お母さん大学は、“孤育て”をなくし、お母さんの笑顔をつなげています

えほん箱パーティーでの懺悔の後は

蛍の光が鳴り始め、たくさんの笑顔で溢れた絵本パーティーの初日が終わろうとしていた時のこと

「あの2人見て!」

彩さんの指さしたテントの方向を見ると。

一瞬でこちらも微笑んでしまうような光景だった。

絵本を挟んで仲睦まじい父娘の姿があった。

慌ててスマホを構えた。

読み終えた2人は、ご褒美ガチャの私達のところへ。お父さんの笑顔がとても印象的。

『かぞく』がお題だったという手にしたえほんは、お腹の中の赤ちゃんの表紙だった。

「あなたが生まれるまで」

というタイトル。

お父さんと2人で読んだそのえほんの感想を聞くと

おもしろかったと恥ずかしそうに答えてくれた。

しかけえほんだった。

ミッションクリアーの写真を撮らせてもらい、お父さんの満面の笑みで、この親子時間がどれほど充実したものだったことが伺えた。

お母さんは今日一緒じゃないの?

野暮な質問はやめた。

いろんな家族のかたちがあるから。

終日いろんな親子の微笑ましい姿を垣間見れて、幸せのスパイスをふりかけてもらったよう。

私は疲れも忘れ、えほん箱の活動をエンジョイした1日だったことを振り返っていた。

あの日あの親子が見せてくれた絵本が忘れられず、購入した。

作者のジェニファー・デイビスさんの前書きがある。

子どもたちは自分がどうやって大きくなったかをとても知りたがったからこの話を書いたこと。

いっしょに本を読むといろんな質問が出てきて、子どもたちは、赤ちゃんが生まれることをより身近に感じるようになったこと。

すりきれた本を見ると、子どもの誕生にまつわることを思い出し、子どもたちがおなかにいたときから、与えてくれた喜びがよみがえること。

うちのすっかり大きくなった子どもたちに、すり切れるまで読んであげた本なんてなかったし、読み聞かせもほとんどやってあげなかった。

えほん箱パーティーでそんな母の懺悔の心が溶けていき、行き着いた先は、えほんを囲む幸せな時間は、かけがえのないものだということ。

戻れるなら、あの頃の私にそれを教えてあげたい。

でも、思い出したことがある。

私が里帰り出産していた頃、母が孫たちのためにたくさんえほんを買い込んできて、読み聞かせてくれていたことを。

子どもたちが母を囲む姿が脳裏に蘇った。

私も母のようなろう。