頂き、永守さんの著書を読ませて頂きました。

普段はビジネス書など無頓着に生きてきた私が、この分厚い本を読み切れるのか、手元に届いてから最初の 1ページを開くまでに時間がかかりました。いざ開いてみると、ビジネス書というより、永守さんのこれまでの人生、お人柄がよく伝わる、読みやすい本でした。
今回、1 人の社会人として、母、妻として、永守さんの著書から感じたことをお伝えしたいと思います。

まず、1 人の社会人として、第1 章はすぐにでも実践できることばかりで勉強になりました。子育て中のブランクを得て、看護師として働き始めたのですが、新たな場所での仕事の進め方や、スタッフとの人間関係に 悩むこともあります。強みを生かすこと、すぐやる習慣、明るい言葉を使うこと…など、うなずきながら読み進めました。明日から意識を改め、行動していきたいと思います。

次に、現在永守さんは、グローバル社会で活躍できる人材育成、大学運営に力を入れられているとの事ですが、その点においては、母親である私達の役割もとても重要であると感じました。大学生になるまでの過程を、近くで見守り声をかけるのはやはり母である私達です。
永守さんも、お母様の言葉を今でも大切にされていることがよく分かります。世界一の会社の経営者になられた方でも、母から幼少時代に得た教えを今でも大切にされていること。小さい頃から、母である私達がどのように関わるのか? 責任の重さを感じると共に、何気ない今の子供たちとの関わりが、今後の社会を、未来を作っているんだと思うと、誇らしい気持ちになります。

EQ の高さは一朝一夕に身につくものではないと私も思います。(むしろ、母になりより身についていると実感しております。)
私も日頃から、子育てする上で大事にしていることがあります。〝自ら考えて行動すること〟です。まさしく、永守さんも、重要だと述べられていたので嬉しく思いました。

今のように子供達とべったりと一緒にいることはできなくなります。いつか社会にでた時に、子供達が自分の人生をしっかりと歩めるように育てるのが役割だと思っています。手が離れるときまでは、伴走者の気持ちで寄り添いたいと思っています。
スーパーでお菓子ひとつ選ぶにも、朝の洋服も自分で決めさせる。出かける時は、○時に出発するからそれまでに準備はしてねと声をかけて、あとは子供達に任せるようにしています。自分の荷物に何をいれるの か?お菓子は?玩具は?羽織ものはいるかな?など、ほんの些細なことですが、子供達に決めさせます。
基本的には子供達が決めた事に、口を出さないようにしています。(ここが結構苦しいのが本音です)その準備にどれくらいの時間がかかるのか?など、時間配分も自然と身に付きます。重要なことは、自分で決めるということ。そうする事で自分の行動に責任ができ、例え失敗したとしても誰も責められない、失敗も経験に結びつくと思います。

改めて、永守さんの著書を読み、私が子供達と過ごしている毎日の繰り返しがいかに尊いものか、未来の人材育成をしているんだと自信をもつことができました。ありがとうございます。

私も小学校教諭の夫と、共に20 代半ばで結婚し、3 人の子宝に恵まれました。夫は仕事人間。ほとんど家におらず、家事子育てを一人でこなすいわゆるワンオペ状態。夫婦喧嘩も絶えなかったです。今思えば、小学校教諭として若手で期待され働き盛りの中、家に帰れば小さな子供達がワンワン泣いて、妻には嫌味をチク チク言われる…夫の状況も大変だったと想像できます。ですが、当時の私は、永守さんの奥様のように優しく思いやれることができませんでした。(永守さんと奥様もきっと本には書かれてないエピソードも勿論ある と思いますが…その辺りもっと聞きたいです)

