お母さん大学は、“孤育て”をなくし、お母さんの笑顔をつなげています

哀愁のふりかけ

家族でアブダビに引越してから早3週間。
まだ行動範囲は狭いものの、それなりに生活には慣れ
日常らしきものを築き始めている。

初めての海外生活は、基本的には新鮮で楽しいことばかり。
だけどそんな中でショックなことが1つあった。
息子のために日本から大量に持ってきた「ふりかけ」を紛失したのだ。

基本的に食にはあまり積極的ではない3歳。
それでも助かるのはお米(彼の言葉で言うと「しろしろごはん」)が大好きなこと。
焼肉や寿司など親の好みで選んだ外食(日本にいる頃)も
とりあえずお米が出てくる飲食店なら、なんとか彼にもエネルギー補給ができる。
「しろしろごはん」に乗せれば、お肉も食べてくれることもある。

で、その命綱に欠かせないのが「ふりかけ」なのだ。
普通の白ご飯はもちろんのこと
カレーや牛丼にも「ふりかけは?」と要求してくる息子。
最初は「いや、味が…」「それはルーっていうふりかけなの!」
と抵抗していたが、食べないよりはマシと、
なるべくルーと混ざり合わないごはん部分にふりかけたり、
「大人も七味かけるしな…」と気を紛らわせて牛丼にもお邪魔させたりしていた。
だから外食の予定があるときは、鞄の中にふりかけ小袋を忍ばせておくのが必須だった。

前置きが長くなったが、そんな状況なので
ほとんど持ってこなかった日本の食材の中でも
ふりかけだけは沢山用意した。

アソートの小袋の中から「今日は~、かつお!」「次はのりたま!」
と選ぶのが日課だったので
大袋入ではなく小袋セットの商品を買い漁り
嵩張るので外袋は外してジップロックの中に絨毯のように敷き詰め
パンパンのスーツケースの内側ポケットに大切にしまって持ってきた。

アブダビ初の自炊の際も
早々に日本米(値段は2,3倍するが入手は可能)と圧力鍋は購入し
「しろしろごはんとふりかけ」は無事国境を越えた。

こちらでは割と有名?っぽい日本米「かがやき」

ところが。

入居1週間でレジデンスの別棟に転居することになり
バタバタと再び荷物をスーツケースに詰めてカートで移動作業をした際に
前の部屋のキッチン引き出しに、
そのふりかけ一式を置いてきてしまった!!

翌日すぐに気づいて受付に事情を話したのだが
「探して見つかったら連絡するよ」と言ったきり音沙汰なし(3回頼んだ、多分探してない笑)。
まぁこれは海外ではよくあることだし、
ホテルレジデンスなので退去後すぐに清掃が入っている可能性もあり
見つかる望みは薄そうだとすぐ分かった。

母、大ショック。。。
息子に泣かれるのを覚悟で「ごめんね、まま、ふりかけなくしちゃった」と伝えたら
あまりに母がショックを受けていたからなのか
「ふーん、なんでー?」と案外あっさり?受け入れてくれたのだけど。

それ以降、白ご飯が食卓にのぼる際には
旦那が持ってきた味付け海苔(息子は「おのり」と丁寧に呼ぶくらいこちらも好き)で
凌ぎつつ過ごした。

そして、そうこうしているうちに、
息子は今まで食わず嫌いだったピザをもぐもぐ食べるようになったり
麵の種類を選べるパスタ屋さんで
お気に入りの形(いわゆるマカロニ)を見つけて一人前完食したりと
どんどん食の範囲が広がっていった。

「ビヨンビヨン」と呼んでいるマカロニパスタがお気に入り

さらには、大人でも好みが分かれるのでは?という
香草強めのレバノン料理やイラン料理も「おいしー」と食べるように。

レバノン料理のmanakish
焼鳥風のアジア料理

近頃は朝ごはんには毎日、最寄のスーパーで買える
「おいしいパン」(=ベルジアンワッフル、マ〇ケンに比べると美味しくはない)をご所望だ。

あれ?ふりかけに依存してたのって、もしかして私の方だった??

