お母さん大学は、“孤育て”をなくし、お母さんの笑顔をつなげています

あの日の恩人

家族3人で立ち寄ったお店に、覚えのあるお顔を見つけた。

それは9年前、私のお産を支えてくださった助産師さんだった。

 

話しかけるか迷う私に、娘が「一緒に行くから話そうよ」と、付いてくることに。

 

 

「あの…失礼ですが」と、お産した病院名を伝えると「はい、そうです!」と、あの日と変わらない話し方で答えてくれた。

 

「あ、それじゃあこの子がその時の…。」

「そうです、今年10歳になります。」

隣にいた娘の顔を見てそう伝えると、

「じゃあ、会うの2回目だね。元気に育ったね、よかった。」

久しぶり。と、再会の場面に。

 

私のお産の記憶にはこの方が欠かせない。

どこでお産の話をしても、この方を語らずにはいられなかったほど。

ずっとお礼が言いたかった。こんなに大きくなったのも、あの日支えてくださったからだと。

 

 

3日間促進剤を打つも体が耐えてしまい(歯医者の麻酔も効かないタイプ)、

なかなか進まなかったお産が、緊急帝王切開に。

その間ずっと体をさすり声をかけてくれたのだが、

手術が開始される時には、もう退勤時間だったのだろう。

他の看護師さんに「もう帰って」と促されても、ずっと分娩室にいてくれた。

 

そのエピソードのお礼を告げると、

「いいんですよ、そういう仕事ですから。」

また、温かい気持ちをいただいた。

 

娘も色々とお話していたが、その方にじっと目を見つめられて

「お母さん、大切にしてね。お母さん、命がけであなたを産んだんだ。」

そう言われると娘は、コクリとうなずいていた。

お母さんが怖いということも、確認していた。(笑)

 

お産の記憶が、その子を育てるヒントになる。

そう、ある人から教えられたことがある。

乳幼児だった頃とは違った悩みや、日々がある今だけれど、原点に戻れた気持ちだ。

色々あるけれど、あの日に感謝しなければと。

 

ちょっと疲れていた私の気持ちに、栄養満点の雨が降ったような出来事だった。

まさに、神さまからのご褒美だったのだろう。