そんな中、救われたエピソードがあります。当時夫の職場の上司である校長先生が、私宛に菓子折りと、夫の働きぶりが分かる内容と共に、「奥様いつもサポートしてくださりありがとうございます」という、手書きのメッセージを頂いたことがありました。そんな事は初めてだったので、とても驚いたと同時に嬉しい気持ちでいっぱいになりました。
まさしく、第3 章に書かれているような〝心のケア〟そして手書きメッセージの重要性と結びつきました。会ったことのない妻である私にわざわざ手書きのメッセージを下さったこと、私が大変であることを、校長先生は感じてくれていると、救われる思いになったのです。そんな上司がいる職場で、夫は働いているんだと思うと、自然と夫の仕事に対して理解を持てるようになりました。永守さんも日頃から社員の方にメッセージを送っていたとのこと。私のようにご家族も救われている方がいたと思います。

最後に、エピローグに奥様への感謝の気持ちがしっかりと書かれていて、その点がとても素敵だと思いました。どんなに仕事ができる方であったも、身近な家族を大切にできない人では信頼できません。それまでは仕事人としての永守さんが書かれていましたが、最後のエピローグでまた違ったお人柄を感じられて良かったです。

長々と失礼致しました。
末筆ながら、永守さんのますますのご活躍をお祈り申し上げます。

脇門比呂子


 薄祥子

永守重信様

拝啓
日々、貴殿のお名前を拝見する毎、先日、拝読しました「成しとげる力」を思い出し、私の生活のはげみとさせていただいております。

この手紙は失礼ながら、仕事への通勤電車の中で、記しており、文章も上手に組めていないかもしれません事、先におわび申し上げます。

私も、社会人として母として、毎日を送っている1人です。
日中、会社では会社の為にできる事を必死に考え行動し、成果を出せる様努めている毎日です。
しかし、家に帰れば、子供(私には 男の子が3人おります)をどの様な大人になれる様導きけるかを必死に考え行動する母となります。

永守様の著書でのお言葉の数々は、 私より下の世代(私は四十代です)には なかなか伝りづらいのかもしれませんが、私は、この考え方も、大切なものだと思っており、子供達にも私の中でわかりやすくそしゃくして(親鳥が子鳥にえさを与える様に)与えつづけていきたいと思いました。

とても強い意志が、動かすモノの大きさ。その大切さは、世代が違えども変わる事のないものだと信じております。

永守様の文章からも感じられる熱いエネルギーに、とても心がうごかされました。
まだまだ日本には このエネルギーは必要だと感じています。

ラブレターのつもりで筆をとりました。
乱筆、お許し下さい。

令和四年十一月一日
薄 祥子


 田端真紀

永守重信様

はじめまして、横浜在住の田端真紀と申します。「お母さん大学生」として仲間と共にお母さん業界新聞を作っています。お母さん歴は、24年ですが、お母さん大学生としては2年目です。
この度、仲間と共に夢を実現するために、永守さんの「成しとげる力」を読ませていただきました。永守さんの哲学、考え方の元はお母さんからの教えだとありましたが、それらをお手本にすることは、わが子には難しいですが、母として気付きがあったのでそこについて書きたいと思います。

◎本にマーカーをした部分の多くに「自信」のキーワード
現代の子ども達は自信がない子が多いと思います。わが子も然り、周りと比べて、自分を見ています。見るべきは自分自身だと思うのですが、自分とは対話できていない子ども達。

そんなことを思っていたところ、貴著内には、沢山の「自信」の文字が…。『自分の強みを活かせる道を見出して、それを深堀りすることだ。強みが活かされる道であれば成功体験を積むことができ、それが「自信」へと繋がっていく。』『どんなに小さくてもよいから成功体験を重ねることーそれによって「自信」がつき、負けん気が培われ、さらに大きな成功につながるものだ。すると、見える景色がどんどん変わっていく。』強みを見つけ自信を持ち、自分に価値があることを子ども達が早い段階で気付くことが、悔いなき人生の第一歩になるのだろうと思いました。

◎母が行うべきこととは
第5章の『人を育てよ!時代は大きく変わる』内の型破りの入社試験のくだりは、子ども達に聞かせた部分です。特に出社時間の「先んずれば人を制す」については、私自身も実践していきたいところです。また、エピローグの『これまで本書で述べてきた私の哲学、考え方は、もとをたどればほぼすべてが母からの教えである』の部分に身が引き締まる思いがしました。

