お母さん大学は、“孤育て”をなくし、お母さんの笑顔をつなげています

子育てに寄り添う 横濱水天宮を訪ねて

 

宮司・佐野顕次さん

横濱水天宮は1667年頃、吉田新田開発の埋め立ての際に度々水害に悩まされたため、水害の守護神として祀られていましたが、明治初め、旧体を発見した河野与七により再興され、安産・子育ての守護神として知られるようになりました。しかし戦災により全焼してしまいます。

1998年に太田杉山神社に相殿神として迎えられ、現在のようにお祀りされています。

安定期に入った妊娠5か月頃の戌の日に、母子の健康と出産の無事を祈り「御鈴緒」(腹帯)を巻く儀礼があります。その際にお渡しする御守には5つの神呪文字からなる「いつもじ」があり、これを陣痛時に水と一緒に呑むと、お産が軽くなると言い伝えられています。

境内には子犬に乳を与える母犬がいます。狛犬の親子を撫でると安産になる、母乳の出が良くなるともいわれています。

15年前から毎年夏の祭礼の際に「一心泣き相撲®」横浜場所を開催しています。泣き相撲は子どもの健康と成長を祈願する日本の伝統行事で、400年以上の歴史があります。

「横浜場所」を始めた頃は、赤ちゃんがかわいそう、泣かせるなんてひどいという声もありましたが、今では大勢の参加者が。お相撲さんに抱っこされて大泣きするわが子の姿にみんな笑顔になります。

もともと神道は日本人の生活の一部のようなもの。食物や先祖、自然に感謝…。神社が馴染んだ生活は、当たり前のSDGsなのです。

お母さん業界新聞との出会いは4年前。大切にしているものが同じと感じ、安産祈願やお宮参りのお母さんに渡しています。子育てにやさしい社会を願い、社務所に置いている新聞はいろんな方が持ち帰られます。

かつて神社は子どもたちの遊び場でした。日暮れまで境内に子どもたちの声が響きわたっていましたが、今の子どもたちは忙しすぎて気の毒です。散歩のついでや遊び場として、神社に気軽に立ち寄ってほしい。昔のようにいたずらっ子を見つけて叱ったりしたいものです。

(取材/植地宏美)

横濱水天宮 横浜市南区南太田2-7-29

 

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