お母さん大学は、“孤育て”をなくし、お母さんの笑顔をつなげています

【お母さん芝居へ行こう】             「ハイツブリが飛ぶのを」稽古見学              のんちゃん のんさんに会いに行く

一雨ごとに秋が深まりますね。彼岸花が咲いたと思ったら、あっという間に金木犀の香りも漂いはじめました。これまでの暑さは一気に去り長袖が恋しくなる陽気。いよいよ新しい季節が始まります。皆さんはどんな秋を過ごされるのでしょうか?今日は「文化の秋」を発信できたらと思います。
かねてから【お母さん芝居へ行こう】プロジェクトで交流のある
青年座の俳優 野々村のんさんから10月4日(水)スタート
なないろ満月vol.3 「ハイツブリが飛ぶのを」稽古見学のお誘いをいただきました。
「ハイツブリが飛ぶのを」はのんさんご自身が企画立てから出演までされているお芝居です。
なないろ満月はのんさんが立ち上げられたユニットになります。
「大切な人を失った人たちが、それでも何かをたよりに生きていこうとする普遍的なお話」で
可笑しな会話を通じてストーリーが展開していくとのこと。また「お子さん連れでも安心して見られる」と聞き、10月1日お稽古最終日に小1の娘(=のんちゃん)と共に見学に行ってきました。
お稽古場は都内のとあるスタジオ。時刻は16時。2時間の通し稽古が始まる直前にお邪魔しました。
舞台セットの前にはのんさんを含む出演される4名の俳優さんたち。そして分厚い台本を抱えた演出ご担当の方をはじめとしたスタッフの皆さんがいらっしゃいました。「開始5分前!」という掛け声に緊張感が走ります。
これまで何度か人形劇をはじめ観劇経験のある娘。といっても「お芝居」といった概念がない娘には「のんちゃんと同じ名前の、のんさんの劇を見に行くよ」とだけ伝え迎えた当日でした。
昼食もさらにはおやつまでしっかり済ませましたが、果たして娘はお決まりの「お腹が空いた」と言わず2時間静かに見学できるのだろうか…という私の気持ちも最高潮に達しました。
当の娘「何だか静かにしなければならない場所みたい」とは感じたようですが、これから何が始まるのかはわかっていない様子。大人の緊張感が娘には伝わらなかったようです。
不安たっぷり。ですがお芝居をはじめとした作品鑑賞が大好きな私。「舞台裏を見られる!二度とない機会!!」という好奇心を抑えられませんでした。「とにかくこれからの時間、何とか無事に過ごせますように」と祈りながら通し稽古が始まるのを待ちました。
私の緊張が伝わったのか、スタンバイされていた出演者の寺十吾(tsumazuki no ishi)さんが「何年生?」と声をかけてくださり心が軽くなると同時にお稽古がスタートとなりました。開始直後「お母さん、これTVで見られる?」「あれがのんさん?」と小声でありつつも質問攻めの娘。私は「後で教えるから」を何度も繰り返し、娘に集中してもらうことに努めました。
お話が進むと同時に、娘もストーリーの世界に入りこめたようですっかり質問もなくなりました。途中、可笑しなやりとりの場面では面白味が理解でき笑い声をたてることや佐藤銀平さんのギターに合わせ、歌を口ずさむ場面もありました。順調にお稽古は進み、18時に終了。母の心配をよそに初めて本格的なお芝居を愉しんだ娘。最後は大きな拍手とともに、それでもやっぱり第一声は「お母さん、お腹空いた」。のんさんや一緒に見学をしていた方から差し入れのお菓子をいただき満足そうでした。
一方、皆さんはお稽古中の気になったポイントや当日のスケジュール等を確認されていました。
その際、話題になったのは「お弁当」!「俳優さんたちも食べることで盛り上がるんだ!」と新鮮な気持ちになりました。「カニが嫌いなんだ」と話す佃典彦(劇団B級遊撃隊)さんの話を耳にした娘。「私にもお弁当ある?」との質問に、皆さん笑ってくださいました。
最後はお稽古後でお疲れの中、のんさんとお話する機会に恵まれました!
お芝居の話、そして作品に対する想いを伺いました。
ーーー
震災、不安定なお話です。
ハイツブリが来ることを待っている女性を演じています。
彼女は鳥が来ることを待っていて、鳥の存在が支えになっています。
私自身(のんさん)の支えは、うーん、親かな。
お母さんたちにとってもそうですよね。子どもの存在が支えになっているのではないですか?
このお話はお母さんたちに向けたものではないけれど、
お母さんたちにも響くものがあるのではと思っています。
今日、明日、死ぬかもしれない。
そういった中で、人が人を求める。
何かを支えにして、それでも生きていく。
人がいることが支えになる。
見た後に身近な人を大切にしようと思えたら
例えば「家族におかえりと言ってみる」といったように
小さなことでも、愛おしいと思う瞬間が見た人に訪れてくれれば嬉しいです。
ーーー
とお話くださいました。
またのんさんは
「芝居は役に立たなくていい。面白かったでいい。ただ2時間見たというだけでいい。」とも
おっしゃいます。
娘が「今日のお話、TVで見られる?見たいな~」と話したところ「1回しか見られないからいいんだよ」とのんさんは答えてくれました。
そしてのんさんは、お母さん大学生で音曲師の桂小すみさんのファンだそうです!
実はのんさんへのインタビュー中、19時を迎え娘の空腹度合いは頂点に。のんさんからさらにアイスを頂き、ペロリと平らげました。お稽古最終日にも関わらずマイペースな娘に優しく接してくださり、私たちをあたたかく迎えて頂いたのんさんをはじめとした関係者の皆さま本当にありがとうございました。帰り際のんさんが私たちに手を振って見送ってくださり、のんさんのおうちを後にするかのような気持ちに。スタジオ外には舞台セットを積み込むトラックもとまっていて稽古最終日なのだということを再度実感したのでした。
甘いものでお腹が満たされた娘、久しぶりに観劇ができ心が満たされた私。2人ご機嫌での帰路となりました。
帰り道、ふと私が感じたことは「何を子に伝えられるか」ということでした。日々「早寝早起きしようね」といった生活習慣を伝える機会はたっぷりあっても私がこの子に本当に伝えたいことをどれほど伝えてこれたのだろうと思いました。
「人生の喜びや楽しみ」舞台を見たり、生の芸術に触れて五感を動かすといったことをぜひ娘にも味わってほしいと願います。
帰宅後は遅い私たちを手作りの夕食とともに待っていた夫と共に3人で楽しく夕食を味わいました。こうした「日常の小さく愛おしい瞬間を大切にしたい」のんさんの笑顔を思い浮かべながら、そう感じました。
「ハイツブリが飛ぶのを」は10月9日(月・祝)まで 
劇場 テアトルBONBONにて公演中です。
私たちも見に行く予定で、娘は「また見れるの?!楽しみ!」と興奮気味です。
2時間の観劇は、あなたを新たな世界に連れていってくれるかもしれません。ぜひご覧ください。

2件のコメント

尾形さん
のんさんとのやりとり、そしていつも早速のコメント。ありがとうございます!おかげさまで親子で貴重な時間を過ごせました。バタバタな毎日のなか、非日常を味わうことができました。本当にお芝居楽しみですね!次回は感想をお聞かせください♬

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田久保薫子
横浜で子育てをスタート。 工作大好き、旅先で出会ったお友だちにも「一緒に遊ぼう」と声かけする社交的な6歳の娘と夫の3人家族です。 運動会を前に、親子でドキドキしながら当日を心待ちにしている毎日です。よろしくお願い致します。