三女の参観日(水泳記録会)の時間を、一時間勘違いしていた。
有休まで取っていたのに、学校へ着いた時には、もう終わっていた。
胸の中が、すうっと冷たくなった。
プールの入り口で立ち尽くす私。蝉の声だけがやたら耳についた。
小学校最後の水泳記録会やったのに……。
泣きそうだった。
そこへ、片付けをしていた三女と目が合った。
「ごめ……。」
と口を開きかけた瞬間、三女はぷいっと顔をそらし、足早にプールへ戻っていった。
その顔が頭から離れず、私は帰り道にアイスクリームをたくさん買った。
帰ってきたら、三女が泣き出す前に渡そう。
謝って、謝って、抱きしめよう。
そんなことばかり考えていた。
ところが、三女は笑いながら帰ってきた。
さっきのがっかりした顔はどこにもなかった。
そして、いつもより少し大きな声で言った。
「今日、ちょっと失敗したけん、よかった。」
「また今度、ママにだけ見せるけん。」
私は、すぐには何も言えなかった。泣きそうだった私に、なんて声かけようか考えていたのかな。さっきまで、自分だってあんなにがっかりしていたのに。そう思うと
胸がぎゅっと締め付けられた。
しばらく変な間があって、私はおどけるようにやっと言った。
「……じゃあ、今から市民プール行こうか?」
すると三女は少し困ったように笑った。
「ええ? 今から? 今日はもう疲れたよー。」
クスクスと二人で笑い合って、またすぐに変な間ができた。
「……ごめんね。今日は時間、間違えて……ごめんね。」
「いいよ。」
優しい三女の声に、胸がじんわり温かくなって、もうそれ以上、本当に何も言えなくなった。
ありがとね、三女。
※アイキャッチは5年前の水泳記録会です。この集大成を、小学校最後の記録会で見る予定でした。三女の心の成長は見られた。
……うん。でも、やっぱり頑張ってる姿も見たかったーーー!!😭


































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