あの日のおなかとはなす会②

「病室に行く度に、妻が痛そうに辛そうにしている姿を見て、男なんて無力だなと思ったんですよね。」

医師から緊急帝王切開の提案があり
私はペンを持てる状態でなかったため
夫が私の分も同意書にサインをしました。

子どもの頃から、様々な疾病で何度も手術を受けてきた夫。

手術には慣れているものでした。

怖がる私に
「大丈夫だよ、医者はプロなんだ。」
と言ったけれど、本当は…。

この2人の命が
自分のサインによって左右されたことに
身震いがしていたのだと話してくれました。

手術室から出てきたわが子が健やかで
ホッとしたのと同時に、
管につながれて意識は朦朧と出てきた妻を見て
自分の責任を感じたのだそうです。

夫を責める気持ちがあったことは全くありません。
帝王切開になったのは、
私の体が分娩に進んでいかなかったからと思っていました。

そんな風に私の身に起きたことを
感じていてくれたと聞いて
改めてお産は自分だけでなく夫婦、家族のものだと思いました。

そして、夫は
「こんな大仕事をしてもらったのに、今まで“お疲れさま”としか言っていなかった。“ありがとう”と言わせてほしい。」
と、話を終えました。

主催者なのに、涙が止まらなかった、これまたサザエさんな私でした。

 

娘が生まれた日は、
夫にも、命をつないでもらった日です。

お父さんはお産をしないけど、
お父さんは、命をつなぐ人。

 

帝王切開を経験する人が、
人のぬくもりと心に触れて
傷を癒せるように。

これからもこの会を、続けていこうと思っています。

9 件のコメント

  • あー、身に染みます。
    素敵な会だったのですね。
    そして、素敵な夫婦関係です。
    私は3人とも自然分娩でしたが、何がきっかけで緊急帝王切開になるかわからないですもんね。
    等しく、妊娠とセットで知識を付けることができていたら、いざというときの心構えにもなりますね。

    • 素敵だった雰囲気が伝わって良かったです(^^)
      この会の中で、「自然分娩できる人に憧れがあった」というお話もありました。
      それぞれのお産に、それぞれの想いがありますね。
      本当に。どちらも知識を持っていられたらと願っています。

  • レポありがとうございます。
    読めてよかった。
    ご主人の気持ち、聞けてよかったですね。
    2人分の命がこの一筆にかかっている・・・その重さたるやすごかったと思います。
    私は2人とも経膣分娩ですが、
    上の子の時、破水して入院してまもなく促進剤入れられたので、
    想像していたお産の進み方ではないまま、ただただ痛みに耐え産んだ感じでした。
    あれ、陣痛ってこんなに苦しいの?って。
    産んだあとの喜びなんてまったくない。
    周りの友人たちが「お産のしんどさはすぐ忘れる。すぐにまた赤ちゃん欲しくなって2人目作った」と話しているのを聞く度に、
    全くそう思えない自分は変なんだ、とずっと思っていました。
    もちろん、子どもたちは本当に可愛いし大切だけど、
    やはり「出産の経験」って、何かしらその後に影響するのかもなあ。
    (長くなるからもう一つコメント書きます)

    • シェアできて良かったです(^^)
      しんどさは人それぞれですね。私も、安産である人と私の体は一体何が違うんだと自信をなくしました。
      その後の影響も人それぞれかもしれないけど、私もすごく影響ありました。

  • もう1つコメント。
    先日Facebookに出産の件について書いた時、
    スリランカの男性と結婚した友人がコメントをくれました。
    彼女はスリランカで生活していたこともあるのですが、
    スリランカでは、妊婦の半数が帝王切開希望、もう半分は促進剤希望、なんだそうです。
    要するに、陣痛が来るのを待つのではなくて、
    はじめから「この日に産む」と病院に伝えて、その日に入院して、帝王切開するか促進剤打つかして、産むんだそうです。
    「いつ来るかわからない陣痛待つなんてありえない。ひとりで
    頑張るのは怖い」とのこと。
    だから、同じ日に出産予約してた妊婦さんたちと一緒に入院して、
    「今日産むんだね」と仲間意識みたいなのが出るそうです。
    彼女は、
    「陣痛待ってるやり方だと、予定も組めないし、例えば頼れる親族や友人がいない場合ほんとに困る。
    今の日本は特にそういう人増えてるんだし、出産日を自分で決められる選択肢もあっていいんじゃないか」
    と書いてました。
    そもそもの、出産に対する考え方が、スリランカと日本ではぜんぜん違うことにびっくりしたし、
    それを読んで、もしかしたら日本は、出産に対して重く考えすぎなのかも?なんて少し思いました。
    (もちろん命は本当に重いし、出産も尊いものではあるけれど)

