お母さん大学は、“孤育て”をなくし、お母さんの笑顔をつなげています

いつもの日常の中で産むという選択

母を自宅で看取ったことから、私も自宅で出産を迎えたいと思っていた。三男の妊娠で、夫と義実家に相談。「昔は家で産んでたんやけん大丈夫。サポートするから好きなとこで産まんね」と言ってくれて心強かった。

検診やお産は、助産院mamitaの田中みちえ先生が来てくれることに。エコーはないのでお腹を触診。

「ここが赤ちゃんの頭。ここが背骨」と赤ちゃんに触れるたび、感動した。

1人目は計画分娩、2人目は陣痛促進剤を使っての出産だったので、陣痛がくる感覚がわからないと伝えると、「赤ちゃんはね、ちゃーんとお母さんのことを感じているの。だから大丈夫。2人のタイミングが合うことを信じて」と言われ、私が産むのではなく、赤ちゃんと一緒に産むのだと再認識した。

朝5時。おしるしがあり、どんどん痛くなって電話。「行くまで待っててねって赤ちゃんに伝えて!」と先生。陣痛の波がくるたび、「まだだよ~」と話しかけた。

「どの体勢でもいいよ」の声に「立ちます!」と伝えて旦那さんにつかまり立ち。先輩パパに「パパはとにかく倒れない柱になること」と聞いていた旦那さん。2人分の体重を長時間受け止めてくれた。

柔らかい髪の毛に触れた瞬間、「キャッチしたい!」と、急いでバーススツールに座り、赤ちゃんを抱っこ。その瞬間、家じゅうが安堵と歓喜に包まれた。
「産後1か月は授乳とオムツ以外はしっかり休むこと」と言われ、旦那さんと義母が家事をがんばってくれた。おかげで家族が協力する今の関係性ができた。自宅出産での経験が、私を大きく変えてくれた。

産婦・廣松香奈美