永守さんが教育改革を行うならば、母たちは、子育て改革を行わなければ!でもその前に自分自身も「成しとげる母力」を掲げ、周りと共に人生を価値あるものにするために考え行動しなければと、痛感したところです。永守さんがお母さんの背中を見て学んだことが人生訓となったことを考えれば、わが子に見せる絶対的なお母さんの背中そしてその教えは、こんな時代だからこそ、重要だと思いました。幼少期の子育ては終わってしまった私ですが、一生、子育て中です。5人のわが子のこれからの人生もそうですが、令和の時代に生まれた子ども達やこれから生まれてくる子ども達は日本の未来を担う大切な宝、一人ひとりが悔いのない人生を送れるように、その責任はお母さんが背負っていると言えます。

お母さん大学生になり、お母さん業界新聞やお母さん大学生サイトで実名にて発信される偽りのない記事を読んで、周りと共にチャレンジしていくことを知りました。お母さん業界新聞に出逢ってからの私は、見える景色が変わり、人生が潤っていることは明らかです。私は笑顔の大切さも伝えていきたいと思っています。なぜならお母さんが笑顔だと家庭も明るく、家族も笑顔になるからです。だからお母さん業界新聞をたくさんの人に読んでもらい笑顔になって欲しいと思っています。

◎永守さんの言葉で感銘を受けたところ
『いかに悔いのない人生を送るかー。そのためには絶対に実現したいという夢や希望をもち、これだけは成しとげると言う気概と執念をもって日々生活することだ』『今また新たに「五十年計画」を立てた「夢見る夢夫」は、これからも遠大な計画の実現に向けてひた走るつもりである。去る者を追うつもりはないが、「この指とまれ」で、また一緒に歩んでくれる人がいれば、うれしいかぎりである』の結びの文章に胸を打たれました。

私にも仲間がいます。私は子育てをしているだけの日々に、何も見出せず対価もなく社会から置いてきぼりだと感じる部分がありましたが、「お母さんはスゴイ!」を言い続けるお母さん業界新聞社代表の藤本さんが、お母さんであることだけで素晴らしいと教えてくれました。そして自信を取り戻せました。

世の中のお母さん全員に伝えたいです。まず、新聞を手に取り読んでもらい、孤独な子育てをしているお母さんを笑顔にしたい、お母さんが笑顔になったら世の中も変わってくると思います。お母さんの笑顔が世界を変えるのです。

永守さんは幸せですか?
わたしは今とても幸せです。

5人の子ども達がいてお母さんとして活かされていること。そして夢の実現のために手を取り合う仲間がいて、こうやって手紙を書くことができました。永守さんにこの思いが届かなかったとしても、これからも諦めず、チャレンジし続けたいと思います。

令和4年10月30日
田端真紀


 積山礼子

拝啓
永守重信様 初めてお便りいたします。
私は、大阪府高槻市に住む主婦です。

今般「お母さん業界新聞」の読者として永守様の著書「成しとげる力」を拝続する機会を得ました。
読書は好きな方ですが、ビジネス書や啓発書の類は、本屋さんでも手に取ることもなく初めての経験でした。 まず「成しとげる力」という題名から私には、歳だし無理な内容だろうと、1ページを開くのに勇気が必要でしたが読みはじめると話し言葉で書かれている為スイスイと読了する事ができました。
プロローグで「成しとげる力」をつける人の法則ではやはり私には向いていないなぁと思いつつ、では、何故向いていないのかを知りたいと強く思い始めました。
そして46ページ「現代社会においてはまさに、一番以外はビリなのである」のところで付箋の一枚目が貼られました。実はそこなのです。
成しとげるためには一番をめざせなくては、成しとげられないのです。小学生の頃は何でも一番をめざす子どもでした。私も。もちろん永守様と同じで母からの「何でも一番を目指しなさい」と言われ続けて育ちました。そして小学校では、成績もクラス委員も運動会でも常に一番を取る子どもでした。そして傲慢も身に付けてしまいました。言うまでもなく中学へ上がるとその傲慢さからただの追い付けのビリッ子になっていき、気が付けば成功体験も貧しくなり「成しとげる力」とは無縁になってしまいました。その後、高校、就職、結婚、子育てともがきながらも「成しとげる力」を無意識に求め、サークルやボランティアで絵本の読み聞かせやPTA活動と、できる事を精一杯努めてきました。だからこそ著書の中で語られていることに共感できたのだと思います。

