お母さん大学は、“孤育て”をなくし、お母さんの笑顔をつなげています

母のおにぎりを 頬張って泣いた日

早いもので、音楽家生活も40年が過ぎました。独立時は早々に貧乏生活に陥り、無謀な挑戦だったことを思い知ったわけですが、家出同然だったので、実家には甘えられません。

赤貧生活が続いていたある日、母と祖母が様子を見にやってきました。大きなおにぎりをタッパに入れて持ってきてくれてうれしかった。空腹ですぐに飛びつきたかったのですが、遅い反抗期だったので、2人が帰ったあとで独り貪るように頬張って泣きました。

「いつまで経っても親は親。子どもは子ども」母の言葉とおにぎりに、親子の「絆」を噛みしめた瞬間でした。

「テレビに名前が出てるんだって?」と電話がありました。「しまじろう」の歌を作曲したことから名前が載っていたのです。幼稚園で愛用されている「ハッピー・ジャムジャム」は、初めて母に認めてもらえた曲になりました。

全国のお母さんたちからはSNSを通じて、「子どもの頃に大好きだったハピジャムを二世代で楽しんでいます」「親子の絆になっています」というメッセージを何度もいただいています。

あの日、泣いたおにぎりのように、拙作が親子の「絆」になっているとしたら、それはとても光栄なことです。

親子の心を繋ぐ音楽を、これからもたくさんつくっていきたいと思います。

その前に、みんな一緒にハッピー・ジャムジャム!