お母さん大学は、“孤育て”をなくし、お母さんの笑顔をつなげています

剣道の魅力を伝え続け お母さん剣士の受け皿に

剣道に打ち込んだ青春時代

中学1年生のときに部活動として始めた剣道。高校時代にはインターハイ出場、ベスト8という成績を収めた。大学を卒業
してからも、後輩と一緒に女性対象の大会に出場してきた。 妊娠出産を経て今は小休止するも、大会出場に向け気力・体力づくりには余念がない。「試合に負けることは想像できない」と自信を見せるのは、これまで乗り越えてきたものの多さからだろう。四段の腕前だ。

子育ても剣道もトライ&エラー

「剣道は自己研究に尽きる」と言う迪さんは、5か月の息子、大暉くんとの生活も同じという。 「人からいいよ、と聞いた情報
を試してみる。でも自分のスタイルに合わなければ変えてみる。どうやったらうまくいくのかを常に考える。子育ても一緒、トライ&エラー」。 剣道を続けてきた経験が子育てにつながっている。

剣道は自分との闘い

「継続は力なり」剣道を続けてきた中で、体に染み付いている言葉である。やめようと思ったことは何度もある。でもそれは、勉強との両立に悩んでいただけで、剣道をやめたいと思ったことはない。剣道をしていると、自分の課題が見えてくる。それをこなしたい気持ちがわいてきてやめたくないと強く感じる。むしろ面白いから続けてきた。自分との闘いだから、強くなる。

剣道具店を交流の場に

高校生のときに剣道を通じて出会ったのが夫だった。 関東学院大学を卒業後は高校教師となり、剣道部顧問もしていたが、その後結婚・出産をし、このたび夫と友人夫婦と一緒に、剣道具店「ばんとう武道商店」を立ち上げた。店の大家さんのご厚意に甘え、子どもを預けて自身も店頭に立つ。 「地元福島から離れて暮らしているため、親のサポートはない。しかし、ないなりのサポートを他の方々から得られるのでありがたい。商売がやりたいというよりも、女性が剣道を続けられる道をつくりたい」と話す。店に剣道好きな人が集まれば、自然とコミュニティができる。いずれは販売のみならず、剣道に携わる女性たちの受け皿となり、働き口や子育てサロンのような店になったら、と夢を抱く。

剣道の魅力を伝えたい

礼儀や精神を学べるとして、「剣道を子どもにやらせたい」というお母さんも多く、派手なスポーツではないけれど、意外と剣道人口は多いのだそう。そのうち女性剣士は3分の1くらい。しかも結婚や出産で、剣道をやめてしまう人がほとんどだ。「子育てをするようになって、狭い世界だからこその仲間のつながりや絆の強さを実感している。剣道に関わっていれば、いつでも集まれるし再開できる。子どもにも絶対に剣道をやってほしい。こんなに環境が整っているのだから、やらない選択肢はないですよ」とにっこり。剣道を続けてきたからこそわかる、剣道の魅力。今、日常のすべてが剣道であることが喜びとなっている。息子を抱く背筋が凛として、美しい。

お母さん業界新聞横浜版2019.11月号より

 

ばんとう武道商店(080-2059-4800)
横浜市港北区篠原町1103-14

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ABOUT US
植地宏美
お母さん大学横浜支局。 お母さん業界新聞横浜版編集長(2019.10〜2021.12)。 長女21歳、長男17歳、次男15歳。 お母さん大学をものすごく、楽しんでいます。 結果、 お母さんをものすごく、楽しんでいます。