加えて、単に成長期が重なっただけかもしれないが
こちらに来てからは、これまであまり彼の口から聞くことのなかった
「おなかぺとぺと(=ぺこぺこ)」「ごはんはやくたべたい」という言葉も
毎日飛び出すようになり
食の国境などお構いなしの息子には、結構驚かされている。

とは言え、それでも巻き返しを図りたくなるのは
母ゴコロか単なる私の性格か。
先日、在アブダビ邦人を長年支えてきたという噂のスーパーに初潜入し
お目当ての日本食材とともに、ついにふりかけをゲットしてきた。

息子は「このクマなに?」と言っていた…

種類の選択肢など、ない(そして何故か、くまもんである)。
小袋入りでは、当然ない。
そして、なかなかの高級品である(1袋9ディルハム=約340円)

息子はもちろん、店内で見つけた瞬間
「はいどうぞする!」(=「レジまで自分で持っていく」の意)と興奮し
帰りの車内ではご機嫌に「ふーりーかーけー♪」と歌っている。

「日本ならその値段で3パックは買えるのに…、あー。なんであの時忘れたんや」と思うと
ふりかけソングは、母には哀歌(エレジー)にしか聞こえないけど・・・。

帰宅するまで大事に握りしめていた

それでも、その夜早速「今日しろしろごはん?」と目を輝かせ
おいしそうにふりかけごはんを頬張る姿を見ていると
買ってよかった、と笑ってしまう。

そしてお値段3倍の価値を少しでも取り戻すべく
次回一時帰国時の持ち帰りリストには「ふりかけ」が1番目に記載されるとともに
このことは絶対お母さん大学で記事にするぞと誓った夜だった。

6件のコメント

我が子もふりかけに依存。混ぜご飯でも何かをかけなきゃ気が済まない…
ふりかけがなくても食べられるものが増えてきてアブダビでの生活に順応しているって素敵だね。
でも、ふりかけがあるとやっぱりウキウキするんだよね。

国際郵便でふりかけを送りたくなるけれど、国際郵便って到着までどれくらい時間がかかるんだろう~??

混ぜご飯にも!同じー!
そうそう、白ご飯だけでも食べられるんだけど、うきうき感が100倍くらい!!

お気持ち感謝です泣
コロナで郵便局が航空便を止めてたり(船便のみ)
そもそも宗教上の関係で食品の輸送は結構手間がかかったりするようで…。
でも夫の同僚さんが出張に来られる時に頼めるかもです!
ありがとうございます♪

熊本出身の私です。海を越えてのクマモンにうれしくなりましたー♪熊本のふりかけやさんなのかな?
私もふりかけ送ってあげたくなりましたよー。物価そんなに違うんですね。
アブダビの社会問題とか、子どもたちの様子とか、これからいろいろ見て聞いて感じることが沢山出てくると思いますので、ぜひレポ楽しみにお待ちしておりますー(^^)/

おー、そうなんですね!
クマモンを認識してない息子には響きませんでしたが
私は初めて見るパッケージにちょっと嬉しくなりました♪

お気持ちありがとうございます!
今度帰国したときには、お母さん大学生の皆さんに
おススメご当地ふりかけを紹介してもらおうかなー笑

まだまだこちらの知り合いも少なく、狭い社会で生きてますが
少しずつ視野を拡げていけたらと思います!

ふりかけー!!わかる!未だにうちの小4娘は依存しているような…
丸美屋の味道楽がだいすき!
蘭ちゃんの切ない気持ち痛いほど分かるなー
せっせと用意したことも想像すると、私もしばらく立ち直れないと思う!切なすぎる…
日本なら忘れ物として数日は保管してくれそうなのに…それも当たり前じゃないんだね。
物価のことも、色々勉強になります!!
でも、楽しんでる姿がわかって安心しました♡

みんなそうなんだー!安心するー!!
うちも味道楽好きです。
何度も食べたから漢字で書いてあるのに息子が「あじどうらく」って読むくらい笑

シール付きのアンパンマンふりかけが恋しいよう…泣

当たり前じゃないこと、ほんと沢山あって
どっちが良いとか悪いじゃなくて
それぞれの違いを実感させられますー

またオンライン等でもつながってください♪

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ABOUT US
杉本 蘭
2019年、30歳で息子を出産。 京都出身。横浜→東京暮らしを経て、 現在は夫の駐在に帯同しUAEにて子育てライフ満喫中です。