お母さん大学は、“孤育て”をなくし、お母さんの笑顔をつなげています

МJ・上野由樹の卒乳日記 さようなら、おっぱい

その1 決断

1歳2か月の息子は昼間の授乳はなくなったが、夜の寝かせる時と夜間に数回泣いて起きることが続いていた。完母で育てている。
いつかは自然に夜通し寝てくれるかな~と期待していたが一向に止む気配がない。卒乳をすべきか、否か。状況を整理してみた。
①離乳食や食事はよく食べる子なので、栄養の面では母乳はいらない。
②仕事復帰まで2か月を切って、私も連続した睡眠を確保したい。
③息子の発育上、まとまった睡眠が必要。
今まで深夜0時前後と明け方3~4時に授乳していたのは息子が泣くからだった。でも、息子も泣くことで「もらえる→眠れる」と学習し、私も隣で寝る娘や夫を起こしてしまっては忍びないと思ったり、授乳すれば寝てくれるなら楽だと思ったりしていたから、なかなかやめれずにいたのだ。
しかし、8月には仕事復帰をする。保育園に行き始める息子のためにもお互い、夜はゆっくり眠れる環境をつくりたい! それが、私が考え抜いた結論だった。
私たち(夫婦)の責任において卒乳をしようと思う。
「さようならおっぱい計画」スタートである!

その2  初日

「さようなら、おっぱい計画」1日目。
その内容は、私が寝かせるのではなく、夫が寝かせることで物理的におっぱいがない環境をつくることだった。
夫の協力が必要不可欠なため、金曜の夜に決行することがベストだったが、なぜか夫に話したその晩から勢いで始まっていた(後で夫は後悔することになる)。
そのため平日、夫に任せるわけにはいかず。まずは暗い部屋で授乳するのではなく、やや明るいリビングで起きている状態で授乳後、寝室で寝かせることに。
息子には「今日からおっぱいでは寝ないからね~。夜もあげられないからがんばるんだよ~」と一応話す。(息子はなんのこっちゃ?という表情)。寝室に行くと抱っこではなく、ゆっくりベッドに寝かされるものだから、息子はすぐに異変に気づき、「ふぇ~!」と泣く、泣く。私はとにかくトントンしながら目を閉じて、眠るのを待った。
寝入りは、いつの間にか私も息子も眠っており、成功!

その3 前進

見切り発車でスタートしてしまった、卒乳計画2日目。
スタートしてしまったからには、もう後戻りはできません。前日通り、明るいリビングで授乳後、暗い寝室に移動。ベッドに寝かせると泣くもののお腹の上にのせると意外と眠ってくれ、息子の寝息が聞こえホッとする。
私も一緒に3時間ほど眠り、母時間を確保するため、23時頃再び起きる。バームクーヘンをかじりながら趣味の裁縫をしようと布を広げた途端、寝室から泣き声が…。
パパが息子を抱っこしてくれるものの泣き叫ぶ息子。慌ててバトンタッチし、トントンしながら寝かせるが、さらに泣く。
もう、息子は涙と鼻水で顔がぐしょぐしょなのが暗くてもわかる。私の上半身にのっかり、泣き叫ぶ姿は、口から炎を吹き出し町中を壊す、あのゴジラだ。まぁ、まだ1歳だから、ミニゴジラぐらいにしておくか。
結局3時くらいまで、息子は泣き続けた。ぐじょぐじょな鼻水を私のパジャマで拭き取り、息子を抱きしめる。「ごめんね~。ま~くん、ごめんね~」と言いながら。
私のせいでこうなったのだから、最後までつきあう。私も、うつらうつらとなり、
眠りにつく。

その4 手応え

卒乳計画、3日目に突入!
今夜も眠れないだろうと覚悟を決めて就寝準備。読み聞かせはあくびばかりで娘に怒られる。
寝る前の授乳も止め、十分に水分補給をさせて寝かせてみることに。息子は(おっぱいどこ?)と私のTシャツの襟ぐりを引っ張る。しかし泣きはしないのでただただかわいい。かわいすぎるが我慢である。
そしてなんと! 多少は泣くものの、お腹の上に息子の上半身をのせてトントンしていると、す~す~と寝息が聞こえてくるではないか!
手応えを感じる。深夜は相変わらず大泣きはしないものの、もぞもぞと移動しては起き上がり、う~と声を出している。「ごめんね、もうあげられないのよ」と言いながら、お腹の上にのせようとするが、移動するのでベッドから落ちないようにつかまえる。その繰り返しだ。
危ないので、下の布団で寝ている夫と場所を交代して息子と布団で寝ることに。3時頃にやっとこさ寝た息子。私は起きて何かしようかな~とも思ったが、眠気には勝てず、朝まで爆睡。
下の布団で寝ていることに気づいた娘がころがりこんでくる。そして、娘と起床。5時14分。早すぎるんじゃない?とも思うが、意外と起きれるものである。

その5 災難

卒乳計画も4日目。
20時にベッドに寝かせると、泣きはするものの、今までよりはるかに早く静かになる。そして寝息がす~す~! これはすごい!
しかし、寝ている最中は、娘は私にくっつき、息子は私の肋骨めがけてぶつかってくるので、私はまったく熟睡できなかった。
深夜、トイレに行くために私は起きたが、息子はすやすや眠っている。そして、なんと! 1度も泣いて起きることなく、朝まで寝ていてくれた! すごいよ息子よ。ありがとう!
ただ、がんばった息子には災難が…。
私は、早朝5時に一人起きて、2日間サボった散歩をしようと仕度をしていると…。
ドンっ! ぎゃ~!という泣き声が。なんと息子が、ベッドから落ちて泣いていた。
そっちで起きるのね!と焦りながら抱きかかえる。特にケガはなくほっとした。
このまま、卒乳できればいいなと思う。

その6 忍耐

息子の卒乳を計画して、早2週間。
私の思いつきにつきあわされた家族と、かわいい息子。1日目の1時間のギャン泣き。2日目の3時間の粘り。3日目の夢遊病のような動きを経ての4日目、ついに夜通し寝てくれた!
そして、5日目以降はもう何事もなく平和に夜を寝て過ごすことができている。
3日目までは、あんなに地獄の様相だったのに、過ぎ去ってみれば、そうでもなかったような気がするのだから不思議である。
やっぱり、お母さん大学で記録に残していてよかったと思う。
日中も夜も、息子は特に寂しそうな様子もなく元気に過ごしてくれているのだから、その順応力には頭が下がる。ただ感謝しかないし、私も親としての責任やら忍耐やらをまた学ばせてもらった。
これからもよろしくね!(完)

※白玉団子をつくる、娘と息子のかわいい足たち。

お母さん業界新聞8月号

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