お母さん大学は、“孤育て”をなくし、お母さんの笑顔をつなげています

東大とお母さん大学が、おんなじだ、と思った日

7月号に掲載の池田彩さんによるMJレポート記事、「東大駒場リサーチキャンパス公開」で開催されたLEARNセミナー「社会と共に子どもを育てるLEARNプログラム ~企業は子どもの教育にどのように貢献できるか~」の取材に、私も同行した。

この日は生憎の雨で、でも、高校生から社会人までたくさんの人がキャンパスを訪れていた。

まだ紫陽花の咲く頃。

池田さん、安達さんと合流し、お目当てのセミナーまでの時間は自由に楽しむことに。

…とはいえ、東大の先端科学技術の中で興味のあることがあるか、と言われると苦笑い。
安達さんと一緒にとりあえず近くから回ってみることに。

表面・界面を利用した加工と計測の研究所にあったのは「魚洗(ぎょせん)」。
取手のようなものを擦ると、中に張られた水の表面が波立ち、不思議な音が鳴る。
2000年以上前に健康器具として使われていたとのこと。

そのほかにも、音圧を感じることのできる密室で、聞こえないけど不快な騒音を感じたり、
世の中の課題や問題に対しての研究がさまざま行われていることを見た。
風速体験もしたが、それは動画にしたので、よかったら見てほしい。

次に、「学校教育で推進されている STEAM教育における A(Art)の意義と可能性を体験するコンサート(弦楽四重奏)」が開かれるというので、会場に向かった。
すると、幸いにも東京大学先端科学技術研究センター所長の杉山正和さんの挨拶を聞くことができた。

以下、杉山さんの話より。


一流の演奏者の演奏をこれからお聞きいただくわけですが…。

音楽家が何を研究しているかというと、楽器を弾く前にチューニング、音合わせをしますね。

それは、音楽家たちが機械などを使わずに、「耳を合わせる」という言い方もしますが、感覚を研ぎ澄ませて良い音楽を奏でるために心一つにする。

これを科学でどのようなメカニズムなのかを証明できないか研究している。アートの世界を科学することで新しい技術に繋がる可能性があるということです。

先端技術とは、何をしているのかわからないから先端技術です。
そして、その最先端の科学技術とやらを、全く違う業種の人たちが集まって一緒にプロジェクトを行う。それはそもそもバラバラなものたちだし、さまざまな人の話を聞かなければならない。抜きん出た知識や唯一無二の技術があっても、それだけではうまくいきません。

私は、先端技術に一番大切なものとは、「心」そして「感じる力」だと思っています。

さらに、ここでは、皆さんのような学生さんや、研究者ではない方とも一緒に考えることが必要だと思っています。

自分が持っている強い力、ほかの人が持っているすごい能力、それを未来を明るくすることにつなげることこそ先端技術なのです。

研究所の目指すところは、心が豊かになるキャンパスをつくること。何を、どう、想像できるか。

その一つが、「音楽」。

音楽を感じようと思って心の扉を開くこと。私はいつも音楽を聴くときはそうしています。何かがココロに入って来るのを待っています。

心でのコミュニケーションこそが、体験をより活発にするのです。


私は耳を疑った。
最先端の技術を研究している場所での音楽が聴けることもそうだが、
先端技術に必要なものが、豊かな心だということ。
心でのコミュニケーションだということ。

勉強のできる人が来る学校。何かの知識や経験に長けた人が来る場所。
そう思っていたが、そうではなかった。
普通に暮らしている人たちの思いや生活ともつながって、一緒に意見を交わすことが、最先端技術の開発には必要だと。

とても感動したし、見えないもの、何かわからないもの、それがとても大切だということに改めて気づいた。もちろん、奏でられた音楽は一流の音楽家による素晴らしいものだったことは言うまでもない。

さて、この日のメインイベント。
LEARNプログラム。
内容は、池田さんの記事にもあるのでそちらも読んでもらいたいが、
とにかく、開始前に流れたスライドで涙がこぼれるくらいだった。
今の子どもたちに伝えたい、経験させてあげたい、そんなプログラム。
また、今の学校制度の中では到底たどり着けないような未来があること、子どもたちの可能性を大人が守らなければならないこと、など、とにかく心に残る時間だった。


プログラムの報告を動画で見ることができる。
https://learn-project.com/report/

会場を出る中村先生に駆け寄り、新聞を渡す池田さん。
とっさのことで写真を撮り損ねる植地(ポンコツカメラマンすぎる…)。
そして、会場を出て、口から出た言葉は

「お母さん大学と一緒だね」。

池田さんと同じことを考えていた。安達さんもうんうんと頷いていた。
子育てってなんだろう、働くってなんだろう、
お母さんってなんだろう、
本当に大切なことは、子どもたちが心から笑える出来事にたくさん出会えることだ。

私たちは、やっぱり、お母さんでよかったと、心から思えるお母さんを増やすことが大事だと、思えた1日だった。

それに、いつも取材は1人で行くことが多いが、
お母さん大学生と一緒に取材に行けたことが、とても楽しかった。
こんな機会を、みなさんも、体験できたらいいのにと思う。


SNS投稿のための、こんなアイテムも用意されていた。


取材は私たちだけということで、セミナーは定員に達していたが、ゆったり席を確保してもらった。

 

新聞掲載の池田さんによるMJレポート
手をつないで ムーブメントをおこそう!~東大先端研、個別最適な学び寄付研究部門より

 

安達さんと体当たり体験をした動画はこちらの中に↓

 

 

3件のコメント

LEARNプログラムご紹介ありがとうございます。
報告の動画少しですが見ました!
素敵ですね。いつか子どもを参加させたり、保護者向けプログラムに参加して、レポートしたいです☺️

お母さん大学生と取材に行けて
良かったと、植地さんは言ってましたが、

そうそう、それが大事なのです!
この年になって知りました

これからも仲間と取材を続けてください!

そのお相手が池田さんですか!
九州から、はるばるびっくり!
相変わらずのフットワークの軽さ!
カッコいい!

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ABOUT US
植地宏美
お母さん大学横浜支局。 お母さん業界新聞横浜版編集長(2019.10〜2021.12)。 長女21歳、長男17歳、次男15歳。 お母さん大学をものすごく、楽しんでいます。 結果、 お母さんをものすごく、楽しんでいます。