お母さん大学は、“孤育て”をなくし、お母さんの笑顔をつなげています

高知版3月号ダデイ目線 香北町 西村剛治

父として残せるもの

香北町 西村剛治

「老後は小規模保育所をつくりたいと」いう夢を、ぼんやり持ち続けていることもあり、子どもたちを膝に乗せて絵本を読んだり、歌ったり踊ったり…お絵かきやいたずらを一緒に楽しめる子育てに、幸せを感じています。

私は中学生のときに病気で父親を亡くしました。

大家族を養うたくましい姿、 クリエイティブで誰からも愛されていた父を、子どもながらにカッコ良く感じていたのを覚えています。

そんな父親を「人生の先輩・ 特別な存在」と認識する前に失ってしまった残念な思いが、 わが子の成長とともに大きくなりました。もっといろいろな話 を聞いてみたかったな、と。

父が亡くなった年齢に近づく につれ、自分が何を子どもに残してあげられるのかを考えることが増えてきました。父親が残してくれたように、子どもたちが真っ直ぐに生きていけるような記憶を残してあげられているのか…不安な想いが頭の中をめぐります。

そんな自問の中、高知に根付こうとしている今の自分の姿が、一つの答えなのかもしれないと、最近感じるようになりました。 ここが、自分が自信をもって生きていける場所、この環境が家族の豊かな価値観を育てていける場所、そう思うことで勇気づけられます。

移住して12年。相方にはずいぶん苦労をかけてきましたが、 原点である「豊かな暮らしの実 現」を、これからも家族と一緒 に楽しんでいきたいと思っています。