お母さん大学は、“孤育て”をなくし、お母さんの笑顔をつなげています

母になるということに、とことん向き合って

大学時代に「出産」について学ぶ機会があり、不自然なお産を知るにつれ、自分もいつか産めるものなら助産院でと決めていました。

幸い26歳で妊娠。ところが栃木の実家近くには助産院がなかったため、病院で長女を出産。分娩台の寒さと冷たさ、体勢が辛く不安な中での出産だったことで、より助産院への想いが募りました。

2年後に第2子を妊娠。

今度は(当時)自宅近くの助産院で、夫立ち合いのもと長男を産みました。

経産婦の余裕はありましたが、稲田助産院(現いなだ助産院)は、検診に行くだけで緊張していた病院とは大違い。わが家の延長線上にあるような安心感、助産師さんと長女とともにお腹の赤ちゃんの成長を見守り、リラックスして臨んだお産。

カンガルーケアに始まり、出産直後からの母子同室で母乳の出もよく、幸せな子宮収縮を実感することができました。

4年後、第3子を妊娠。

同じ助産院にしたのは「母になるということに、とことん向き合いたい」との思いから。家族全員の立ち会いを希望し、語りかけました。

「みんながいるときに生まれてきてね」。助産師さんは「大丈夫、赤ちゃんはベストな日を選んで生まれてくるよ」と。

本当にそうでした。日曜日の夕食後に陣痛が始まり、助産院へ。子どもたちは興奮しつつも真剣な表情。

陣痛の波に乗り、穏やかな灯りの中、みんなに見守られ生まれてきた次男。6歳だった長女はへその緒がついたままの状態で抱っこ。そのキラキラとした眼の輝きが印象的でした。

出産とは自分に向き合うこと。いつか娘が赤ちゃんを授かることができたら…。焦らずゆったりと自然の流れに身を任せ、しっかり自分に向き合って産んでほしいな、と思います。

産婦・村本聖子