お母さん大学は、“孤育て”をなくし、お母さんの笑顔をつなげています

あつぎ版インタビュー企画 出張カメラマン おおばのりこさん

あつぎ版4月号では「ひと・つながり・ゆめ」と題し、厚木周辺の魅力的な人に話を聴きたい!インタビュー企画を掲載しました。

第一弾は出張カメラマン おおばのりこさんです。

「これまですべての経験が今に」 出張カメラマン おおばのりこさん


フリーカメラマンであり5歳の男の子のお母さんでもある、おおばのりこさん(伊勢原市)。
人との縁を大切に時に貪欲でありながら好きなことを仕事にしている彼女の、これまで・撮影のこと・これからをうかがいました。

一眼レフとの出会いと、理想とのギャップにもがき悩んだ会社員時代
会社員時代に社内報の仕事で初めて一眼レフと出会ったのりこさん。
社内の行事や業務に関連した風景写真を撮影し、帰社後写真に添える文章も作成する仕事。撮影はとても楽しく、今思うと撮る訓練になったという。
でもこの時期、添える文章の方はダメ出しを受けてばかりで、要求されるレベルや自分のありたいイメージと現実とのギャップに悩み、体調も良くないことが多かったそう。そしてこの頃、待望のお子さんを流産している。流産とその前の東日本大震災がきっかけとなり自分らしく生きていきたいと会社を退職、その翌年に息子さんを出産。
一眼レフでの撮影の基礎はこの会社員時代だった、そしてもがき苦しむ経験も今では必要なことだったと思うとのりこさんは振り返る。

出産後の息子撮影から写真に目覚め、4年前からプロカメラマンに
出産後に我が子を撮り始め「撮影が一番の喜び」と写真にのめりこんだのりこさん。ママ向けアルバム作りのサークルを主宰したり、カメラの勉強をしたりと精力的に活動を開始。
SNSの投稿写真を見た友人からの依頼を受けプロフィール写真を撮影したのがきっかけで、4年前からプロカメラマンに。
でも息子さんが幼稚園へ入園する前の依頼はポツリポツリで、子どもとシッターさんの3人で撮影に行くことも。その分お金にはならなかったが、子どもの無邪気さがお客様の緊張をほぐしてくれて楽しい撮影になったという。入園後も無名のカメラマンへ仕事が舞い込むことはないと、実績作りに実行したのが「キャンペーン企画」。大好きな写真を撮影する機会を増やすのも兼ねて、『あなたの好きな街で撮ります』『室内で撮ります』といったキャンペーン を展開。1時間3千円で、みなとみらいや都内の公園等に出張したり、エステサロンの施術風景を撮影したり。このキャンペーンがPRになり、徐々にお客さんが定着するように。最近はイベントやキャンペーンにかかわらず直接撮影の申し込みがコンスタントに来るようになったそう。

企画の鉄則
今も「鎌倉プロフィール撮影会」「桜の親子撮影会」 等のグループイベントを積極的に企画しているのりこさん。
イベントを企画する時には鉄則がある。
それは自分が楽しめる内容、もしくはエネルギーを使ってでもやりたいと思える内容にすること。
お金をもらう以上楽しいだけでは済まないことももちろんあるだろう。その中で、できるだけ前向きな気持ちでイベントに臨むことがのりこさんの撮影する写真や顧客満足度に結果として反映されるのではないだろうか。

お客さんが語る「のりこさんの撮影の魅力」
お客さんからの感想としてとても多いのが「写真を撮られてとても楽しかった」「新しいプロフ写真を友人や家族がほめてくれた」の2つ。何か特別楽しくなる仕掛けがあるのかと思いきやそうではないという。
「積極的に盛り上げるたり楽しませることを心掛けてはいないんです。ただ、どう撮影したらお客様から一番いい表情が出るか、素の姿を映し出せるか、美しく見えるかは常に意識しています。実は私、写真を撮られるのが苦手で自分の写真を見るのも好きじゃなかったんです。お客様もそういう方が多いので、自分では見られない素敵な笑顔やしぐさ、魅力を知ることで、自分をもっと好きになってもらえたらいいなと願いながらシャッターを切って、その写真を何度も見ていただきながら撮影を進めていきます。きっとそれが「楽しさ」につながっているのではないかと思います。
もし写真の見栄えが良くても、その日の撮影がつまらなかったらその写真も好きになれないんじゃないかと思います。一枚の写真を見るたびに楽しかった時間を思い出せるよう、体験そのものを大事にした撮影をしていきたいと考えています。」
「その人の本来の魅力を引き出すこと」がのりこさんの写真の最大の魅力だ。それも作りこまれた魅力ではなく、その人らしさが全面に出た写真。それが撮れるのは、のりこさんの「写真を通し自分のことを好きになってほしい」という思いがあるからだ。

