お母さん大学は、“孤育て”をなくし、お母さんの笑顔をつなげています

母の木の里(おもねぎのさと) 恩智神社(おんじじんじゃ) を訪ねて

創建1500年という、国内でも有数の古社。神様のお使いの卯(うさぎ)と辰(十二支唯一架空の動物)がいる珍しい社です。

うさぎは「導く」、辰はへびが天に願いを上げるために龍になって登る…「幸せへと導く・運気を上げる」神社といわれ、大御食津彦命(おおみけつひこのみこと)と大御食津姫命(おおみけつひめのみこと)をお祀りしています。

食を中心に生活の神様、生活を豊かにと守ってくれるあたたかなやさしい神様がいて、伊勢神宮に奉られる天照大神、豊受大神が元伊勢籠神社(京都府)から伊勢に移される時に立ち寄ったという、由緒ある神社です。

戦で追われた神武天皇がこの地に辿り着き、大きな木に隠れて命拾いしたことから、「母の木の里」と呼ばれています。

母なる太陽として大切にされ、「恩ある地」から「恩智」という名になりました。

東から昇る太陽、自然との共存を願うため、山に向かってお参りするという古代の考えに基づき、西向きの社殿となっています。おかげで高台から西に沈む、夕日に染まる美しいまちを見渡すことができます。

古くから地域コミュニケーションの中心の場である神社。皆が心を一つにお祭りをつくり上げ、ともに楽しみながらつながりを深くしていきます。

子どもは地域で育てるもの、神社は母なるところとされているため、人々はたとえこの地を離れても、祭りには母の元に帰り、母を囲んで安らぐのです。

かつては、山の上でで~んと構えていれば、大勢の方が訪れてくれたものですが、今は「神社ってこんなところですよ」と(山を下りて)説明にいかないと、見つけて来てはもらえません。神様は変化していくことを許してくれています。

子育てや仕事に追われているお母さん、ちょっと手を休めて、気持ちを切り替えるために、どうぞ恩智神社へ足を運んでください。
(取材/宇賀佐智子)

恩智神社 大阪府八尾市恩智中町5-10