お母さん大学は、“孤育て”をなくし、お母さんの笑顔をつなげています

芸人というより、99%専業主婦 子どもとの大切な時間を逃してたまるか!

 

あくまでも、専業主婦

TikTokInstagram で動画配信。「#50音子育てあるある」見てネ!

出産前から「R-1グランプリ」に毎年出ています。妊娠中も出ました。母になってからは四六時中育児、ネタづくりも練習するヒマもなくなりました。一年にたった一度数分の舞台。

一日息子を預け大会に出たところで、毎日必死にブラッシュアップしている人たち相手に勝算はない。ならばこの不自由な身を武器にしてやろう。息子を抱っこし「竹田こもちこんぶ」という名で舞台に上がりました。

私は専業主婦です。「ママ、見て見て」にとことんつきあっています。子育ての合間に動画配信。日常の発信は子どもがいてもやりますが、お笑いネタは中断されたくないので、子どもたちが寝ている間に撮影。幸い男子たちは衝撃的なネタの宝庫。ネタ帳への書き込みは欠かせません。

長男を抱っこして挑んだR-1グランプリ2015

ネタ帳に書き留めるのが習慣になっています

人を笑わせることが好き

もともと舞台役者を目指していて、当時からコメディーをやっていました。人を笑わせることが好きなんです。お笑いって、その究極の世界だと思ったんです。

たとえば舞台はストーリーの中にお笑いの要素もあり、構成の一部。でもお笑いはそうじゃない。受けたか受けないかで判断される世界。受ければ成功。リスクを伴う世界が爽快だなと思いました。

普段の生活の中でマイナスな出来事をプラスに変えられるところも、無駄がないなと思います。生きる上でのキーポイント。苦しいことや立ち直れないようなことも、笑いに転じる技術が自分に欲しかったのかもしれません。

不毛な日もあるけれど

子育ては「はじめて」の連続で、こんなに自分を育ててくれるものはないと思います。自身の性質も変える出来事が出産と育児。

一銭にもならない不毛な日もあるけれど、とんでもなく価値のある時間で、何よりも優先させなければならない時期。逃してたまるか、この時期を!

でもこの気持ちは、自分に余裕がなかった長男のときにはわかりませんでした。専業主婦で子どもと一緒に過ごす中で芽生えた感情です。

今は、めちゃくちゃ貴重な時間を共有しているのだなと実感しているところです。

子どもたちは人生の先生

子育ての醍醐味は、もう一度人生をやり直すというか、振り返って考えるきっかけになることです。ずっと自分が普通だと思ってきたことが、子どもの一言で覆されます。

先日のマラソン大会の日も、息子は左右チグハグで靴を履いていこうとします。彼の中ではこの組み合わせが最高!と判断しているのです。「大丈夫か?」と思いますが、私が決めることではありません。もうちょっとしたらこんなこともしなくなるだろうと思いながら、いってらっしゃいと笑顔で送り出します。

子どもを注意したり、正しく導いたりするときに、「本当にこれは正しいのか? いや私が間違っているのでは?」と突き合わせる機会にもなっています。生きるヒントもいっぱいくれるし、子どもたちは“人生の先生”です。

落書き一つとっても。夢中になって描いている姿を見ると、目がキラキラしているんです。但しこちらに余裕がないと、それには気づけません。

工作が大好きで、何でも作っちゃう。描いたり切ったり貼ったり…部屋は作品で溢れています

子育てはエンターテインメント

夫は常識を持ち合わせた、私とは真逆なきちんとした人(笑)です。共通項はお笑いが大好きということ。なのでエンターテインメントとして子育てを一緒に楽しめているのかもしれません。子どもたちは案外普通です。それでもこんなに面白いのだから不思議ですね。

いろいろな情報が溢れる中で、こうあるべきでは?と、迷うこともたくさんありました。でも今は、考え方がシンプルになりました。

子どもが笑っているかどうか。健康かどうか。お母さんは健康な心と体をつくってあげるだけ。それ以外は、本人が自発的にやればいいことかなって思います。本当に、元気でいてくれたらそれでいいですもん。

共感できる仲間とつながろう

どんどん横につながっていこう!と伝えたいです。子育てが楽しめなかった頃、地域の支援センターのようなところで出会ったママたちとLINEを交換しました。

ある日曜日の朝、一人のお母さんから「忙しいのに旦那がソファーでケータイいじってる! ハラタツ!」と書き込みが。すると一気に、お母さんたちの共感の嵐が巻き起こりました(笑)。

共感って、どれだけ子育てを楽にするのだろうと気づいた瞬間です。

面倒なこともあるかもしれないけど、恐れずにどんどんつながってほしい。共感はがんばる力にも癒しにもなり、子育ての明暗を分けるはずです。子どもの成長や喜びは身内で共有したらいい。グチや悩みなど負の部分は、同じ思いをしているママたちで共有し、笑いに変換して元気にいきましょう!

—————-取材を終えて—————-

「よく取材を受けますが、お母さん記者さんにインタビューされたのははじめてです。めちゃくちゃ共鳴し合えてうれしかった~」と竹田さん。鋭いネタとは相反して、笑顔のかわいいお母さんだ。

人生は泣き笑い。日常に転がっている些細な「子育てあるある」は共感を生み、現役ママたちの励みになると同時に、卒母組たちの懐かしい記憶を呼び覚まし、笑顔にしているのだ。

ネガティブなネタを通して伝えているのは、子育ては最高だよ!っていうこと。竹田さんは、子育てのしんどいことも、子どもが愛おしくて子育てが楽しいことも…母に沸き起こるすべての感情を表現しているのだと理解してネタを見たら、なぜか笑いと同時に涙が…。

やっぱり、お母さんって最高だ!

(植地宏美)