お母さん大学は、“孤育て”をなくし、お母さんの笑顔をつなげています

植物の根と菌根菌(きんこんきん)のいい関係

こんにちは。前回に続いて、ボクたち土壌微生物が住んでいる、地下のお話をしましょう!

今日は寒い日です。1か月ほど雨が降らず、畑の畝土はカラカラです。
冬野菜が青々としっかり立っています。
野菜を引き抜いてみたら、根の長さは10 cmほど。

はて? 水気がないのにどうしてしおれずに立っているのかな?
不思議だよね! その秘密をお話しましょう。

植物の根は、生育に必要な水や養分を土から吸収する大事な役割をしています。
その根にボクたち微生物の仲間「菌根菌」が共生して根の働きを助けているんだよ。

菌根菌は、植物の根から土の中に広く菌糸を伸ばし、土の中の栄養分や水分を吸収し、
それを菌糸を通して植物に送っている。
一方、根からは植物の光合成産物である糖類などの炭酸化物を貰い受けているんだ。
菌根菌と植物はお互いに養分を供給し、助け合い、「共助・共生」の関係を営んでいる。

このように、根から伸びる菌根(糸状菌・菌糸)の働きによって、作物は乾燥に強くなり、
養分の乏しい土地でも効率よく養分を吸収してよく育つ。
これが、カラカラの畑でも、植物がきれいに大きく育つ秘密なんだ。

菌根菌の種類は5000~6000種もあり、陸上の8~9割の植物たちの根と共生しています。
共生という営みは、今から3億5000年前に植物が海から陸地へ上陸したときから始まり、
今日の陸上の多様な植物に進化してきたんだよ。

生命はミクロからマクロまでの共生のしくみで成り立っていて、
どこが欠けても生態系ピラミッドは壊れます。
眼に見えないものや、その働きで成り立っていること、
生物多様性の大切さを日々思い、人間と自然との共生を楽しんで生活してください。

今日はここまで。ごきげんよう!

(お母さん業界新聞1802/ボクは微生物)

有機菜園プランナー・濱田武人(Taketo Hamada)

スーパーゼネコンの土木技術者として国内外で建設工事に従事した経験を生かし、
「次世代につなぐ豊かな環境」をテーマに濱田技術士事務所を開設。
自然環境保全問題に取り組むべく、建設・環境コンサルタントエンジニア、有機菜園プランナーとして活躍。
菜園や庭園の設計施工の傍ら、100%有機土壌の家庭菜園づくりを通し、食と健康、生活の美の創出を提案中。
にんじんCLUB「ど根性菜園」総合プロデューサー。
バラ邸作家としても著名。