お母さんを支え続けるUmiのいえ・齋藤麻紀子さんと、産婦人科医・早乙女智子さんが来社。命と向き合う新刊をきっかけに、お産や女性の生き方について熱く語り合った、横浜みなとみらいでのウミダス会議の記録。
安易な無痛分娩選択へ一石を投じる専門家たち
横浜市で「いのち・こころ・からだ・くらしの学びあいの場〜Umiのいえ」を開き、季刊誌『Umiのいえつうしん』を発行しながらたくさんのお母さんを支えてきたNPO法人Umiのいえ代表理事の齋藤麻紀子さん。
そのお仲間である大石時子さん(助産師)、小森香織さん(助産師)、北島博之さん(新生児科医)が共同執筆し、同法人が編集を手がけた書籍『どうちがう?無痛分娩と自然分娩:これだけは知っておきたい28のQ&A』を上梓された。
出版祝いに乾杯しよう!と編集部に誘い、本の紹介も兼ねて、表紙の「母たちへの一文」の寄稿をお願いすると、快諾してくれた。
齋藤さんのことを深く知っているわけでもなく、実はUmiのいえにおじゃましたこともない。だが互いに長きにわたり、お母さんを応援してきたという共通点だけで、信頼とリスペクトは十分過ぎるほどある。
今どきのお産の在り様が気になってたまらない私は、昨年、齋藤さんたちがつくり上げた『正常出産の保険適用に関する提言書』を、本紙(2025年10月号)で発信した。残念ながら現時点で国の動きはまだないが、齋藤さんの思いの種はいつしか雑草のように根が張り、芽が出る日がくると私は信じている。齋藤さんにはここで諦めず、もうひと踏ん張りしていただこう。
温泉のまち湯河原からもう一人のゲスト
この日のもう一人の客人は、産婦人科医でセックスセラピスト、性と健康を考える女性専門家の会代表理事の早乙女智子さんだ。
前述の本の監修をされたそうで、2年前からは神奈川県湯河原町の町議会議員と産婦人科医の二足の草鞋を履いていると聞いてびっくり。
以前から「女性の声を政治に」と言われていた早乙女さんだが、まさに有言実行で頭が下がる。同時に、温泉好きな私のテンションは爆上がり。さっそく湯河原町のお役に立てることはないかとアンテナを立てた。
早乙女さんとは不思議なご縁がある。以前、ある方の娘さんが性被害にあい、ご専門でもある早乙女さんにお力を借り、助けてもらったことがある。きちんとお話したのは今回がはじめてだが、なんと愛とエネルギーに満ち溢れる女性か。
早乙女さんから手渡されたのは、『国際婦人年連絡会50周年記念誌』。「女性の権利」のために闘ってきた素晴らしい女性たちの記録である。大切なテーマと知りつつも、なんとなく昔からあまり心が動かなかった自分もいる。
ずいぶん昔になるが、小説家でありクレヨンハウス主宰の落合恵子さんと対談した時のこと。会話の中で私は、当たり前に「お母さん」と話し、そのまま記事にも「お母さん」と書いた。すると落合さんから「お母さんも、お父さんも」と校正が入った。正直、その時は納得いかなかったが、なぜか落合さんのことを嫌いになれなかった。
現代はまた別の意味で、「お母さん」という言葉に物申す人たちが多くいる。8年前にトランタンネットワーク新聞社からお母さん業界新聞社へ社名を変更したのは、社会に対するアンチテーゼもあったが、むしろ私にはそれが自然だった。
国際婦人年連絡会 50周年記念誌 1975-2025
だがここへきて早乙女さんと再会したということは、歴史の中で「女性たちが伝えてきたことを、もっと学びなさい」ということかもしれない。しっかり読ませていただこう。
本を読んで40年前のお産を振り返る
そもそも今回は、本の話をするはずだった。だが15時に乾杯したあと、最初の10分程度話してハイおしまい。その後はあれも言いたい、これも言いたいで延々とおしゃべりが続き、気づいたら19時になっていた。
仕方がないのでその晩、一気に本を完読した。読後ふと、40年前にお産した日のことを思い出した。
当時私は、「陣痛促進剤を使ったほうが赤ちゃんがラクだよ」という医師の言葉を信じて促進剤を使った。しかし本には、「陣痛は赤ちゃんの『産んでください』のサイン」と書いてあった。つまり私は、わが子のサインを無視したということになる。もしかして三女が時々私を厳しく叱るのは、あの日自分のサインを無視した、母への反発なのだろうか(笑)。あの時この本に出会っていれば、私のお産も変わっていたかもしれない。
本書は、無痛分娩と自然分娩を正しく理解するだけでなく、人間が生まれるということ、命について深く考えるきっかけになるだろう。お母さん自身がお産に向き合うということは、わが子に向き合うということ。自然分娩をした人、無痛分娩をした人、帝王切開をした人、そしてお産を経験していない人にも読んでほしい一冊だ。
この日、お母さん業界新聞社で私たちが産み出した、日本の未来を変える(かもしれない)数々のプロジェクト。横浜から全国へ向けて猛スピードでアクションしようと誓って解散したが、口だけになりそうな気もするので、ここに宣言することにした。この強烈なチームに入りたい方は、覚悟してご連絡を!
(藤本裕子)
Umiのいえで交流するお母さんたち
Umiのいえ
横浜市旭区鶴ヶ峰2-35-6
umi@uminoie.org 045-513-0552
お母さん業界新聞8月号
































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