お母さん大学は、“孤育て”をなくし、お母さんの笑顔をつなげています

海を越えて繋がったパトリチアさん〜思いを込めた支援活動は続く〜

15年前、アラブ首長国連邦のアブダビ。新婚生活を送ったその場所で、パトリチア・クドウさんと出会った。当時3歳と1歳の男の子のお母さん。彼女はどの国の人も分け隔てなく接してくれた。いつも愛情深さと芯の強さと賢さがあり、オシャレのセンスが抜群な人。彼女がいたからこそ、私はアブダビ生活を穏やかにスタートできた。

あれから時は経ち、今年の2月24日。ウクライナ侵攻が始まった。衝撃が走るなか、彼女のSNSでは、真っ先に支援に動いた投稿があった。私はお母さん大学で発信を始めたばかりの頃。勇気を出して連絡を取り、やり取りを始めてからはや9ヶ月。気づいたら、今年1年で海を越えて繋がり、多くの気づきをもらってきた。

ルーマニアの北西部クルージュで現在、3000人近くのウクライナ難民支援をしているパトリチアさん。支援活動を始めた当初からの彼女の言葉や記事をいま、改めて紹介したい。

                 

「自分の心と暮らしを大切に。物資があっても、運べる体と心がなければ届けられないもの」

https://www.okaasan.net/hahagokoro/82531/

「エヴァちゃんが笑顔になってきたよ!」https://www.okaasan.net/hahagokoro/83366/

「いまできることを一つずつ」https://www.okaasan.net/hahagokoro/84935/

優しさのあるおうち〜ドブラ ハタ〜

「たった一つのお祈り。世界が平和で、自分たちの子どもを抱っこできますように」https://www.okaasan.net/hahagokoro/91056/(7月30日 お母さん大学乾杯イベント)

「避難してきたママたちは、自分の仕事や夢をいったん置いて、目の前のできることをやらなければいけなくなって。言葉の壁もあるし、長い避難生活で『もういいです』って後ろ向きになった人もいる。それでも『あなたたちはずっと私のヒーローだよ。一緒にやっていきましょう』って気持ちをサポートするのが私の役割だと思っています」(11月末)

「物をただ渡すだけじゃなく、その人たちのスピリットにつながる文化的なお祭りや心潤うことも大切にしたい。花飾りをつけたウクライナのママたち、みんな表情が明るくなリました!こういうことは、明日も頑張ろうっていうエネルギーになる」(11月末)

                 

彼女の言葉を聞くたびに、報道で流れる戦況ではわからない、人と人との支え合い、想いがひしひしと伝わり、未熟ながらも私なりに伝えられることはないか、とペンを持ってきた。アメリカで重い産後鬱になった経験のある私。母親として、国を離れざるを得ない状況で暮らすお母さんや子どもたちがまず気になる。パトリチアさんがいてくれてよかった。お母さんたちが、笑顔の奥でも、どうか少しでも心細さが和らいで暮らせていますように。「元気でね」「思っているよ」と心のなかでエールを送りたい。

「日本の皆さん、心からありがとうございます。私たちNotorious Learning Projectsは小さなNGOですが、過去5年に渡り、文化・教育分野で活動してきました。いま現在は2月からウクライナからの多くの難民を受け入れています。彼らは初めは助けを求めますが、次第に自ら力になりたい、手伝いたいと、支え合う繋がりができてきました。本当にいつも尊敬しています。ウクライナの言葉でドブラ・ハタ(やさしさのあるおうち)と呼ばれるようになった支援センターでは、言葉の壁も文化の壁もない、とても美しい場所になっています。こうやって皆さんが応援してくれることがとても力になります。私たちは人を信じ、平和を心から願っています」

彼女とのビデオ通話ではいつしか、お互い笑顔になる。そして我が子とも、もっと一緒にできることがある!と勇気までもらう。「今日はこんなおばあちゃんが来てね…」「子どもたちとクリスマスの飾り付けをしたよ!」「赤ちゃん連れのルーマニアのお父さんが、支援物資を運んでくれたの。とても心温まった」「いつも人生のレッスンをもらっています」。根底にいつも愛が溢れている。

 

侵攻から9ヵ月。厳冬のなか、懸命に生活を続けている人々。ドブラ・ハタセンターが支援する、その数約3000人。生活物資の提供、働く場のサポート、心のケア、学習支援、学童保育、医療機関へのサポートなど…内容は多岐に渡り、今日も心を込めた支援活動を続けている。クリスマス年越しと、人々が安心して暮らせるために、少しでも多くの助けが必要だ。海を越えて繋がったこの一年。どうか元気で過ごしていてほしい。尊敬と愛を込めて。

                 

日本からも「支援する人を支援する」として、WDRAC(ワドラック 一般社団法人戦災復興支援センター)では、12月9日から23日まで、ピンポイントに、パトリチアさんたちの活動に直接役立ててられる寄付金を募るクラウドファンディングを行っている。多くのサポートが届きますように。詳細はこちらをぜひご覧ください。https://wdrac.org/news/crowdfunding20221209/

*この記事はWDRACで思いを綴るアドベントカレンダーでも紹介してもらっています。

https://adventar.org/calendars/7686?fbclid=IwAR3nZLsf5984teEcUnfcSCBeBf9Bo5L5CWUWQ61c7X6dZEqHxLTsQugK9tU

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山﨑恵
肝っ玉母ちゃんに憧れる繊細母ちゃん。アメリカで子育てをスタートさせるも、第二子出産後に産後うつになる。あの頃の自分にも、いま同じ思いをしている お母さんにも言ってあげたい。「いろいろあるけど、それでも大丈夫だよ」って。数年前、夫の実家の横須賀にあるカフェでお母さん業界新聞を手にとる。 配ってくれた人がいて、ここにたどり着いたご縁に感謝! このままの「お母さんであるわたし」でペンを持ち、人と社会とつながりたい。いまは地元埼玉県川口市で子育て・自分育ての根っこを下ろし中。 最近はまっているお灸でぽかぽかするのが至福の時。子ども/小6男、小3女