お母さん大学は、“孤育て”をなくし、お母さんの笑顔をつなげています

普通の耳と宇宙の耳

「普通の耳がよかった」と長男に言われ、思わず言葉に詰まった。
「どうしてこんなにうるさいのに、わかってくれないの」と言う次男に、しょうがない、と言うしかなかった。
うちの息子たちは二人とも聴覚過敏がある。

長男は通常級(30人ほど)のザワザワ音が苦手で、それもあって授業に入れない。
「普通の耳だったらよかった。皆みたいに普通の耳だったら、学校に行けるのに」という長男に、とっさに「そうかなあ?」としか返せなかった。

次男は人数に関わらず、会話が重なって聞こえるのが苦手で苦労している。
体調を崩し、昨日受診した小児科。待合室の話し声に耐えきれず、エアコンのない玄関で次男を抱っこし、汗をかきながら順番を待つ。「どうして、こんなにうるさいのに皆わかってくれないの」「なんで僕はこうなっちゃうの」とイライラし泣く次男に、しょうがないね、と言いながら私もうっかり泣きそうになった。

そうしてなんとなく、先日久留米の科学館であった、元JAXA教育センター長 北川ケイトさんの講演で、ブラックホールや銀河の音を聞かせてもらった時のことを思い出した。
「この音ならずっと聞ける」という長男の声が耳に残っている。

うちの子たち、もしかして宇宙向きの耳なのかな。そりゃあ普通の耳じゃないわ。そう思ったら、なんだかふと気が楽になった。

宇宙の耳(?)の息子たち。傍目にはわからないから、困っていることが伝わりづらい。上手く付き合っていくしかないのだけど、まだまだ模索中。

これは親子共に、地球に慣れる成長のチャンスだと思うしかない。
がんばれ、私たち。