数をこなすのではなく、じっくり
スタジオを持たないのりこさんの出張撮影スタイルでは、一人の撮影にじっくり時間をかけるという。
プロフィール写真としてその人らしさが出るためには、リラックス状態・表情・光の加減・背景等々さまざまな条件をクリアしなければならない。
人の持つエネルギーや似合う雰囲気はまさに千差万別。その人に合った撮影ポイントを探りながらじっくり時間をかけ、その人らしさを写真に残す。そのためお客様とランチやお茶をしてから撮影。「短時間でぱぱっと多くの人を撮ることもできますが、私の撮りたいその方らしさが出た写真は撮れなくなってしまいます。」とのりこさん。

「プロフ写真の100人展」を開きたい
女性の魅力を切り取るのが得意なのりこさんが今目指しているのは「プロフ写真の100人展」。すでに150人はプロフィール写真を撮影済み。100人というのはある意味区切りで、3桁を超えたあたりから周りに認めてもらいやすくなったと感じているそう。どういう場所でどのように展示したらいいか、100人分並べたらどういう感じになるかワクワクしながら現在思案中とのこと。きっと、人間に一番美しさを感じるというのりこさんならではの眼差し、世界観が伝わってくるものとなるだろう。
何枚か撮影したプロフィール写真を拝見したが、本当に自然にかつ美しく撮影されたものばかり。私も節目節目に撮影してもらおうかと密かに思っている。

家族、そして自分のために「とっておきの一枚」を残すという考え
今後は、新しい試みとしてご年配の方のメモリアル撮影(生前の遺影撮影)にも挑戦したいという。きっかけはご主人のお母様の遺影。亡くなる1年前にのりこさんが撮影した写真を加工してできた遺影が「お母さんそのもの」とすごく好評だったという。
「亡くなったらその写真がほぼ100%その人のイメージになります。年齢を重ねると写真を撮る機会は意外と少なく、遺影で使える写真に困る方が多いと聞きます。元気なうちに素敵な写真を撮っておけば、ご本人は安心ですし残された人も助かります。遺影というとマイナスイメージもありますが、人柄と人生の深みを感じさせるお気に入りの一枚を残せるならきっと喜んでもらえると考えています。」
義理のお母様との実体験からの新しい挑戦。のりこさんの写真で元気づけられる人がさらに増えていくに違いない。
シニア世代に限らず、節目に自分と家族のための「とっておきの一枚」を撮ってもらいませんか?

「フォトユニット風花」おおばのりこさんHP https://kazahana0214.jimdo.com/

撮影の仕事の他、厚木市・伊勢原市周辺で親子向けの撮影会等のイベントの企画や、写真講座等の講師もされています。
詳しくはHP、facebookをぜひご覧ください。

2件のコメント

写真を撮るのも撮られるのもあまり好きじゃないのに、旅行に出ると撮りたくなります。
きっと気分が解放されるからかなとは思うのです。
写真家の目は色んな角度を探しながら最高の瞬間を映し出すのでしょうか・・・

私も実は撮られるのがずっと苦手です。デジカメになって少しましになってきました。
おおばのりこさんのインタビューや講座を通して、切り取るのが写真なのかなと思っています。
その場全体ではないし、その人全部ではもちろんないけれど、確かにその瞬間が切り取られているなと感じました。
写真は奥が深いなぁとも感じています。

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ABOUT US
曽我幸恵
MJプロ│お母さん歴約9年、元・お母さん業界新聞あつぎ版編集長│小3の娘&年少息子の2児の母 神奈川県厚木市在住、茨城県水戸市出身、学生時代住んでいた宮城県仙台市は第二の故郷。 インタビュアー&ライター&ライティングの先生│今より書くのが好きになるコミュニティ・個別サポート│厚木市子育てアドバイザー&ほっとタイムサポーター│ヨガセラピスト。 *noteでもインタビュー記事など書いています。 https://note.com/sogasachii *アメブロも時々。https://ameblo.jp/sattsun2525/