以前より抱いていた「巫女さんになりたかった」という密かな願い。白衣に緋袴、鈴の音、そして参拝者に「ようおまいり」とやさしく接する姿への憧れを胸に、大阪府東大阪市の枚岡神社で「巫女体験研修」に挑戦しました。
枚岡神社 東大阪市出雲井町7-16
2000人が体験した「太古の聖域」での学び
枚岡神社は、古事記や日本書紀にも記される太古の聖域。ここで17年前から続けられている巫女体験研修は、現在までに延べ2000人が参加しています。
まだ寒さの残る3月4日。全国各地から集まった27名の参加者と共に、私の研修が始まりました。「一度でいいから巫女さんの姿をしてみたかった」という私のような動機の方もいれば、神道への深い関心を持つ方もいました。
講師は、全国でも数少ない特級宮司の中東弘宮司です。「歴史、作法、心得を学んでください」という言葉に、背筋が伸びます。
足袋でスス〜と。所作から見える「自分」
白衣と緋袴を身にまとうだけで、不思議と心がしゃんとします。正式参拝や作法を学び、御神前の掃除では窓ガラスを丁寧に磨き上げました。
苦戦したのは、境内の移動です。日頃のドタバタとした歩き方では、砂利の上を草履で美しく歩くことができません。一方で、畳の上を足袋でスス〜と進む所作や、美しいお辞儀を習得していく中で、普段の自分の姿勢を深く反省しました。
日本の美しい礼儀作法や文化を未来へつなぐこと。それは私たち「母」の使命でもあるのだと、改めて身が引き締まる思いでした。
「あ・は・は」と笑い、命の根源に触れる
枚岡神社といえば、毎年12月に開催される「笑い神事」が有名です。
研修でも20分間の「お笑い実践」が行われました。大きな口を開けて「あっはっはー!」と思い切り笑うと、体中に酸素が巡り、心が元気になっていくのがわかります。
大和言葉で「あ」は天の神、「は」はものを生み出す力を意味するそうです。この「は」が2つ重なると「はは(母)」。つまり「母」とは、命を世に送り出すという、とてつもない力を持つ存在。巫女という夢を叶えながら、たどり着いたのはやはり「母」という誇りでした。
自然の音だけが響く御本殿前で、私たちの奏上する大祓詞(おおはらえことば)が風と一体になる瞬間。寒さを忘れるほど清々しく満ち足りた一日となりました。
(MJレポート・宇賀佐智子)
*取材を終えて*
3月の研修。防寒のための冬用肌着(白か肌色)の用意に一苦労しました。時期外れの肌色タイツを店頭で見つけ、レジで「自分が使う」とはどうしても言えず、「娘が巫女のバイトをするので……」と小さな嘘(!)をついて手に入れたのはここだけの話。暑い日も寒い日も、常に凛としてご奉仕をされる巫女の皆様には、心から敬意を表します。

































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