お母さん大学は、“孤育て”をなくし、お母さんの笑顔をつなげています

種まく人々

ウクライナと国境を面したルーマニアの北西部・クルージュにある難民支援センター「ドブラ ハタ(やさしさのあるおうち)」(NGO団体・Notorious Learning Projects)の窓は、いつも気持ちよく磨かれている。

自身も避難してきて、センターでボランティアスタッフを務めるイリーナさんは、窓を拭きながら、

「これが私の一番のリフレッシュ方法!元気の源なんです。ここは大きな窓がたくさんあるから、思いっきり拭いて、その間は戦争のニュースを見たり考えたりしない。やることがあって、何かに集中できるって気持ちいいですから」と、ビデオ通話でこちらに手を振り語ってくれた。(3月末)

ロシアによるウクライナ侵攻から1年3ヶ月になろうとしている。突然余儀なくされた避難生活から長い時間が流れている。

「1年を迎える頃には、寒い真冬なのもあって、ストレスもピークに来ていた人も多く、眠りが浅い、背中が痛いっていう人がたくさんいました。いつも気が張っているから。そんな時は、一緒に温泉に入ったり、笑顔になることを選びます。いかに自分のストレスをコントロールできるか。家族を支えるお母さんたちは、自分を一番最後にしないことが大切ですね」と、代表のパトリチア・クドウさん。

寒い冬を乗り越えようと、衣服や食料、薬やサプリメントに加え、街のフィットネスジムの協力のもと、エクササイズも取り入れ、避難してきた人たちの心と体の健康を支えてきた。そのなかには、ずっとウクライナと繋いでオンライン学習を続けている学生も。外に出るいい機会にもなったという。

避難してきた人たちの暮らしを立てるため、センターでは、母たちの就労支援も行ってきた。ウクライナにいた時の専門職とは異なることもあるが、街のレストラン、美容室、IT関連など様々な場所で働いている。3月には10人のネイリストが誕生。


「皆さん、誇りに思います!心強くいましょう。明るい空を描き続けましょう」。

この一年以上、子どもの学習支援や母子の心のケアなど暮らし全般を支えてきたパトリチアさんのSNSには、いつも温度のあるメッセージが綴られている。明るい方へ、明るい方へと種をまき、人々を勇気づけている。

 

元気の種をまいているのは、街のとあるパン屋さん。1日に余ったパンが出ると、よくセンターに持ってきたり、時にはウクライナの人たちの住まいへ直接配達に行っているという。「今も変わらず支え続けてくれることを本当に尊敬します」


子どもたちも種まく人々。ある日、センターで母たちが日用品を受け取ったりする間、一人の女の子がおもちゃ部屋のブロックで遊んでなかなか出てこない。

「いまHope city(希望の街)を作ってるからいそがしいの」と女の子。彼女が作る街はどんなところだろう。母たちは帰り時間を焦らされながらも、楽しげに遊ぶ子どもたちから元気をもらう。

 

*****

先月、センターを支え続けたスタッフなどがウクライナに戻る決断をした。

1年以上ともに過ごしたかけがえのない仲間たち。センターの壁には、この一年、寄り添いあいながら続けてきたたくさんのプロジェクトの写真が飾られている。数々の写真が物語る。戦争で家族と離れて暮らす辛さ、不安を抱えながら、自分たちを鼓舞して種をまき続けてきた思いが、笑顔につながっていることを。”Please be safe.” 寂しさや心配を抱えつつ、大きなハグをして見送り、いまも連絡を取り続けているという。


日本が朝を迎える頃、ルーマニアの夜は更ける。まるい地球のなか、遠く離れていても、想いを寄せることでグンッとその距離は近くなる。一緒に荷物を運ぶことはできないけども、「見てるよ」「想っているよ」そんな風に気持ちを送りたい。

今日は母の日。母の日おめでとう。写真に写る母たちが、その他多くの母たちの笑顔が曇らず、少しでも安心して過ごせますように。応援のメッセージ、コメントがあれば、パトリチアさんに届けてもらいます。どうぞお寄せください。

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WDRAC(ワドラック 一般社団法人・戦災復興支援センター)では、パトリチアさんのように草の根ネットワークで「支援する人」を支援する思いのもと、直接現地の活動に役立てられる寄付を常時募っている。詳細はこちらをご覧ください。https://wdrac.org

 

14件のコメント

代筆

私は元気のために、昔から大好きな
庭いじりと、最近ゆっくりしたヨガを
始めてやっています。
とにかく元気でいましょう。
それが支えになりますから。
大変なこともたくさんあると思いますが
応援しています。
母の日おめでとう。

75歳おばあちゃんより

代筆

ウクライナのお母さん
世界中のお母さんへ

毎日を楽しく過ごせますように。
家族が健康でいられますように。

子供達が幸せに生きられますように。

そんな当たり前の願いを皆さんと共有したい。
そのために何かできることがあるのであれば臆せずにやっていきたい。

母の日、たとえ会えなくても、きっと心は繋がっている。
素敵な1日を❣️

ふみおさんより

先日、佐賀県にウクライナから何組かのご家族がやってきました。その中の一組とお友だちを通じて知り合いました。

たまたま日本の芸能、コマ回しの会があり、色々な方の協力で参加されました!