読み終えて思うことは、経済界で働く男性と子育てが基本の女性とは別の世界との思い込みも違っていた事にも大きな気付きとなりました。それは社会の中で生きてゆくのには「成とげる力」を発揮しようと努力することで 共通項があると発見できたからです。
子どもの頃から大志をいだき、貧しい中でも大きな長期展望を描きそれに向って一歩ずつ歩み続ける永守様のお姿や、会社を有言実行で設立されるに至るまでの大変な困難をあきらめる事なく努力し続ける姿を知ったからです。このあたりには付箋が大活躍しました。
また、社長になられても更なる進歩をめざし事業そのものの工夫から従業員一人にまで心を寄せコミュニケーションに努められたことは、それこそが「成しとげる力」であることに感動いたしました。そして青年たちが現代社会で特に指示待ち人になり、ブランド大学指向、一流企業就職で満足して発展性に欠ける現存の教育システムにも一歩ふみだされた事は、母親として不登校やひきこもり等が増加していることにも憂いていました。
ものづくり日本の技術者やリーダーを育てる必要は大いに共感するところです。勉強も大切ですが、それ以外の能力発揮にも力を入れられる事には大賛成です。 ただ、小中高一貫教育に関しては子どもの心の発達の過程で反抗期がありますが、私は中学までは義務教育でもあり家庭教育の集大成の時期でもあると思います。学校と家庭とが協力しあい、落ち着き始める高校大学で一貫教育として考えるのはいかがなものでしょうか。子どもの成長発育に関しては母親、父親の力も問われてきます。親子共に社会で育つ環境が大切なものと思うのは私のささやかな感想です。

すでに一人娘の子育てを終えようとしている母親(67才)ですが、完璧な親でなくても永守様のご本を読んだり、社会で経験を積んだりすることで親子共々学びにつながることと思います。
人それぞれの能力があり又個性があります。それに従って、それぞれが「成しとげる力」を持とうとする事を養うのも母親、父親としての役割を果たす大切なものと読み取りました。
読み終えて老後は健康に留意しながら子どもを見守り日々を大切に楽しむことを考えていましたが、まだ「成しとげる力」を半端に終わらせる事なく、私なりにお母さん業に励む事にも気付いた次第です。
「成しとげる力」が何故必要なのか、どんな事なのかを付箋の多さから、私にこそ必要な力であった事を知ることができました。
著書の中での格言やルールは又、ゆっくりと整理し、私自身の生き方を振り返りこれから成すべき事を考える材料としたいと決意しているところです。
永守様には、尚一層のご健康維持と益々のご活躍を期待したいと思います。お忙しい中読了いただきありがとうございます。

かしこ

2022年10月31日

積山礼子拝


 山本有希

永守重信様

人生というドラマを悔いなく生きるために
「成しとげる力」272頁
子供を生み、母となった今、どうしても忘れがちであった自分の人生のことを、もう一度真剣に考えてみたいと思ました。この機会を頂けたこと本当に感謝いたします。

私は、この情報社会の渦に巻き込まれ、子どもに「何かしてあげなくては」という思いを強く感じ、その一方で、何もできない「母として」の自分を責めておりました。「成しとげる力」を読み終え、最後の文章である言葉に強くひかれたのは、私の人生は「母として」の人生だけではなく、「自分の人生」であるということを忘れていた気がしたからです。

