お母さん大学は、“孤育て”をなくし、お母さんの笑顔をつなげています

台所から世界へ〜お勝手国民栄誉賞をこの方にも

先月号のお勝手国民栄誉賞に

夫の友人、通称“ベルちゃん”を選ばせていただいた。

常に人を楽しませてあげようとする

心からの良い人。

 

ご本人に報告すると、

「で、賞品のハワイ旅行券はいつもらえるんですか?」

と、痛い所を突かれた(笑)

 

さて、私にはもうお一方、お勝手国民栄誉賞を差し上げたい方がいる。

(ベルちゃんに、俺はおまけか!と怒られそう)

 

その方は、緒方貞子さん。

 

日本人で初めて、

国連難民高等弁務官を務めた。

 

ガールスカウト活動で毎年難民の子どもたちに生活物資を送っていた頃、

ちょうどUNHCRのトップであった緒方さん。

幼いながらに、その姿に輝きを感じていた。

 

当時41歳で任命された緒方さんは、

国連総会での自己紹介で、こう語った。

 

 

「台所から参りました。」

 

 

そう、緒方さんは主婦だったのだ。

大学教授などの経歴をお持ちだが、

緒方さんも、1人のお母さんだった。

そして、

台所から国連へと羽ばたいたのだ。

 

祖国を追われた悲しい出来事を抱えて

知らない地へと逃れる人々。

緒方さんは、

防弾チョッキとヘルメットを備え、

とにかく現場へ出向き、

危険な場所であっても毅然と対応した。

緒方さんが訪れた地には、今も

「オガタサダコ」という名前の女の子が多く居るという。

 

 

そこに注がれた緒方さんの眼差しには

きっと“母力”が宿っていたはずだと思っている。

 

 

「最後は理論ではない。一瞬の勘です。」

 

という緒方さんの言葉がとても好きだ。

力強く、どこか母力をも感じる言葉。

私も、日々一瞬の勘を頼りに家庭のことを決断しているから、

なんだかこちらも勝手に励まされる。

 

混沌とした今日に

緒方さんならどんなリーダーシップを発揮するのだろう。

 

台所から国連へ羽ばたいた緒方さんにも、

「お母さんをしてるから何も出来ない」

ではなくて

「お母さんだからこそ叶える力がある」と

教わっている気がしている。

 

 

 

1人の同じお母さんが、

未来を守ろうとした姿とその心意気を

今一度学びたいと思っている9月。