私の生まれ育った場所は、宮城県角田市。
宮城県出身と言えば、目を輝かせて「仙台ですか?」と聞かれることが8割。
いつも、いいえ、違うんです、仙台のずっと南の方で…と説明し、最後の最後に「角田市です」。と伝えるが、知っていた人はほぼいない。県内の人も知らない場合があるのだから仕方ない。
そして読み方、「かくだ」なのに、お母さん大学学長の藤本さんにおいては、「かくた」「つのだ」「かくだて」と、もう、いろいろな名称でインプットされてしまっている。
今年の乾杯のテーマが「宇宙」に決まったとき、心の中でガッツポーズをしたのは私。
堂々と角田市のことを記事に書けると思ったのだ。
お母さん大学生になり、15年。長かった。
横浜も大好きだけど、「ふるさとは?」と聞かれたら、私の答えは決まっている。
「銀河連邦共和国」を知っていますか?
お母さん業界新聞5月号。
宇宙乾杯の告知に伴い、宇宙乾杯ポスターが制作され、この月の特集は、宇宙生命哲学者の伊藤俊洋さんへのインタビュー。
「子育て」から「宇宙」はかけ離れているように思えたが、そうではなかったと考えさせられる特集。素敵な地球人になることを、一人ひとりが考えれば、より豊かな人生を送ることができ、地球環境を大切に未来に伝えていくことができるのに。
素敵な伊藤さんの笑顔とお話のページに掲載したのが、銀河連邦共和国。
宇宙開発の最先端技術を研究している宇宙航空研究開発機構(JAXA)の研究施設が縁となり、交流を始めた5市2町で構成されている交流都市のことだ。
ユーモアとパロディの精神で宇宙平和の一翼を担い、人々の笑顔あふれるユートピアの創造を目指している。
その一つに「カクダ共和国」がある。
そう、角田市です!
実は全然知らなかった…。お恥ずかしいことに。
私の通っていた小学校の区域内にあったので、もちろん、JAXAの研究所があることは幼い頃から知っていた。
だがしかし、このような交流事業に参加していたことは知る由もなかった。
とりあえず、7つの市町へは取材に行ってみたい、と思っている。
銀河連邦共和国について、角田市役所の商工観光課でお話を聞いた。
観光で訪れる方に伝えるのも大切だが、
市民の皆さんが、宇宙を楽しみ、宇宙に親しみ、みんなで進めていくことが大事と感じた。
いつか、宇宙飛行士が、角田市の子どもたちの中から生まれる日が来るといいな。
ありがとうございました!

角田市PRキャラクター、おふでちゃんと角田市役所商工観光課主事 佐々木駿さん。
おふでちゃんは、角田市の石川公へ嫁いだ伊達政宗公の次女、牟宇姫(むうひめ)が愛用していた筆の妖精。
牟宇姫にも、宇宙の「宇」があるなと思い、調べてみたら、
「宇」には、空間や、世界、といった意味がある。
うちにある辞書を引くと、「宙」も同じような空間の意味が書かれていたが、興味深いサイトをみつけた。
「宇宙」の真の意味とは?
http://www.akatsukinishisu.net/kanji/uchuu.html
漢字雑文:北村曉
「宇宙」とは、「空間」と「時間(過去・未来・現在)」の意味だった!
ますます、感動してきた。
JAXA角田宇宙センター宇宙開発展示室訪問
角田宇宙センターは、市内でも北の外れにある。
驚くことに、私の実家からは車で5分だ。
にもかかわらず、生まれて初めて、足を踏み入れた。

角田宇宙センターは、主に液体燃料ロケットのエンジン開発をしており、
ロケットの心臓にあたる部分の開発研究を担っている。
近年では、市内の小中学生が見学に来たり、水ロケットをつくる工作教室を行ったりと、
子どもたちにも宇宙に触れる機会がある。


展示の中で、一際目を引くのが、展示されているH-llロケットのLE-7エンジンの実物。
実は1999年11月15日、種子島宇宙センターから打ち上げられたロケットは、この第一エンジンの異常停止により、打ち上げに失敗したのだ。
原因究明と将来の宇宙開発のためにJAMSTEC海洋研究開発機構の協力を得て、小笠原諸島北西約380kmの水深約3000mから回収された。

ほんの少しの差異がロケットの運命を左右する。
一回の打ち上げを成功させるには何度も何度も試験を重ね、研究が必要となる。
先日、H-llAロケットの最終号機が打ち上げられ、成功した。
藤本学長は、実際に種子島へ行き、その瞬間に立ち会った。
宇宙開発は、美しいもので、果てしないものであってほしい。
宇宙平和のためにあってほしい。
ファイナルと聞いて、関わってきた人たちがどれほどいたのか、
どれだけの汗と涙が流れたのか、と思う。
今後はさらに開発を進め、新たなロケットが夢を乗せ、未来に向かい飛んでいく。

