お母さん大学は、“孤育て”をなくし、お母さんの笑顔をつなげています

これ、わたしの!

 

今日、初めて上も下も自分で作った服を着て出かけた。

ウエストのゴムの強さも、自分で決めた。

着ていて気持ちがいい。

まるで、自分専用のパッケージに入っているようだった。

そんなことを考えながら歩いていたら、不意に胸がギュッと締め付けられた。

「これ、わたしの。」

自分の持ち物に、そう胸を張る自分に少し驚いたからだ。

考えてみると、私は子どもの頃から、あまりそう思ってこなかった気がする。

姉だったからだろうか。

妹と分け合うか、面倒くさくなって譲るか、

気づけば、そんなことばかりしてきた。

母になってからは、なおさらだった。

子どもの送迎をし、家族の予定や機嫌を優先し、自分の時間は最後に残った分を使えばいいと思っていた。

それが愛情だと思っていたし、今でもまだそう思う自分もいる。

でも、分からなくなってきた。

娘が高校生になった。うちの娘はだいぶ個性的と思っていたけど、街中に娘と同じ格好の子が溢れている。みんな個性的なつもりなのに、どこか似ているのだ。違うのはバッグについたチャームくらい。

ところが、そのチャームさえ、よく見ると何となく分類できる。

その時、ふと気づいた。

私もずっと同じ生き方をしてきたのではないか、と。

みんなが良いと言うもの。

みんなが選ぶもの。

みんなが憧れるもの。

その中で少しだけ違う自分を探していただけだったのかもしれない。

本当に私が欲しいものは何だろう。

胸を張って選んでいるもの。

大事にできるもの、「これ、わたしの」と、

譲れないもの。

それは何だろう。

その答えを探している途中で、私は何度か自分の生き方を手に入れた気になっていた。

子どもを預けて美容院へ行った日。

友達とランチに出かけた日。

久しぶりにエステへ行った日。

そのたびに、

「自由だ。これがしたかったことだ!私の時間だ!」

と思った。

そして、それは間違いなく自由だった。

当時の私は本当に嬉しかったのだ。

でも今思う。

自由には、いろんな形があるらしい。

私は、ここにきて、また別の自由を見つけてしまった。

それが、自分で作った服だった。

今日、鏡の前に立ちながら思った。

本当は、私がパッケージに合わせるのではなく、

私に合わせて作ればよかったのだ。

今日着ている服のように。

そして心の中でつぶやいた。

「これ、わたしの。」

たったそれだけの言葉なのに、泣きそうになった。

ようやく手に入れた感覚だった。

自由とはもっと大きなものだと思っていた。

旅行とか。

一人の時間とか。

好きな場所へ行くこととか。

でも、どうやら違ったらしい。

私が手に入れた自由は、

ウエストのゴムの強さだった。

我ながら、ずいぶん地味である。

でも、そのゴムは誰にも遠慮していない。

少しゆるめで、

少し心地よくて、

ちゃんと私のために決めた強さだ。

私がずっと探していたのは、

自由そのものではなかったのかもしれない。

自分が大事にしたいものを、

自分で選び、

自分で大事にする。

そんな当たり前のことが、

私には少し難しかった。

まずは、この服。

そう考えていたら、子どもたちの顔が浮かんだ。

不思議なもので、

あんなに大事なのに、

「これ、わたしの。」

とは思わなかった。

帰りたくなったら帰っておいで。

気づけば、そう思っていた。

それで十分な気がした。

胸を張って

「これ、わたしの。」

と言えるものを、

これから少しずつ増やしていきたい。

 

余談だが、この服で会社に着いたら、

同僚に開口一番

「今日の靴下可愛いですね」

と言われた。

ちなみに靴下だけ既製品である。

 

4件のコメント

レンさん

これ、じぶんの。
自分で作ればいいんだ!
しかしながら、生地を買ったり、型紙おこしたり。とにかく時間がかかる。レンさん尊敬!

長男出産のため、里帰りしていたときは、たっぷり時間があったので、子どものための洋服を沢山つくりました。生まれてくる子のことを考えてミシンを踏む時間は、なんて幸せ時間だったのだろうなと思います。

自分のための時間も大切ですね。

これ、わたしの。がまた見つかったら、投稿お願いします。

読んでくださりありがとうございます

わー!生まれてくるお子さんのことを思いながら、一針一針縫っていた時間を想像したら、こちらまで温かい気持ちになりました。

「これ、わたしの!プロジェクト」次は、自分の部屋作りです。今まで、一瞬できたんですけど、すぐに荷物に占領され、またたくまに家族たちに占領されたので笑 今度こそ、私の空間を作ろうと思っています。しかし場所が限られてるので、ウォークインクローゼットに作ります。私の服に囲まれて私の場所を作るぞー!えいえいおー!

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中村泰子
三姉妹のお母さん&サラリーマンしています。パパはモッツアレラチーズ職人で福岡県朝倉市秋月で『ピッツアなかむら』をしています。 好きなものは、ピアノ/野鳥/深海魚/アニメ/日本酒。