お母さん大学は、“孤育て”をなくし、お母さんの笑顔をつなげています

大人になった自分が出来ること

「にじいろCAP」とは、子どもがいじめ・虐待・体罰・誘拐・痴漢・性暴力などのさまざまな暴力から自分の心とからだを守る暴力防止のための予防教育プログラム「CAPプログラム」を行政等と連携しながら提供している団体です。

特別に大切な子どもの3つの権利。

◯安心◯自信◯自由

子どもたちが安心・安全に成長していくには、この特別に大切な3つの権利がなくてはならない。
もしも、暴力にあいそうになったら何ができるのか教職員、保護者、地域の大人、そして子どもに伝え続けています。

◯今回の取材の経緯
福岡支局は、2023年度休眠預金活用事業「困難な家庭を取り残さない仕組みづくり」に採択され、一緒に事業を行う6団体の一つとして、この3年事業に取り組んでいます。事業3年目を迎えるにあたり、本事業や各団体の活動・思いを伝えるための白書をつくることになりました。その一つとして各団体が日々の活動を通して受け止めてきた子どもや保護者等の声を聞かせてもらうことを目的に、お母さん記者が各団体の取材に行くことになりました。

私は、今回「にじいろCAP」の代表重永侑紀さん、田原泉さんにお話を聞かせてもらいました。

◯30年で見えてきたこと
福岡県で活動をして、もうすぐ30年になると重永さん。
30年前に比べると圧倒的に子どもが丸くなったと感じている。
過去「9つまでは叩いて育てて良い」という地域文化もあった。
人権の中に子どもの権利が含まれていなかった。
子どもを叩かない社会が当たり前(人権)になってきた。
そのためか、安心して先生に相談する子が増えた。
けれどもその一方で親も地域も忙しくて先生以外に相談できる人がいない。
と教えて下さいました。

私自身もうすぐ40歳。
小さい頃は躾だからと父に叩かれた記憶があります。
しかし学生時代は先生が生徒を叩く姿は見た事がありません。
子どもは叩いて育てるのが当たり前という文化から、子どもを叩いてはいけないという教育への過渡期の中、私も成長したのではないかと思いました。

◯「にじいろCAP」に聞こえてきた声

◎「大人も間違うと教えてくれてありがとう」
父が母を殴るというある家庭の中学生の男の子。

腕力では父に勝てるかもしれない。
姉は必死に父と母の間に入り仲裁しようとするが、自分は体が硬直して動けない。
親を責めたいわけではない。
にじいろCAPの方と出会い、自分は悪くないと知れただけで安心したと話してくれたそうです。

プログラムを終えた後、「私達はこの時間で帰ってしまうけど、誰か相談できる人いる?」と聞くと、教室の外から「おれおれ」と自分を指す同級生の子。
自分の気持ちを安心して出せる人が身近にいる事を確認できる、これがクラス単位でCAPプログラムをやる意義だと話してくれました。
話を聞いてもらう子も聞く側の子も、CAPプログラムを受けたからこそできた関係性だと思いました。

◎「ちょっと聞いて欲しいちゃけど、聞くだけでいいっちゃん」と話をしてくれた中学生の女の子。

塾の帰りに性被害にあった事を話してくれた。

親が忙しい事は分かっている。

親が忙しい事も、悲しませるかもしれない事も子どもは十分に分かっている。

親に負担をかけたくない。でも聴いて欲しい。
その葛藤に駆られていた。

まずは、子どもが話したいように話す、励ますでもアドバイスするわけでもなく、そのままを受け止める。
「信じるよ」「あなたは悪くないよ」と伝え、「2度と同じ目に遭わないように一緒に考えよう」と必要な人には伝えるプロセスを整えたそうです。

子どもも、この人に話をしたらその後どうなるかを考えます。
何でも話をしていいという場があることで、抱えている葛藤を話せるのでしょう。

◎「こんなに自由にできる場所を先生達が許してくれたのが嬉しい」と、にじトークに来た子どもから出た声
「にじトーク」とは学校の休み時間などを利用して、子どもが自由に、話をしたいことを話しに行ける取り組み。
聞き手は「学校アドボカシー養成講座」を受け、子どもの人権や心理について学んだ大人達。
教えず、まとめず、ただ聞くことを大切にしている場です。
自由に話すと「スッキリしたー」と言ってまた授業に戻る子ども達。回を重ねて学校に訪れていると「こんなに自由にできる場所を先生達が許してくれたのが嬉しい」と言った子がいました。

学校の中に、自由に過ごせる「にじトーク」がある事で虐待やいじめの早期発見につながるだけではなく、直接は関わってはいない学校の先生方からも、子どもたちの自由な場所を確保してもらえたという信頼関係の構築の1つになるようです。

虐待の話や性暴力の話が出てくると、いくらアドボカシー養成講座を受講した大人でも苦しくなったり、辛くなったりはしないのかなと疑問でした。

しかし、「子どもを助けてあげなくちゃ、支援してあげなくちゃと思うと苦しくなるのかもしれないけど、子ども達が勇気を持って話をしてくれた事へのリスペクトがあるので、むしろ『よく話せたな』『力強いな』と尊敬できます。」と言われ、驚くと共に、リスペクトと尊敬を持って話を聞いてくれる大人がいるからこそ、子どもも安心して話せるのだなと感じました。

久留米市の小学校で「にじトーク」が導入されているのは、まだ一部だと知り、ぜひわが子の学校でも開催してほしいと強く思いました。私もPTAや、先生方に働きかけ、少しでも早く開催して頂く為に動きたいと思いました。近い将来久留米市の小学校、全校で実施して頂きたい。今は月1回のにじトークですが、小学校に常設していたら、どんなにのびのび子どもが育つだろうとわくわくしました。実際に、子どもたちからも「毎日来てもいいからね」と言われるそうです。

自分自身も学生時代に、にじトークに出会いたかった。当時出会えていたら、どれだけ生きやすくなっただろう。

地域や家庭で出来る事はありますかと聞いたところ
「子どもの事を助けてあげる、支援してあげるではなく、子ども達の話を聞いて楽しんでほしい。大人が忙しいと子どもは話しづらいので、暇じゃないけど、暇なふりをした大人がいると子どもも話せる事が出てくる。その時は、助けてあげるではなく、子どもをリスペクトして話を聞いてみてほしい。ぼーっとした大人がいてほしい」と言われました。

時間に追われたり、やる事に追われたりする日々ですが、ぼーっとした大人がいると、子どもたちも話ができる。
みんなでぼーっとした大人になりましょう。