2025年10月5日(日)、角田宇宙センターは施設を一般公開。
この日は各地から宇宙ファンが押し寄せ、普段見ることのできない施設内を見学できる。
大気圏再突入を模擬できる稼働しているものとしては世界一の高温衝撃風洞も見られる。
藤本学長の種子島のお土産!ロケットT-シャツを着て、1/20スケールのロケットたちの前で写真撮影。


娘が撮影したが、思い切り目をつぶっている。
「カメラマン失格なんですけど」、と叱ると、「ママが何枚もシャッターを切る意味がわかった」と反省していた。わかればよろしい。

丁寧に説明をしてくださった渡部さん。
「昨日なら、私もそのT-シャツ着てたのに〜〜!」と、悔しそうだった。
本当にありがとうございました。
JAXA角田宇宙センター
〒981-1525
宮城県角田市君萱字小金沢1
https://fanfun.jaxa.jp/visit/kakuda/
H-Ⅱロケット実物大模型(の横)にのぼる

角田市の中心部、高台にあるH-Ⅱロケット、全長49m。
1990年に角田市のシンボルとして整備された。
実物大のロケットには乗ることはできないが、併設されたスペースタワーが展望台となっている。その高さ44.9m。
広がる田園風景に癒される。
蔵王連邦も見える。
角田市は盆地で、ぐるりと山に囲まれている。
そして目の前に聳え立つロケットとのギャップがまた面白い。
見慣れた風景も全く違うものに感じる。

この公園は私にとって思い出の公園で、
子どもの頃、よく遊びに来ていた。
以前はタコの形のすべり台があり、父がいつも連れてきてくれた。
今もタコのすべり台はあるが、当時のそれとは全く違うものだ。
昔あったものは、もっとスリリングだった。
大人になって、子どもたちが生まれて、帰省したときも、父は変わらず連れてきてくれた。
長いローラーすべり台もあって、懐かしい。
もう父はいないけれど、
ロケットの話も一緒にしたかったなと、思う。
この場所で毎年、5月5日に「宇宙っこまつり」が開催されている。
角田市で育つ子どもたちの記憶は、宇宙と密接に繋がっていく。
スペースタワー(展望塔):一般・高校生380円/中学生以下無料
コスモハウス(展示館):無料
角田市角田牛舘100
台山公園
https://www.city.kakuda.lg.jp/soshiki/14/624.html
明日の宇宙を拓くまち、角田市
何十年も変わらない、風景。
見渡す限りの田んぼ。
町を縦断するのは、阿武隈急行。2両の電車がガタゴト走る。
この町が、私にとっての全世界だった頃から、
今もかわらず、私にとっては、大切な人たちとの記憶が存在する宇宙だ。
お母さん記者のみんながペンを持って「宇宙」を綴った、お母さん業界新聞6月号。
そして、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の名誉教授で、はまぎんこども宇宙科学館館長でもある的川泰宣さんとの出会いがあった、お母さん業界新聞7月号。
空や、星や、自然や、平和。
宇宙をテーマにものごとを考えると、
子どもたちに伝えたい大切なことがどんどん出てくる。
もし、叶うなら、角田市で子育てをしている方にも知ってもらいたい。
すぐ目の前に、宝物があることを。
自分の町が、明日の宇宙を拓く、最先端な町であることを。
私は、星にナリタイ
星のように、キラキラ輝きたいというわけではない。
私はただ、そこに居たい。
星のように、そこに存在していたい。
誰かの目にふと留まったときに、
「ああ、そこにいてくれてうれしいな」って思える存在であったらうれしいし、
そういう星の光を、感じ取れる人でありたいと思う。
居たいと思う場所や人に出会いたいし、
家族がそう思える空間や時間をつくりたい。
私は明日の宇宙を拓くまちに生まれた。
この町で出会った出来事が、全て、今の私につながっている。
生まれ育った町が、私たちを育んでくれる。
子育てしていると、目の前のことに追われて忘れてしまう。
家庭だって宇宙の一部だとしたら、子どもたちはそこに輝く一つの星だとしたら、
自分自身も、そうだとしたら、
この世の中にたった一つしかない、美しい星だ。
半径3メートルの世界がどれほど愛すべきものかに気づく。
お母さんになった、あの日から、
私自身が、明日の宇宙を拓いてきたんだ、と気づく。
私の母も、世界中のお母さんたちも、みんな。
今年の乾杯は、きれいな星が見たいかも。

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