お母さん大学は、“孤育て”をなくし、お母さんの笑顔をつなげています

お母さん業界新聞8月号の絵本箱紹介

『こぐまたちの うみのいちにち』
さく:サクマユウコ
つむぐ舎/1870円

この夏、海デビューする子どもたちも多いだろう。広い海、打ち寄せる波、砂浜、生きもの、日差し…住み慣れた森から海へ出かけるこぐまたちの夏の一日は、はじめての出会いがいっぱい。宝物をいくつ見つけたかな? 動物を描くことが大好きで、横浜の動物園ポスターも手がける著者の愛情あふれる絵に、ワクワクドキドキが広がる。

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『かにこちゃん』
作: きしだえりこ 絵: ほりうちせいいち
くもん出版/880円

赤がテーマの絵本、カニ、朝日、夕日、自然のいろんな赤を感じる。ことばの響きが心地よく、かにこちゃんと一緒に、すこすこすこすこ、歩いている気分に。絵のモデルは、片方のハサミが大きいシオマネキというカニ。朝に出会った時は「おいで」、夕方には「さよーなら」「またね」と、かにこちゃんからのメッセージが聞こえる。

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『きんぎょ』
さく・え:山本久美子
ひだまり舎/1980円

ノスタルジーあふれる、静かだけど力強い絵は透明感のある版画。夏の夜の暑さや変化する日差し、汗ばむ感覚が伝わり、おはなしの中に引き込まれる。ケンと妹、弟が夏祭りを楽しむ風景、きょうだいたちの時間を覗き見る感覚にもなる。きんぎょすくいのその後を考えるケンの長男らしい行動にキュン。きんぎょの赤と黒が美しい。

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『ママは100めんそう』
文: パク・スヨン 絵: ジョン・ウンスク
訳: おおたけきよみ
光村教育図書/1430円

いつも笑顔でいられない、日々がんばるお母さんにエールを。毎日いろんなことが起こる子育てのシーンに共感し、どの国のお母さんもがんばっているんだとうれしくなる。「怒ると鬼になる」くらいしか思わなかったが、子どもたちからはこう見えるようだ。どんなお母さんでも愛されていると感激する。「おろおろいぬ」にドキッ!

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『はちうえはぼくにまかせて』
作: ジーン・ジオン
絵: マーガレット・ブロイ・グレアム
訳: 森比左志 ペンギン社/1320円

夏休みなのに、お父さんの仕事が忙しく遊びに行けないトミー。「なんでもすきなことやってもいい」と言われ、旅行で留守にする近所の人の鉢植えを預かって育てることに。すねるどころか、植物を育てる方法を学び、みんなを笑顔にしていく。与えられるのではなく自分で切り開いていく前向きさ、考える子どもは強いんだ。

お母さん業界新聞8月号