息子が10歳の誕生日を迎え、臨月だった頃の出来事を思い出しました。
父の日のプレゼントを買った帰り道、私は交通事故に遭いました。お腹には息子がいました。診察で「赤ちゃんは大丈夫ですよ」と言われるまで、不安でたまりませんでした。
事故のお相手の女性は、診察が終わるまで病院で待っていてくださいました。そして、ご家族と一緒に何度も謝ってくださいました。その時初めて、お相手の女性が翌日に結婚式を控え、その翌日から新婚旅行へ出発する予定だと知りました。
もちろん怖い思いはしました。でも、「この事故が結婚式まで悲しい思い出になってほしくない」と思い、「どうか楽しんできてくださいね」とお伝えしました。
旅行から戻られたご夫婦は、お土産を持って訪ねてくださり、「元気な赤ちゃんを産んでくださいね」と声をかけてくださいました。息子が無事に生まれたことをお知らせすると、一緒に喜んでくださったことも忘れられません。
子どもが生まれて10年。振り返ると、あの日に残ったのは事故の記憶ではなく、人の優しさでした。
母になった今、改めて思います。思いがけない出来事は避けられなくても、その後の向き合い方は自分で選べるのだと。あの日、お互いを思いやる気持ちがあったからこそ、つらい出来事が温かな記憶に変わったのだと思っています。

































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