    • けど、じゃあスリランカでは、妊娠出産を軽く見られてるのかと言われれば、まったくそうではなく、
      「妊婦(お母さん)は誰よりも大切にされる存在」なんだそうです。
      妊婦さんは、どこにいても親切にされるし優遇される。
      それが至極当たり前に根付いてるんだそうです。
      そしてまた、そうされることで、妊婦さん自身も、母親としての責任感や覚悟を自然と身につけていくんだとか。
      これまた日本と真逆ですよね。
      だから彼女は、日本での妊婦やお母さんの肩身の狭さにこれまた驚いたらしいし、
      子育てがしんどい、めんどくさい、という日本の母親の風潮にもびっくりするらしいです。

      • スリランカの出産事情にびっくり!
        お国が違えば…ということはあるけど、頼れる人がいないと困るからというのは同じですね。
        お産を耐えてこそ嫁。とか、女。みたいな末恐ろしい風潮がまだまだあるし、それは健康な体づくりの意識にはつながるけど、妊婦さんとして大切にしてもらっての自覚が生まれるって、そこが本質な気がします。
        本当に肩身が狭い。
        そして、気持ちが置いてきぼりになりがちな気がしています。

  • 素敵な会だったことが本当に伝わってきました。

    実はわたしも1人目は緊急帝王切開でした。
    痛みの中で骨盤のレントゲンを撮って判断したいと言われて、動けずにいたわたしに喝を入れに来た母を鬼だと思ったし(笑)、この状況でレントゲンを撮ることを提案したり、中身は読まなくていいからサインしてと痛みの合間に同意書にサインさせた病院にもキレかかっていたことを思い出したけれど、実はずっと心の内にあるのは夫がどう思っていたのかどうか?です。その話題は避けられているからです。手術に立ち会ったときのびっくりを笑いで話されることはあります。
    それと同時に緊急帝王切開になることもあるなどのお産に関する情報をもっと知りたかったと思いました。経膣分娩で進むことを前提にプログラムを組んでいるのも妊娠中にあまり不安要素などの刺激を与えないようにという配慮があるのかもしれないですけれど、心づもりがないまま予想外のことが進んでいくことの不安の方が経験した今では大きいと感じました。

    わたしは、そのあと下の子3人は経膣分娩で産んでいるので、「帝王切開の会」っていうのには参加しにくいんですね。でも、振り返って整理をしたかったなぁというのはあるし、夫にも聞きたいなと思うことは今でもありますし、末っ子の時はさすがに命がけだった&覚悟していたことは夫には言えないままです。

    それって、わたしがお産とも夫とも1番向き合っていないのかなと、吉村さんの記事を見て思いました。

    • まつりさん、コメントありがとうございます(^^)
      読ませていただいて、胸の内がじんじんしました。
      私も情報がもっと手元にあればとすごく思っていました。
      でも初めてのお産で何を知ればよいのか分からなかった。
      この会にも、どちらのお産も経験したお母さんもいます。
      家族にだから話したいのに、話せない。
      そんな想いもこの会は受け止められたらいいなと私は思います。
      でも、ここに書いてくださったことで、まつりさんも
      あの日のまつりさんとおはなしできたのかもしれません。
      いつかまつりさんとも、ゆっくり語り合いたいなぁ。

  • コメントを残す

    ABOUTこの記事をかいた人

    吉村優

    ◇MJプロ ◇神奈川県横須賀市在住 ◇横須賀支部「みよむら」の“むら”の方 ◇1人娘(16.11生) ◇夫は10歳年上 ◇元 放課後児童支援員・現在は小学校で特別支援学級のサポート職 ◇『お母さんのことはお母さんに聞こう』が私にとってのお母さん大学のキャッチフレーズ