お母さん大学は、“孤育て”をなくし、お母さんの笑顔をつなげています

取材記録~心ゆるり、ふるさとのようなその場所~

【団体紹介】

福岡県小郡市で、お母さんと赤ちゃんの「実家のような駆け込み寺」として産前産後ケアを行っている「心ゆるり」。代表の豊田晴子さん始め、助産師などの専門スタッフが、産前産後のお母さんをいつでも温かく迎え入れ、赤ちゃんのケアや育児のサポートをおこなっています。

今回の取材の経緯】

福岡支局は、2023年度休眠預金等活用事業「困難を抱える家庭を取り残さない仕組みづくり」に採択され、一緒に事業を行う6団体の一つとして、この3年事業に取り組んでいます。

事業3年目を迎えるにあたり、本事業や各団体の活動・思いを伝えるための白書を作ることになりました。

その一つとして、各団体が日々の活動の中で受け止めてきた子どもや保護者等の声を聞かせてもらうことを目的に、お母さん記者が各団体の取材に行くことになりました。

 

取材のために「心ゆるり」さんへ。

訪れるのは2回目、どこか『帰ってきたな』という懐かしい気持ちになった。

畑の方を見るとスリングに包まれた赤ちゃんがスタッフの方に抱かれている。

梅雨の合間の晴れの日で心地よい風が吹いていた。

施設裏手の場所で豊田先生に話を伺うと、先生の看護師時代の話から始まった。

新生児センターで職務をこなす中で、お世話する赤ちゃんたちをお腹の中から見守りたいと強く思った豊田さんは、再度学校へ通い助産師への道を歩み始める。

赤ちゃんだけを見守る看護師時代と違い、お母さんの身体を多角的に看ていく助産師の仕事。その中で低体重児を産んだ母親の後悔の声を聴き、自ら入院してきた100人の母親の声を調査する。

見えてきたのは「早くからの情報提供」の必要性。

知っていれば軽くなる母親の悲痛な気持ち、自らが学び伝えることで救える心があると気づいた。この時代の思いが今の「心ゆるり」に繋がっている。

病院を退職し個人助産院を立ち上げる。保健所の母子訪問、病院への助産の手伝い、忙しさの合間を縫っての小中学校などへの『いのちの授業』。

どの場面でも、伝えることで救える心と身体がある、それを実践してきた。

“もっとお母さんの心と身体に寄り添わなければならない”。

母親のケアを大事にしたい、という気持ちを形にするため個人助産院を閉じ、私財を投じて「心ゆるり」を開所した。開所当初は人件費を賄えず豊田先生個人の講演費用を充てながらの経営。苦しい時代もあったが、休眠預金活用事業の活用、クラウドファンディングに挑戦するなどして、現在は施設の一部改装やスタッフの充実を図り日に2,3組のお母さんたちの安心した利用が出来るようになった。

「心ゆるり」には他の産後ケア施設と違う点がある。それは対象となるお子さんだけでなく、上の子どもたちも一緒に施設を利用できることだ。お母さんを中心として家族皆が安心できるケアが受けられる。

ケアの時間中に教わる知識も、スタッフさんの心遣いも、「特別な場所に来た」ではなく「大好きなふるさとに帰ってきた」そんな気持ちになり、自宅に戻った後も、お母さんが笑顔で生きられる、そんなひと時をここで過ごすことが出来る。

産後ケア利用だけでなく毎月お母さんたちが繋がり、育児に取り入れられる知識を学べるような講座も実施しているので、ぜひホームページをのぞいてほしい。

最後に、豊田先生が個人や社会に求める変化はありますか?と聞くと、先生からは

「どんな時も変化してくれとは思っていない」という言葉が返ってきた。

「心はその人自身が動かすもの、私たちが出来るのは環境を整えること。

気持ちいい心地いい、そう思えるときに行動が変化するの」

看護師時代に未熟児の赤ちゃんを目の前にした時の無力感、学び、接して、たくさんのお母さんに触れ合ってきて「心ゆるり」に行きついた先生の言葉が、私の心に深く刺さった。

豊田先生を始め「心ゆるり」を担うスタッフ皆さんの心遣いが生きる、そんなこの場を利用したお母さんや、その家族までも幸せに子育てをすることに繋がっている。

現在活動の支えになっている休眠預金活用事業の期間はもうすぐ終了だが、先生が目指す産後ケア事業を続けるため、現在は新たなクラウドファンディングに挑戦している。

目指す願いは“トラブルや困難を抱える家庭でも産後ケアを当たり前に利用できるように広めていきたい”ということ。

豊田先生の豊富な経験と知識があるからこそ、“どんな境遇のお母さんとお子さんでも社会が関わり育てることで幸せに育児をすることが出来る、きっとそれが出来るはずだ”という強い想いに繋がっている。

先生のまなざしはいつでも、今を生きるお母さんたちを思って見守り、そしてその先へ続いていく未来を見ていた。

故郷のような居場所「心ゆるり」。

お母さんたちが生きる力を取り戻せるこの場所に出会い、一人でも多くのお母さんやその家族が肩の力を抜いて幸せに生きられますように。

取材の日、心地よい風に吹かれて抱かれていた赤ちゃんのように、安心して抱っこしてもらえる場所「心ゆるり」が、いつまでも続いていきますように

そう私も願っている。

心ゆるりHP

https://www.sangocare.com/

心ゆるりさんが現在挑戦中のクラウドファンディングについてはこちら

https://congrant.com/project/kokoyuru/22746

 

コメントを残す

ABOUT US
江崎香保里
福岡は久留米市の香保里(かおり)です。 いつの間にか主婦歴10年越えて 子供4人。 「ベテランね!」って言われるけれど、いえいえいつでもどの子も新鮮で。分からないことばかりですよ、と。いつでも何かが起こってる我が家(怒ってる、もかな?w) ズボラだけど気にしいで、 ヌケヌケだけど細かいことも気になって。 大変な毎日だけど、日々の気づきを大事にしていきたい、そんな私です。