1ドル360円、海外で暮らす日本人が少なかった時代。母は3歳の私と1歳の弟を連れ、父の駐在先の米国へ。言葉も文化も異なる土地で、幼子を育てる苦労はどれほどだったろう。
初めての虫歯治療。大柄な米国人歯科医の手が怖くて噛みついた私。診療室を追い出され何度も頭を下げる母は、私を叱らずかばってくれた。小学生の頃、忘れ物を学校に届けてくれた母に感謝すら伝えなかった日も、母は決して責めなかった。あの時、母はどんな思いだったのだろう。
中学・高校時代の反抗、社会に出てからの鬱や悪性腫瘍、失業。幾度の困難にも、母は変わらず寄り添ってくれた。自分が娘を育て、親としての至らなさを振り返る今、遠い日の母の姿が鮮やかに蘇る。今も母は元気で、子どもや孫に囲まれている。
効率や正解を求められる時代だが、人生はタイパやコスパでは測れない。遠回りや失敗からこそ学べることがある。
子どもの夢を信じ、前向きな失敗を受け止めてほしい。「生まれてきてくれて、ありがとう」。その思いは、今は伝わらなくてもいつか心に届く。
今日も子育てに奮闘するすべてのお母さんたちへ。あなたの愛情は、子どもが失敗を恐れず夢に挑戦する勇気になるはずだ。お母さん自身も夢をあきらめず、子どもと一緒に挑戦してほしい。親子で互いの夢を応援し、ともに成長していく人生を楽しんでほしいと願っている。
一般社団法人日本チャリティスポーツ推進機構
代表理事 田中真人
お母さん業界新聞 11月号 母たちへの一文

































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