今後は、「何かしてあげなくては」という気持ちよりも「何をしてあげたいのか」という自分の気持ちを大切にしながら、子どもと向き合っていきたいと強く感じております。そして、「自分の人生」を生きる母の姿から、永守様がお母様から学ばれたように、子どもたちが何かを学んでくれる可能性を信じていきたいと思います。

この手紙を書いている間に「私はこの1番をめざします!」というものが思い浮かぶといいなと思いましたが、どうにも思い浮かびそうにないので

「すぐやる」習慣が、命運を大きく分ける
「成しとげる力」61頁

「やってみたい」「ためしてみたい」そう感じたことに対して、そして子どもたちも「やってみたい」「ためしてみたい」と感じたことに対して、スピード感を大切に動くことを実行できるようにしていこうと思います。

はじめに、「自分の人生」を生きようと思うことを宣言しつつも、「成しとげる力」全体を通して、母の影響力を感じる部分が多かったため、程よい責任感とプレッシャーは忘れずにすごしていきたいとも感じました。

本当にたくさんの想いを、ありがとうございました。改めまして、この出会いに感謝いたします。

山本有希


 松本茉莉

謹啓

突然のお手紙、失礼いたします。横浜市在住の松本茉莉(まつもとまつり)と申します。この度、永守様のご高著「成しとげる力」を拝読いたしました。

私は、読書が趣味で、時間が許す限りずっと本を読んでいたいくらいです。これまでにも様々な本を読んでまいりましたが、「ビジネス書」という分野の本はあまり読んだことがありませんでした。ですが、ノンフィクションの本はその方の考えや生き様に触れることで、刺激を受けたり励みになったりと視野が広がるため、自然と手が伸びることが多いです。
永守様がおっしゃる「他燃型」なのかもしれません。ビジネス書も迷ったり立ち止まったりしたときに(仕事以外でも)、自分を奮い立たせるものとして、ヒントになることがたくさんあることを改めて感じました。

今回、永守様のご高著から得た気づきをお伝えしたくペンを取りました。先ず、私のことについて補足させていただきます。私は先天性のろうで、補聴器を常時装用していますが、ほとんど音が入りません。聴者の皆さんとは相手の口の動きを読みながらコミュニケーションをとっており、視覚からの情報が頼りです。家族は同じくろうの夫と息子(中3、中1、小4、年中)4人です。そのような背景の中で、印象に残った部分が数点ありました。

1つ目が『「一番を目指せ」「一番以外はビリと同じ」』というフレーズです。最初、そのフレーズを読んだときに複雑でした。どんなに頑張ってもできないことがある、一番どころか本当にビリであるという経験は、私にとって日常茶飯事だからです。「諦めたくないけれど、それが現実」という考えを持っていました。

しかし、読み進めていくうちにその一番はどの分野でもいいことに気がつきました。一番になれる分野、自分の強みを見つけて、それをとことん追求すれば一番になれる可能性はあるだろうと思います。でも、まだ「一番を目指せる!」「一番を目指そう!」と心から思えない自分がいます。一番でなければないのだろうか?私は、常に人の後を追いかけてきたので、目標としたい人が自分の前にいないと不安に感じるのだと思います。だから一番になったら、常にトップを走り続けなければならないというプレッシャーに耐えきれないのかもしれません。
その一方で、『きこえない人の中で初の○○』という経験をしてみたいと密かに思っている自分もいます。きこえない人の道をもっと切り拓く一人になりたい…そう思っていました。実際はIQには敵わないことを理由に、挑戦できていません。

ここで、また気づきました。永守様は「一番になれ!」とはおっしゃっていません。目指した先に一番があるのだと思いますが、強調されているのは「一番を目指せ!」です。一番になれるように「目指す」ことなら、障害の有無に関係なく、自分の気持ちを奮い立たせることで可能です。その奮い立たせる原動力が必要になりますね。そう思うと、何かと理由をつけて、本気で取り組もうとしていませんでした。

