お母さん大学は、“孤育て”をなくし、お母さんの笑顔をつなげています

ゴスペルで成長した息子の心

お母さんになって十数年。
一日に100回以上呼ばれていた「お母さん」というフレーズも、今では10 回呼ばれるかどうか。
赤ちゃんの頃はおっぱいを2人前飲み、オムツはすぐにBIGサイズ、横綱と呼ばれていた。

体は大きかったが肌が弱く、かきむしっては血まみれになるため、毎晩手を握りしめて寝た。
今でも夜中に肌をかく音がすると、目が覚めてしまう私。

好き嫌いなくよく食べる息子の成長を感じるたび、涙が溢れてしまうのは、うれしくて仕方ないからだ。

幼い頃から「なりたいものが選べるよう、頭も体も、心も鍛えよう」と伝えてきた。
真面目な彼は一生懸命、それに応えようとがんばっている。

心を育ててくれたのは、幼稚園の頃から親子で通っているゴスペルだ。
一緒にソプラノを歌っていたが、声変わりを機にテナーへパート変更した。

ともに成長を見守ってくれる仲間たちが、居場所をつくってくれるおかげで、自尊心が育っている。
ボランティア活動を通して、たくさんの方の心にふれる機会も多い。
国語の試験では、情緒を読み取る力に長けていると評価され、心が育っている証拠だとうれしくなった。

車中では2人で熱唱。
息子と歌うことがわが家の親子タイム。
「どうしてそんなに歌詞が覚えられないの?」といじられながら、音のかけ合いを楽しんでいる。

巣立ちの心構えをしなくてはと思いつつも、もうしばらくは「お母さんが一番」でいてほしいな。

(中野紀子)

(お母さん業界新聞ちっご版Vol.60 2020年2月号 1面 おっかしゃんリレー)