お母さん大学は、“孤育て”をなくし、お母さんの笑顔をつなげています

母子手帳が語る愛の記憶

母が他界し、実家を片付けていたところ、古い母子手帳を見つけました。そこには、身長や体重の記録に加え、私の成長の様子が、母の字で温かく綴られていました。  

   「90日:指を吸って暫く遊ぶがすぐ抱っこして欲しくなる」「9か月:乱暴なことをすると喜ぶ」「10か月:オイデオイデが上手」 …。

母の愛と慈しみに満ちたぬくもりに包まれて育ってきたことを実感し、思わず「お母さん、ありがとう」と呟いていました。

お母さんのお腹の中に宿った小さな命は、最初はエラのある魚類、尻尾のついた両生類、爬虫類、そして哺乳類へと形を変え、約40日間で人の姿に近づくといいます。40億年にも及ぶ生物の進化のプロセスを、お母さんのお腹の中で「1日1億年」という猛スピードで辿るのです。

その劇的な進化の過程をへその緒を通じて共有し、応援するお母さんは、赤ちゃんにとっては命を託したかけがえのない存在です。これはお父さんには到底真似できない、お母さんと子どもの奇跡のような濃密な関係なのです。

子育ては「親育て」でもあります。親になって子どもを育てているつもりでしたが、振り返ると実は、子どもに育てられていたのだと気づかされます。子育てを通じてさまざまな経験をし、家族の絆を紡ぎながら、私たちも人として成長していくのです。

お母様方もぜひ、お子さんと一緒にたくさんの経験を重ね、共に成長する時間を楽しんでください。

昭和女子大学特命教授
大石善啓

お母さん業界新聞 7月号 母たちへの一文