「できない理由よりできる理由を探そう」という視点で生きてきたつもりでしたが、どこかで理由をつけて挑戦するに至らなかったのは、本気が足りなかったのかもしれません。本気で取り組みたいことをこれから見つけて、取り組む家庭も意識できるようにしたいと思うと同時に、一度しかない人生をしっかりと足をつけて生きたいと改めて思いました。

2つ目は、今回の本には「母」という言葉がたくさん出てきたことです。お母さまの影響がとても大きいことを感じました。わたしも幼いころ、母から言われたこと、母からの教えが今の自分に繋がっていることを感じます。嬉しい言葉もあったけれど、厳しい言葉の方が今も生きています。
正直なところ、母の影響で固定概念が崩しにくくなっている部分があることを感じることもありますが、あくまでも母の教えはベース(土)であり、私自身が自分で調べたり情報を本や新聞等で集めたりして、自分の土壌を作っていくことだと思っています。頭ではそう思うのですが、実践に移す過程でハードルになっている何か?を紐解きたいです。

そして、「母親の私」という視点でも考えました。母として4人の息子たちに何を伝えられるだろうか、示すものは言葉でも行動でもいいのかもしれませんが、葛藤するのです。それぞれの息子に対する母としての想いがあるからなのですが、迷うということは何かが違うのかもしれません。母として…というより「松本茉莉」としての信念・軸を確立させたいものです。

3つ目が「IQの高さではなく、EQの高さの時代になる」です。先述した通り、IQが足りないとなぁという気持ちをずっと持っていた私にとって、(もっと努力してIQを高める余地はあったかもしれませんが、当時は限界を感じていました。その気持ちも大切にしたいです。)希望が見えてきます。社会情勢を見ながらIQが高いだけではなく、生きる力も培う必要があることを薄々感じてはいたものの、やはりIQの高さがものをいうのではなかろうかと思っていました。

この表現はあまり好きではないのですが、俗にいう「普通」になれない私。「できない」ということに直面してばかりで、自己肯定感が高くないのですが、それでも、生きている価値を子どもたちにも見出したてもらいたいです。
それを示すためには、まず私からだと思います。これまでのように様々な本を読むこと、社会の動向により関心を持つこと、自分が本当にやりたいことって何なのか?と自分と向き合うこと、やってみたいと思ったときに思い切って挑戦してみること…そんな姿を子どもたちに見せることが母としてできることでしょうか。

最後に、「どんな時も前向きに、未来を見据えて夢を語ることが大事」というお話に、私もそうでありたいと思いました。過去は変えられないけれど、未来は変えられるし、自分の意識を変えることもできると再認識しました。

母親になると、「お母さんだけどいいのかな」「お母さんだから我慢」というような気持ちになりがちですが、お母さんだからこそ夢を語れるようにしたいものです。子育てを通して学んだこと、気づいたこと、そこから生まれた願いや世界から飛躍することは多いはずです。夢を語り、そこから一歩進むためには、いくつもの役割があるお母さんを支えてくださる方の存在や理解が必要です。

永守様は大学の経営もされているとのこと、多様な社会をたくましく生きるためのスキルの1つとして、「子育て」という分野も大学時代に触れる機会があってもいいのではないかと思います。なぜなら、子育てはマニュアル通りにはいかない未知の世界です。子育てにも知恵や思考、自ら考えて判断する・行動するスキルが瞬時に求められますし、未来ある子どもたちを社会全体で育てていくことは社会にとっても財産であってほしいと思うからです。

長くなってしまいましたが、読んでいただきありがとうございました。
ますます寒くなってまいりますが、ご自愛くださいませ。

                                                       敬具
令和4年11月5日
松本茉莉
永守重信様


 井上妙子

拝啓

秋も一段と深まり、寒さが身にしみる季節となりました。
永守さんの「成しとげる力」を拝読させていただきました。

私は、今1歳の娘がおります。夫も私も仕事が大好きで長年お互い仕事に生きてきましたが、2年ほど前から子供が欲しいねと思うようになり、結婚12年目にして子供を授かりました。初めて子育てをしています。40歳を過ぎてまったく新しい環境に遭遇しております。そして娘に鍛えられ180度今までとの視点をひっくり返され、怒涛の毎日です。今までの仕事好きは何だったのかと思うくらい今は仕事への情熱よりは、目の前にある育児に全勢力をかけています。

