一年生で学校への行き渋りが激しかった美緒。二年生になり、始業式には行けなかったものの、その後はスッと通うようになっている。
思えば昨年夏頃より、義父の状態が悪化。それと並行して、美緒が「学校に行きたくない」と呟きはじめていた。
仕事で忙しい私は、聞いて聞かぬ振りをしていたのかもしれない。
冬になって義父の生命がギリギリ。というところでは、美緒は学校について、何も言わなくなったが…
忌引きが明けた日、ダイニングテーブルを挟んで見た美緒の顔は、「ママ、もう無理だよ」と明らかに書いてあった。
大人の私も忙しさからの疲労、義父の死へのショックで、しばらく動けなかった。
7歳の娘は私以上に負荷がかかっていたのだろう。
冬から春にかけて、ゆっくりと心を休ませた結果か、彼女はまた学校に行き出した。
あの行き渋りは一体なんだったのだろう。
通り雨。
まさにそれのようだ。
また、通り雨が降ることはきっと色々あるはず。しかし、雨はいつか止むのだと、そして濡れてびちゃびちゃになった地面を固めるのは、美緒自身が頑張って歩いた〝足〟だと。
今はそう感じている。
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