お母さん大学は、“孤育て”をなくし、お母さんの笑顔をつなげています

味がある

25年前、
横浜に点在する様々な建築様式の歴史的建物に憧れ、
就職を決めてから、「はまっこ」だ。

あまり自覚はないし、
市民のほとんどが歌えるという「横浜市歌」はいまだにあやふやで、
子どもたちの卒業式などでは口パクだが、
まあ、4半世紀住んだのだから胸を張って市民と言ってもいいレベルだろう。

結婚して家を購入する際に、
せめて職場に自転車で行けるくらいの距離に、と今の土地に決めたが、
みごと横浜らしい狭い狭い坂道を登り切った山の上である。
不満はないが、不便である。(それが不満というのかな)

先日息子に、何気なく、将来おうちを買う時は駅近、マンション、横浜の夜景がいいよ~って伝えたところ、
「いやだ」
と即答。

いつも部活終わりにつかれても山を登らなければならないかわいそうな息子。
よく遠征のときは最寄り駅がかなり遠いため、重い荷物を持って歩かなければならない息子。
奥まっている場所の為、ほとんど友だちも来ない(というか知られていない)わが家。
意外な答えだったので理由を聞いたら、
「味があるから」と一言。

住めば都。
うーん。この子はこの家を気に入ってくれているのか。

横浜に住んでいるにもかかわらず、
横浜らしいみなとみらいや山下公園などの観光場所には行きたがらない息子。
もう少ししたら、好きな子と歩くのかもしれないが、
彼にとってこの家がふるさとであることに変わりはない。

せめて心地よい思い出を、提供しなければと、
散らかった部屋を見て反省している。
まあ、でもこのくらいが、味があるのかも。