お母さん大学は、“孤育て”をなくし、お母さんの笑顔をつなげています

【宿題】夏、海を感じようとしたけれど

今月の宿題、ものすごくいい!

「夏、海を感じてペンを持とう」

イメージはブルー主体のきれいな表紙に美しい詩のような物語。

…と思ったけれど、そんな絵本が思い浮かばない。

あれ?

ホコリのかぶった絵本の本棚を探すと、海に関するものは1冊もなかった。自分でもびっくりした。どうしよう、書けないじゃない。買いに行こうか…。

でも、待てよ、海が出てくる絵本ならあったかもしれない。

そう思って手に取ったのは2冊の絵本。

懐かしい絵本たち。子どもたちと毎日読んだ絵本。ずいぶんほったらかしだったけれど、開いてみた。

林明子さんの「こんとあき」

これは知り合いの方からいただいたもので、当時まだ保育園に通っていた娘がとにかく喜んだ。

「こん」がかわいいし、お花モチーフのヘアゴムで髪の毛を止めている主人公の「あき」が娘に似ていた。

おばあちゃんの家がある「さきゅうまち」に、こんとあきがふたりで電車に乗って向かう話。

砂丘の先には海が描かれている。

いなくなってしまった「こん」を探して、そうして見つける場面なのだけど、途中から海に夕日が沈んでいく。

ここは、鳥取の砂丘?

そう予測するけれど、わからない。どうして砂丘のある土地を背景にお話ができたのかもわからない。ただただ、時間の流れを海で表現しているようで、こんの元気がなくなっていく様子が、海のおかげで、より印象的に感じられる。

読んでいた当時はそんなこと何も考えずにいたなぁと思った。あの頃は、子どもの反応に気を取られて、砂丘のことなんてどうでもよかったのかもしれない。

 

おこりんぼママ

この本は、初めてお母さんになってから半年くらいのころ、近所のママさんに誘われ、暑い中、娘をおんぶして電車でわざわざ出かけた絵本専門店で購入した本。

どうしてこの本を選んだのかわからないけれど、もしかしたら、まだ言葉も通じないゴロンと転がっている赤ちゃんに、イライラした感情を持ってしまう自分と、おこりんぼのママが最初に思い切り怒鳴るシーンが重なったのかもしれない。

レジに持って行った時、店主が、「いい本選んだわね」と言ってくれた。なんだかそれだけで、ピンと張っていた子育てへのプレッシャーみたいなものが緩んだ気がしたことも思い出す。

この本に海が出てくるのは、たった1ページ。

だけど、なくてはならない1ページのような気がする。今読み返しても、一つひとつのシーンがしっかりと印象に残る絵本だ。

短い文章のリズムが大好きで、子どもたちはゲラゲラ笑ったんだった。でも本当はちょっとしんみりするお話なんだよ、と思いながら、私は読んでいた。

「海」に関する絵本について、感想を書こうと思ったら、子どもたちと過ごした遠い記憶が蘇った。
海には普遍的な美しさがあるといわれるけれど、
絵本に描かれたそれぞれの海もまた、お母さんの心を、変わらず包んでくれている、そんな気がした。

 

 

3件のコメント

「おこりんぼママ」!
私も書こうかと思いました。だけど爽やかな感じではないし、どうなんだろう…って思ってました。でも海ですよね、大海原。

子どもが「きょうはこれよんで~」と持ってくるとドキっとします(笑)そして最後にホロリです。

木綿さん、ありがとうございます。
同じ絵本があるのね、とうれしくなりました。
そうなのです、これを読んでと言われると、なんなの?私への当てつけかしら?と、子どもに対して思ったり笑
ああ、15年くらい前のわが家の光景が、今、木綿家にはあるのだなぁと、思いました。
海のテーマのおかげで、木綿さんとさらにつながりを感じました。
宇賀さんにも、ありがとうございます♪

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ABOUT US
植地宏美
お母さん大学横浜支局。 お母さん業界新聞横浜版編集長(2019.10〜2021.12)。 長女21歳、長男17歳、次男15歳。 お母さん大学をものすごく、楽しんでいます。 結果、 お母さんをものすごく、楽しんでいます。