お母さん大学は、“孤育て”をなくし、お母さんの笑顔をつなげています

母ドラで、目指せ!エグゼクティブ母ちゃん ~もしお母さんがドラッカーを学んだら~

1年半をかけて、8人のお母さんがマネジメントの父・ドラッカーの『経営者の条件』を勉強した。9月16日(土)には、これまでの振り返りと成果発表をするオンライン報告会が開かれ、30人のお母さんが耳を傾けた。  お母さん大学福岡 (ちっご)支局・池田彩

 「母ドラ」とは、お母さんがドラッカーを学ぶ場だ。はじまりは「もしドラをお母さんバージョンでやってみないか」の一言。百万母力パートナーズとして「お母さん業界新聞」を応援してくれている、おなか元氣ぐるーぷ代表・白仁田裕二さんからの呼びかけだった。

2009年に発売されベストセラーになった、もしドラ(『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』)のように、もしお母さんがドラッカーの『経営者の条件』を読んだらどうなるか…。仕事や家庭、子育てや人生に、何か変化をもたらすかもしれない…。

 こうして始まった実証実験的勉強会「母ドラ」に参加したお母さんは、8人。育休中の人もいれば、子どもを何人も育てながら仕事もこなす人もいた。日常のルーティンをなんとかこなし、時間をぬってお母さんたちがパソコンの前に座ると、「母ドラ」のスタートだ。

予定は未定のお母さん業の日々を想像した白仁田さんは、毎月、宿題を用意。「ココまで読んでくるように」と、テーマを与えるとともに動画を準備し、視聴を促した。

 母ドラ当日は、自分が大事だと思う部分を、理由も添えて発表。それに対して
白仁田さんに解説してもらったり、みんなからコメントをもらったりしながら、学びを進めていった。

 それぞれの置かれた立場や環境が違うため、当然、価値観も異なる。だからこそドラッカーを通じてさまざまな考えを知り、学びを深めていくことができた。1年半を経て、変化や得たものはあったのか…。母たちに、その答えを聞いてみた。

何をもって憶えられたいか
組織と家庭は一緒、ドラッカーを身近に感じることができた。これまでも夢を考える機会はあったけれど、「自分は何をもって憶えられたいか」という言葉にハッとさせられ、それから、見える景色が変化していることを実感中だ。         (福田重満子)

 

果たすべき貢献に焦点を当てる
「果たすべき貢献に焦点を当てる」ことで、仕事のやりがいを見い出せるようになった。仕事の時間は長い。自分が社会に役立っていると感じながら仕事をしていきたいし、息子には、いきいきと仕事をしている母の背中を見て、成長していってほしい。 (髙田沙織)

 

対話と討論の違い
夫と討論をしていたことに気づかされ、対話を意識することで、以前よりぶつかることが減ったように思う。生活の中のちょっとした場面で、ドラッカーで学んだことを生かすことができているのかなと思っている。
(福元慶子)

 

外の世界に対する貢献に焦点を合わせる
仕事柄、どうしても意識が内に向きがちだったが、ドラッカーに出会い、自分たちの本当の貢献って何だろうと考えられるようになった。仕事や子育ての問題に直面しても、すぐに落ち込むことがなくなったと思う。
(西山妙佳)

 

母として社会人として女性として
将来、娘のお産のお手伝いをすることが私の夢。この先も家族とずっと健康でいたい。ここで学んだ「おかげさまです思考」(①全体を生かし部分を生かす、②無知の知を知る、③問題は価値を生む源泉である)が私の指針となった。大切なのは、諦めず、自分に問い続けること。志を持って進んでいきたい。(田端真紀)

 

お母さんは社会、家庭の経営者
ドラッカーの教えは、子どもに伝えたいと思う要素がたくさんあった。日常の中で、これは〇、これは×と決めつけていることが多いが、未完成な部分やダメな自分のままでもいいと思えるように。子どものできないことに目を向けるのではなく、強みを生かそうと思えるようになった。     (中野美鈴)

 

対話の大切さと学び続けることの大切さ
今まで本音で対話をすることが少なく、相手を理解したつもりになっていたのではないか? 学び続けて、「エグゼクティブ母ちゃんになりたい」「全体を見ることができる自分になりたい」「内なる成長、外なる成長をしたい」と思えている。大切なことを教えてくれたドラッカー。1年半で得たものは大きい。(安藤裕子)

 

悩んでいることとリンクする不思議
初めは、この分厚くて難しそうな本を、私に読むことができるのか…と迷いもあった。でも、その時々自分が悩んでいることとリンクする不思議!「意味がわからない」と言うと、白仁田さんが真剣に解きほぐしてくれ、少しずつ見方を変えることができるようになった。            (内山忍)

 

 お母さんが奇跡を起こした
1年半だった。一人ひとり抱えている困難を価値にしていくドラマがたくさんあり、お母さんはスゴイ!と、改めて感じた。
「仕事」「学問」「家庭」、この3つが人間を成長させる大切な場所。しかしこれまではこの3つがバラバラだった。21世紀はこの3つが統合され、お互いを生かし合うことが大事だと、ドラッカーも話している。
家庭、社会の経営者であるお母さんたちと、これからも学びを深めながら明日をつくっていきたい。(講師 白仁田裕二)

 

10月スタート 母ドラ2期生募集!
~もしお母さんがドラッカーを学んだら~

みんなでドラッカーのマネジメントを学び、エグゼクティブ母ちゃんを目指そう!10月から1年半をかけ、チームで学び続けます。

◆日程
昼の部/第2水曜日 13:00~14:30
夜の部/第3火曜日 20:00~21:30
◆募集要項
・昼夜とも限定5名
・欠席時は、昼夜振替え可
・お母さん大学生に限る(新入学も可)
・参加費無料
・『経営者の条件』を各自購入
◆お申込み
①名前、②〒住所、③アドレス、④ケータイ番号を書いて、母ドラ事務局
(okaasankyusyu@gmail.com)へ送信

●これまでの母ドラの様子
https://note.com/adachimai/m/mb3973661b47b

 

経営思想家として大きな足跡を残したピーター・F・ドラッカーは、組織の中で大小にかかわらず、何らかの意思決定をしている人をエグゼクティブと定義しており、彼らの仕事はまさに「成果をあげることである」としている。ドラッカー著作の中でも広く長く読み継がれてきた、自己啓発のバイブル『経営者の条件』(ダイヤモンド社)は、自ら成長したい人、周囲とともに目標を達成したい人、すべての人に役立つ。「成果をあげるための考え方」「自らの強みを活かす方法」「時間管理」…世の中の“できる人”が行なっているセルフ・マネジメントの大原則を「8つの習慣」として紹介した一冊だ。