お母さん大学は、“孤育て”をなくし、お母さんの笑顔をつなげています

宇宙を感じる、母たちのフラダンス

赤ちゃんが寝てくれない、何をしても泣き止まない。どうしていいかわからない。もう、お母さんを逃げ出したい。そんな思いをしている母たちのために、お母さん大学の新プロジェクトが始まった。
その名も、ハハコモマイプロジェクト「だっこフラ」。ハワイ語で「エ・コモ・マイ」は、ようこその意味。つまり「母も子もようこそ」、マイは「舞」をかけている。
プロジェクトの説明会&オーディションに、5組の母と子が参加。「だっこフラで子どもがすやすや寝てくれたら」と、みな期待して来てくれたはずだ。
だがこれは、赤ちゃんを眠らせるプロジェクトではない。ただ眠らせたいなら、CDや安眠グッズがいい。これはそれとは違う、赤ちゃんとお母さんの心がつながるプロジェクトだ。そんな私の言葉に、ちょっぴり不安そうなお母さんたち。
「赤ちゃんは宇宙人です。しゃべれなくてもお母さんのことは何でもわかっています」こう言うと、ますます不安になるお母さんも。
プロジェクトリーダーを務める小林順子さん。最重度知的障害児を育てながら、余命3年と告げられるも、自ら癌と闘い、乗り越えたお母さん。想像を絶する苦しみに、どれだけ涙を流しただろう。そんな小林さんが舞うフラこそ、母の舞だ。言葉を発しない息子は、母の舞を見て笑顔になるという。今日も、小林順子は舞う。
応援にかけつけてくれたのは、先輩お母さん大学生。「懐かしい!」と、うれしそうに赤ちゃんを抱く。するとなぜか、かわいい宇宙人たちは泣きだしてしまうから、慌ててお母さんに返す。母の胸に抱かれた瞬間、ぴたっと泣き止むから不思議。「お母さんがいいね。大好きだよね」

小林さんの話に、先輩お母さんのやさしさに、会場はほんわかムード。赤ちゃんは、大好きな母の胸で、安心して揺れる。
先日訪れたハワイの海沿いのカフェで、80歳を越えただろう男性が、ギターを手にハワイアンソングを歌いだした。すると、近くに座っていたご婦人が、やおら男性の傍に立ち、曲に合わせて踊り始めた。その姿は、あまりに美しく、あまりに自然で感動した。

彼女は、私たちにダンスを披露するでもなく、愛する人が奏でる音楽と共に、まるで宇宙をステージに踊っているようだった。

だっこフラも同じ。見せるのではなく、母であることを感じながら踊る。まさに、母なる宇宙のフラダンスだ。わが子が宇宙人でいる間はわずか。夜泣きが待ち遠しい日が来るかもしれない…。

7月30日、お母さんが夢に乾杯する日。宇宙に、乾杯しませんか?              (藤本裕子)

 

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