ウクライナにも、こんなコマがあるんですってね!小学生の息子くん2人は、気づけば日本の小学生とコマを一緒に回していました(^^)

お母さんも知らない土地に来てたくさんの不安もあるんだろうな、、と思うのにそれを感じさせないステキな笑顔でした!たどたどしい英語で、ほんとお恥ずかしかったけど、笑顔は通じるのが嬉しかった〜

お母さんは、どこにいてもお母さん!お母さんの気持ちはどの国のお母さんも万国共通ですね

この空がずっと続いているように、地球がまるっと平和に包まれる日を、人類が達成できるのを心から願っています

福田さん

メッセージありがとうございます
佐賀でウクライナの親子とお知り合いになったんですね!
コマのお話知らなかったです。
子どもたちは遊んで、お母さんたちは
言葉以上に笑顔で繋がって、
とてもいいですね(^^)

「地球がまるっと平和に包まれる日
を」
私も願います!

千尋さん、ありがとう!
この前、10分話せただけで今日も1日元気でいこうって
なったのを実感したよ。
そんな繋がりや居場所があるってことがすごく大切だね。
ありがとう、届けますね^^

永安さん
心温まるメッセージありがとうございます。
届けます。また一緒にダンスできたらいいですね!

もうそろそろ咲いたかな?ドブラハタセンターの庭に、
青と黄色の国旗カラーで配色した朝顔の種を植えたそうです^^

ヒロシマで生まれ育った私にとって、
戦争はとても重く苦しい存在です。
遠い異国のことであっても、
やっぱりこの地球上で戦争は絶対に起きてほしくない。
これまで何十年、一体どれだけの母親が、
苦しんで苦しんで、
夫を、子どもたちを、
戦地へと送り出してきたか…
戦争で指揮を取っている彼らにも母親がいて、
きっと彼らが生まれた時には
涙を流して喜んだはず。
生まれた時には真っさらだった子は
一体、どうして争いの世界へ入り込んでしまうのか…

そんな苦しい状況下でも、
笑顔で過ごせるように知恵を働かせるのも
きっとお母さんたち。

あなたたちの、その行動が
私たちは励まされ、立ち止まり考えさせられ、
そして同時にわが子を想う。
やっぱりお母さんの笑顔こそが宝なのですね。

私の大好きなMISIAさんの歌の中に
「MAWARE MAWARE」という曲があります。

“誰かが誰かを想うことで 繋がる幸せ”

今日ちょうど聞いていたところだったので、
この記事が胸に刺さりました。
短い歌ですが、ぜひ歌詞を読んでみてほしいです!

智原さん

智原さんは広島で生まれ育ってるんですね。
想いの一語一句に共感しました。教えてくださってありがとうございます。

大変ななかでも、笑顔のもとになる行動を次々としているお母さんたち。
この活動を始めたばかりの頃のパトリチアさんが、
ネガティブなことに目を向けすぎず、
「愛すること、思いやること、守ることを時間がかかっても伝えて
いきたいですね」って言ってたことが、ずっと体現されていて、
いまと未来を作っているんだなと、心動かされます。

MISIAさんの曲聴きました!
”誰かが誰かを想うことで 繋がる幸せ”

元気が出る曲調ですし、歌詞、全てが響く〜!
この曲も紹介しますね。ありがとうございます。

種は冷たく暗い土の中で、じっと耐えています。
希望を捨てずに、夢を描き続けることの大切さを、いつも思い出させてくださりありがとうございます。
いつか花開くその日がくると、信じています。

植地さん

本当ですね。いつも大事なことを教わっています。
花開く日、信じています。
植地さん、いつも見守ってくれて(私のことも)、
ありがとうございます!

代筆

本当にお母さんたちは、それぞれ向き合う内容は違っても
(子育てに追われていても、戦争の影響を受けていても)、
自分を一番最後にしないことが大切ですね。
前を向いて進んでいくために。
いつも記事で皆さんのことを見ています。応援しています!

バンコクで子育て中のIさんより

代筆

どんな状況においても、明るい未来を求めて
笑顔や小さな幸せを増やす行動を欠かさない
”種まく人々”にとても勇気を頂きました。

母は強し。

でも母親だからって強くいないといけないというわけではなく、
ただただ誰かを支えたい。だからこそ自分を大切にすることを
体現しているんですね!

人をサポートする仕事をしている身としても
改めて大切にしたいことを考えさせられました。

いろんな支援の形が広がっていくといいですね。
私も私にできることをコツコツとやっていきたいと改めて思いました^^
応援しています!

女性の健康を支えるMutsumiさんより

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ABOUT US
山﨑恵
肝っ玉母ちゃんに憧れる繊細母ちゃん。アメリカで子育てをスタートさせるも、第二子出産後に産後うつになる。あの頃の自分にも、いま同じ思いをしている お母さんにも言ってあげたい。「いろいろあるけど、それでも大丈夫だよ」って。数年前、夫の実家の横須賀にあるカフェでお母さん業界新聞を手にとる。 配ってくれた人がいて、ここにたどり着いたご縁に感謝! このままの「お母さんであるわたし」でペンを持ち、人と社会とつながりたい。いまは地元埼玉県川口市で子育て・自分育ての根っこを下ろし中。 最近はまっているお灸でぽかぽかするのが至福の時。子ども/小6男、小3女