連載「地球家族」世界中で心のバリアフリーを実感

旅行業に携わること10年。もともと添乗員で、現在はオーダーメイド旅行のプロデュースが仕事。もちろん趣味も旅行！と根っからの旅行好きです。

１歳の子どもも含めての８か月の長期旅行は不安もいっぱい。子どもと快適な旅をするためにはいくつかの工夫が必要でした。

まず宿泊は、ホテルではなくキッチン付きのアパートを中心に。食事も外食ではなく、基本的には自炊暮らしの旅です。その土地の食材を使って毎日食事をつくり、旅を進めるうちにお鍋一つでお米を炊く腕も上がっていきました。

観光も、子どものペースを優先し、レンタカーを利用。エッフェル塔に登るより、エッフェル塔が見える公園でピクニックという具合です。

子どもと一緒に歩くと、以前訪れたことがある街でも、こんなに公園が多かったのかと驚きます。

観光地ではグズるのに、公園を見つけると一目散に走り出す子どもたち。

公園遊びを通して、世界中にお友だちができました。

特にダウン症の長男は、お友だちづくりが上手！　言葉の発達がゆっくりな分、ジェスチャーや情熱で伝えることに長けていて、言葉や文化の壁もなく、たくさんのお友だちをナンパしていました。

子連れでベビーカーを押す私たちは、どこへ行っても人のやさしさにふれることができました。駅のホームでは、電車のドアが開いた瞬間に周囲の方がベビーカーを持ち上げてくれ、皆さん親指を立て笑顔で去っていきました。

設備的には日本のほうが整っていますが、心のバリアフリーは、世界ではもっと自然に発展していることにも気づかされました。

子どもと一緒だから見えた一面と、出会えた人がいる。大変さや不自由さもありましたが、独身時代とはまた違った、新しい旅の楽しみ方です。

profile●戸田愛　「旅を通して人と学びを繋ぐ」をコンセプトにした旅行会社、とことこあーす株式会社代表取締役。
世界30カ国50都市にて海外在住日本人女性ガイド事業を展開し、「その方に合う旅の形がある」と一人一人の不安や想いに寄り添った500組以上のオーダーメイド旅行をプロデュース。2019年世界中でテレワークをしながら、小３、小１（ダウン症）、1歳の子ども達と一緒に家族5人で8カ月の世界一周達成。育休を取得した主人と共に、世界21カ国にて暮らすように子育てをする。
家族での旅を通して、子ども達が海外を体感することでの成長の大きさや、国を超えて子ども同士が繋がることでの可能性を感じ「子ども達の未来に繋がる海外での本物体験を提供したい」と英語学習から海外体験旅行までの一貫したスクール事業を展開。海外の子育てや子どもの教育に繋がる旅行、専門留学、イベントなども多数企画・主催。
また全ての人が旅行できる世界にしたいと旅行×医療サポート支援事業リスタート・トラベル（NPO法人申請中）を創設し代表理事。心理学を用いてパートナーシップに繋がる旅行を創る日本唯一のハネムーンセラピスト。元添乗員。
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