そんな時に、永守さんの著書を紹介して頂きました。そして感想文を書いてみませんかとお誘いを受けました。正直、ビジネス本はたくさん読んできましたし、今この状況に何か役に立つのかなと思いました。(大変失礼で申し訳ございません)

読み進めると、どんどん涙が出てきました。仕事に燃えていたころは、まったく流したことのない涙です。お母さんになって、思えばリーダーにならざるをえない日々、自分も全く初めてでなんの自信もない、思い通りにはいかない日々、仕事の何十倍も大変でした。ですが、世界に名だたる経営者である永守さんの視点で、子育てを考えるとなんだかとっても理解して頂いたような、やっていることが無駄ではない、そしてどんな方向を見据えていればいいのか教えて頂いたようで一筋の光がみえたのです。安堵と感謝と心が引き締まる思いが入り混じった涙でした。

私は小さいころから夢を描いて生きてきました。それが生きるエンジンともなっていましたが、お母さんになって、育児という現実に奔走していると夢なんて言ってられませんでした。こころに余裕がなかったのです。ですので、永守さんの「夢を語ってこそ、心でつながる同士が集まる。心と心がつながったときがもっとも強いし、大きな力を発揮するのだ。」という言葉に本当に元気を頂きました。
これは、仕事をして夢を語ってきたときとははるかに重みが違います。子育てで、こんなに苦しいのかこんなに大変なのかこんなに孤独なのかの現実を味わってからの夢を見る力ははるかに底力がついているような感覚でした。困難が大きければ大きいほどその先には大きな喜びが待っているというのは、娘が実感させてくれています。

そして今、私の中でお母さんとしての意識改革が始まっています。永守さんもお母様が土台となったように娘も私が土台となり、社会にでていきます。お母さん業とはとてつもない大事業をしているのだと腹をくくり、毎日をどんなふうに積み重ねようかとチャレンジしています。とはいえ、力を入れすぎると空回りしてしまうので娘との毎日は、心と心でつながることを大切にしています。

永守さんは、一番にこだわる理由を教えてくださいました。「大きく意識が変わるのは、何事であれ「一番」をめざすときである。」、「一番を目指すとき、人は持てる能力を最大限に発揮することができる。そういう生き方をするとき、幸運の女神は微笑んでくれ、人生は最高に輝くのである。」と。競争して一番を目指すというものにあまりこだわったことがないので、この理由を教えて頂けてそういうことだったのかと思いました。

私は、お母さんとなり、私しかいない、変わってくれる人などいないのだと腹をくくった時に一番意識が変わりました。足元悲観、将来楽観が胸に突き刺さっています。そしてこの状況がつらいけど楽しいとなってきています。
もしよろしければ、永守さんのお話をいつかお母さん達に向けて発信して頂けませんでしょうか?

永守さんのお話、そして永守さんの土台ともいえるお母様や奥様のお話など、一人の母として心に響きました。きっとこれからたくさんの試練がくるでしょう。子育てを「成し遂げる」とするならば、娘が自己を活かし周りと分かち合いながら元気に明るくこの世を歩んでいかれるよう、一番そばで愛を持って育て、一番の応援団でいることだと思います。 そのために世界のトップリーダーである永守さんの視点や気概を子育てで活かせたら、とても骨太でやりがいのある充実した道のりなのだと思いました。

いつか講演会でお会いし、成長した娘を見ていただけたら嬉しいです。自燃型の娘ですので、私はその気概に圧倒されながらも元気にお母さんとして成長していきます。

お忙しい中、大変不躾な手紙を最後まで読んでくださり本当にありがとうございました。本格的な寒さに向かう季節ですので、どうぞお身体ご自愛ください。

敬具

令和4年11月11日
井上妙子

永守重信様