お母さん大学は、“孤育て”をなくし、お母さんの笑顔をつなげています

大長編「はじめての耳鼻科」後編

※前編はこちら

大長編「はじめての耳鼻科」前編 | お母さん大学

そんなわけで、耳鼻科受診の当日を迎えた。

初診でも順番予約ができる病院で、じっとしていられない息子にはとてもありがたかった。問診票も事前にダウンロードして家で書いて持っていく形だったので、摘要欄に「発達障害あり」の旨もしっかり記入。

そして、息子には家を出る前に「病院では静かに座って待つこと」「泣いている子がいても大声で怒ったり叩きにいかないこと」のお約束を。

実際、守れるかどうかはその場に行ってみないと正直分からないし、もしかしたら周りに迷惑をかけてしまって診察を受けずに家に帰る事態になるかもしれない。

いろんなケースをいくつも予想しながら家で待っているうちに予約した順番まであと少しになり、いざ出発。

車内では大好きなカーナビに夢中になり、いつもの調子でしゃべり倒すくらい通常運転だった息子。

でも、病院の駐車場に着くと急に黙り込んでしまった。

あら?さっきまでハイテンションでマシンガントークを繰り広げてたのにやっぱり怖くなっちゃったのかしら?と思いきや

「病院がんばったら、ごほうびいい?」

なんと、ごほうびのおねだりだった(笑)

なんだよ…なんて思いつつも、苦手な病院に自ら行くと言えただけでも、息子にとってはすごいことなので「最後までがんばれたら、トミカ1台いいよ!」ということにした。

そしていよいよ建物の中へ。

道が空いていて早めに着いたので、待合室で少し待つことに。

いつ息子が大きい声を上げるか、ふらふら歩きだすか…常に気が抜けない私。「呼ばれたらあっちのイスに移動するよ」「その奥が診察室だよ」と、この後行く所もあらかじめ伝えて見通しをもたせながら、ふと気づいた。

…あれ?りっくん、ちゃんと座って待ててるし大きい声も出してないじゃん‼

そう、私の心配をよそに超おりこうさんで待っていたのだ。

でも中待合に呼ばれると、「注射しない?」「耳くそ取るんでしょ?痛くない?」と質問攻めが始まった。彼が不安になっている証拠だ。

「うんうん、注射はしないからね。鼻と耳を少し見るだけだからすぐ終わるよ」「優しい先生だから大丈夫」と、とにかく安心させる声掛けをし続けた。

そしていよいよ、診察室の中へ。

看護師さんに誘導してもらい、なんと暴れることも大声を出すこともなくすんなり診察台に上がれた。

穏やかで優しい院長先生が、まずは問診。耳鼻科検診の時にまだ花粉症の症状があって今は治まっていることを伝えて診察スタート。

手早くサッサと耳の中を診て、耳垢も取ってくれる。息子は痛くはなさそうだけど「くすぐったい~」と小声を上げる程度で、無事に耳の診察は完了。

お次は鼻…となるところだったけど、器具が鼻の中に入るのがどうにも耐えられない息子の様子を見て、スッと先っちょを入れるくらいで終わってくれた。

検診の時に花粉症状があってもう治まってるならよっぽど異常はないよ、とのことで特に治療も必要なし。

こうして無事に診察室を後にして、待合室へ。

会計待ちの間もちゃんとイスに座っていられて、初めての耳鼻科受診は大したトラブルもなく終了。

受付の事務員さんが「頑張ったね、おりこうさんでした!」と声をかけてくださって息子もニコニコ笑顔。

うんうん、苦手な病院でここまでおりこうさんにできてえらいよ!!

そして、最後までお約束守れたね!!ということでごほうびのトミカを買いに行き、ちょうどお昼時にもなったのでマックを食べて帰宅の途についたのだった。

母はその後、緊張が解けたのかグッタリ…パパに子供たちを託して小一時間ほど寝かせてもらった。

息子が暴れだしたり大声出したりするんじゃないかとヒヤヒヤで気が気じゃなかったけど、今思えば息子より私の方が落ち着いてなかったかもしれない。

りっくん、心配しすぎてたのはママの方だったよ。立派に最後まで頑張ったね!

大長編「はじめての耳鼻科」これにて完結。お付き合いありがとうございました!!