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福島から日本を元気に! ~親も子も笑顔になれるマイナースポーツ~

5月5日「こどもの日」に開かれた「いわきファミリースポーツ親子体験会」。震災、そしてコロナ…。困難の中でも子どもたちの笑顔が何よりの希望であると、被災地であるいわき市から発信したいという思い。親も子も本気で楽しめるマイナースポーツにこだわった体験会を取材した。(主催:いわきファミリースポーツ親子体験会実行委員会、オフィス創光、株式会社BAKUAGE、株式会社フィルムメーカーズクラブ)

親子で楽しむ体験会

福島県いわき市にある植田公民館と鮫川河川敷公園で開催された、マイナースポーツ体験会。快晴の中、事前予約も含め、数十組の親子が集まった。

体験できるスポーツは「テーブルフットボール」「ドローンファイト」「世界選手権ルールかくれんぼ」の3種。共通しているのは、親子で一緒に楽しむということ。

初めて競技説明を聞いて、子どものほうが先に理解することも少なくない。親子で作戦を練り、息を合わせてゲームに挑む姿は真剣そのもので、見ているこちらも力が入る。互いに応援したり、讃え合ったりする中で、新しい親子の関係性が生まれていた。

マイナースポーツとは

海外では人気があるが、日本ではまだ認知されていないものがたくさんある。しかも室内の小スペースでできる、車いすで参加できる、大人と子どもが競い合える、といった利点がある。

マイナー競技認知度爆上祭」を主催する渡邊史郎さんは、「スポーツが苦手」「スポーツに興味がない」という方たちは、わずかな競技で判断していないか?と問う。

実は知らないだけで、「今からでも日本代表を目指せる競技がきっとあるから、一緒に楽しんで」と話す。

子どもを真ん中にして

子どもたちに、スポーツを通して強い心と体を鍛え、礼儀作法を身につけさせたいと願う親は多い。

文部科学省では、運動習慣形成には子どもを取り巻く大人の影響が大きいことから、運動習慣形成の重要性を普及することと同時に、大人の意識や行動を変えることを目的とした事業を、2022年度より開始。

「子どもたちにとって本当の健康とは何か」について、学校や地域コミュニティの大人たちがつながり、皆で考えることが必要ということ。ひいてはそれが、「孤立」という大きな社会課題の解決につながるのだろう。

被災地から全国へ

いわき市では少子化が進み、3年前には約2000人だった出生数が1700人までに減少しているという。

いわき市私立幼稚園PTA連合会の伊藤順朗副会長は、個人の意見ではありますが、と前置きした上で話された。「震災を経験して子育て感が変わりました。周りには子どもや家族を亡くした人たちもたくさんいます。

子どもは宝です。今日体験してみて、親子で楽しむには最高のイベントだなと思いました。秋の園行事に取り入れたいですね」。

課題もある。いかに親を巻き込むか…。わが子がプレーする姿を遠巻きに見ているだけの保護者も少なくなかった。強制参加ではなく、それぞれが「面白そう」と興味を持てるように伝えていく必要があると、主催者は話す。

この日、かくれんぼ競技に母と息子で参加していたある親子。幼い息子と、じっと息を潜めてテントに隠れている。

残り時間も少なくなった頃、鬼が背を向けた瞬間、息子をき抱えるようにしてホームベースまで一直線にダッシュ! 息子は大喜び。

わが子に勝利を教えることのできた彼女の笑顔が印象に残った。参加しなければ知ることのできない感動がある。

これからも、マイナースポーツに注目していきたい。
(取材・植地宏美)

指一本で白熱する競技! テーブルフットボール

 2人のプレーヤーが、専用マット敷きのテーブル上で、おはじきのテクニック、戦術、素早い判断を駆使して戦うテーブル・フットボール・ゲーム。サッカーの母国イングランドで1928年に発明された歴史あるゲーム。2年に1度ワールドカップが開かれ、世界共通ルールがある。
(協力:日本テーブルフットボール協会

簡単操作、攻略はテクニックで! ドローンファイト

 手のひらサイズのミニドローンを使って風船を割る競技。小学生から80代まで、座りながらでも参加できるのが特徴で、前後左右上下にコントロールする空間認知能力が鍛えられる。1ゲーム3分勝負で、早く風船を割ったほうが勝ち。日本発祥の、世界で最も身近なドローンスポーツを目指している。(協力:JDFA

1対20のガチンコ勝負! 世界選手権ルールかくれんぼ

 誰でも遊んだことのあるかくれんぼ。缶けりと同じルールで、鬼の目を盗みホームベースにタッチする。3分という短い試合時間の中で、ホームから離れすぎず、事前に設置されたテントにうまく隠れて機会を伺う。声の聞こえ方で、鬼がどの方向を見ているのかを予測する。
(協力:日本かくれんぼ協会

ボランティア参加の市民スタッフと、今大会実行委員会メンバー。7月に千葉県柏市で開催する「テーブルフットボールアジアカップ」に持っていくボードには「目指せ世界一!」の寄せ書きも。

いわき市から発信!
スポーツに挑戦することで子どもたちを笑顔にしたい

幼少期は体が弱く、運動が苦手でした。大学のときに合気道に出会い、体を動かす楽しみを知りました。

40歳でいわき市長に就任。健康のためにランニングを始めました。また、いわき市でトライアスロン大会を開催したいと思い、そのために、自らトライアスロンに挑戦しました。今も現役のトライアスリートで、トレーニングは欠かしません。

何事もチャレンジ精神が大事。マイナースポーツを通じ、より多くの方々に競技に挑戦する機会を提供し、親子の絆を深めていただけたらと企画しました。

たくさんの悲しみや苦しみを経験してきた、いわき市民ですが、それでも笑顔で新しいことに挑戦する姿を全国に発信していくことが大切だと思います。

岩城光英さん

いわき市生まれ。上智大学法学部卒業。サントリー株式会社入社後、父の死により帰郷。いわき市議、福島県議を経て1990年からいわき市長を2期務めた。その後、参議院議員。官房副長官、2015年法務大臣に。現在も日本トライアスロン連合会長をはじめ、県内外のさまざまな要職を兼務。

参加者の感想

競技のかくれんぼをやったのは初めてでしたが、息子は思いきり楽しんでいましたね。子どもたちが団結して鬼(大人)を挑めている様子は、なかなかよかったですね。
(母・高木寿子さん)

 

息子は普段からサッカーやラグビーをやっています。今日のかくれんぼはお遊びではなく、試合という緊張感もあり、かなり本気モードだったので驚きました。
(母・佐川晴香さん)

脳と手の動きが一致せず、けっこう難しかったです。家でゲームをしているときとは違い、真剣味が増しました。家族で協力して戦えたのがよかったです。
(母・赤津美由紀さん)

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