お母さん大学は、“孤育て”をなくし、お母さんの笑顔をつなげています

どこいった〜⁉︎

「普段通りで大丈夫だから」。

珍しく父親が末っ子に声を掛けた。

「忘れ物ない?

気をつけてね。

いつも通りで大丈夫」。    

私もそう声掛けして玄関先から見送った。

「うん、スマホ解禁しといてね」。

と笑顔をみせて、右手をあげた。

いつも通り。

出勤前にスマホを充電してあげようとぐるぐる巻きにされたスマホは、末っ子の強い意志を反映し、マトリョーシカのようになっていた。

前日にお弁当の下ごしらえをして眠った。

それでも何度も何度も目が覚めて、慌ててスマホの時刻を確認した。

朝は、体調不良もなく目が覚めたことに安堵し、トンカツを揚げ、ミニトマトで必勝ダルマを作った。これが一番時間がかかった。

いつもは

保温弁当箱だが、大きくてリュックに入らないから普通のお弁当がいいとリクエストがあった。

受験当日は、げんを担いで、トンカツ弁当。

末っ子に出かける直前に予備のマスクを入れるように渡すと、リュックの背のほうへ滑り込ませた。リュックの中身は、びっしり詰まったテキスト、そして上に鎮座したお弁当。いつもは底に入れてるけど、待ち合わせの時間に遅れそうだから何も言わず。

そしてリュックを背負って出掛けた。

はずだった…,

母は、その日の記憶を辿っていた。

絶対に持って行ったよ。忘れてなんかない!だってリュックに入っていたのを私見たもの!

受験当日、母も時計の針が気になって仕方がない。

12時半よし、これからお昼ご飯。午前の3教科が終わって、末っ子がお弁当を食べる時間となった。私もいつもはチンして温めてから食べるお弁当を、今日は温めず食べた。

トンカツはまあまあ。ご飯は少し固かった。

全部食べたかな?

お弁当に入れた必勝ダルマ、喜んでくれたかな?

蓋開けたら顔が取れて何だかわからなくなってるかも?

お昼ご飯を食べて、お腹が痛くなったりしませんように。午後は得意科目だから力を出し切れますように。

そう願った。

そして、長い一日が終わり、私が仕事から帰宅して程なく末っ子が帰宅。

どんな顔してる?(ドアを開けたその顔は暗い。)

予想もつかない一言がかえってきた。

「お弁当がなかった」。

ズコッー!

はぁ?朝持って行ったじゃん!

「リュックに入ってなかったんだよ。お昼ご飯の時に初めて気が付いた」。

えーえー、どーゆーこと???

どこいった〜ダルマよー!

後半へ続く。

8件のコメント

ドキドキそわそわ!
そして、私も高校受験の日、母がカツを揚げてくれて、お弁当に入ってた!
一気にあの時に戻った気持ちになりましたー!
続きめっちゃ気になるーーーー!!!
はやくー!はやくー!笑

山﨑さん

脳内予習!
あっという間にその日はやってきますよ!そしてあっという間に懐かしい思い出になるんだなぁ。でも、今回はスペシャルでした〜特に忘れられない出来事になるなぁ。笑

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田端真紀
社会人の長男を筆頭に大学生の二男と長女、看護学生の二女、高校生の三男の5人のワーキングマザーです。長男が自立して6人で横浜に住んでいます。北九州市出身。MJプロ。母フラ、母レレ、母ドラメンバー。みそまるマスター。